水木しげるロードの妖怪「小僧」身近なところにひそむ妖怪たち

水木しげるロードの妖怪「小僧」身近なところにひそむ妖怪たち

水木しげるロード第五弾は、「身近なところにひそむ妖怪たち」のうち「小僧」に絞り込んで掲載していきます。

袖引小僧(そでひきこぞう)、豆腐小僧(とうふこぞう)、浪小僧(なみこぞう)、一つ目小僧(ひとつめこぞう)、提灯小僧(ちょうちんこぞう)、雨ふり小僧(あめふりこぞう)、算盤小僧(そろばんこぞう)といった妖怪がいます。

(エリアとしては「身近なところにひそむ妖怪たち」ですが、数が膨大になるため分類しています)

袖引小僧(そでひきこぞう)

袖引小僧(そでひきこぞう)妖怪ブロンズ像

袖引小僧(そでひきこぞう)妖怪ブロンズ像

夕暮れ時を歩く通行人に対して後ろから着物の袖を引いてちょっかいを出す袖引小僧(そでひきこぞう)。出現地は、埼玉県。

水木しげる 妖怪大百科によると、袖引小僧は埼玉地方に現れるいたずら妖怪で、夕方、日の落ちた道を歩いていると後ろから着物の袖を引くものがいるのでびっくりして振り向いてもそこには誰もいない、という現象は袖引き小僧の仕業とされている。

水木しげるの続・妖怪事典によると、袖を引かれたと思って振り向いても誰もおらず、袖が絡みついたのだろうと思って気にせずに歩き出すと、またつんつんと袖を引かれるという。袖引小僧は、ちょっかいを出して喜ぶという程度で特にこれといった悪さはしない妖怪であり、特に恐ろしい姿をしているわけでもない。

豆腐小僧(とうふこぞう)

豆腐小僧(とうふこぞう)妖怪ブロンズ像

豆腐小僧(とうふこぞう)妖怪ブロンズ像

大きな笠をかぶり、盆に乗せた豆腐を手に持っている子供の姿の妖怪「豆腐小僧(とうふこぞう)」。雨の日に竹藪から出現する。豆腐小僧の豆腐をうっかり食べてしまうと、体にかびが生えてしまう。出現地は、薩摩(鹿児島県)今泉。

水木しげる 妖怪大百科によると、豆腐小僧について次のような話となっている。小雨がしとしと降っている中、竹藪の中の道を歩いていると大きな笠を被った子供がひょっこり現れて、「どうぞ」とおいしそうな豆腐を差し出す。それをもらって食べるとみるみるうちに体中がカビだらけになってしまったという。

浪小僧(なみこぞう)

浪小僧(なみこぞう)妖怪ブロンズ像

浪小僧(なみこぞう)妖怪ブロンズ像

海に棲む親指大のサイズの浪小僧(なみこぞう)。ある時、畑仕事をしていた少年に助けられた。その後干ばつ時、自分を助けてくれた子供へのお礼にと、雨ごいの名人の父親に雨を降らせてくれるよう頼み、間もなく大雨が降ったという伝承がある。出現地は、静岡県曳馬野。

浪小僧 妖怪ブロンズ像

浪小僧 妖怪ブロンズ像

水木しげるの続・妖怪事典によると、浪小僧にまつわる話は次のようなものである。

昔、曳馬野(ひくまの)に一人の少年と母が住んでいた。少年がある日、田を耕し沼で足を洗っているとそばの草の中から「もしもし」と声がした。見ると親指ほどの子どもがいて「お助け下さい。私はこの前の海に住む浪小僧というものでございます。先ほどの大雨でうかうかと陸に浮かれ出たものの、この日昭りとあってはとても家に帰ることができません。どうぞ海までお連れ下さい」と言った。気の毒に思った少年は頼みをきいて助けてやった。

その後、日照りが続き、川の水は枯れ、稲は萎れるばかりとなり、少年は途方にくれ、ぼんやりと海辺に立っていた。

すると海から浪小僧がやってきた。

「先日は有難うございました。旱魃で大変お困りのご様子、私の父は雨乞いの名人ですから、さっそく雨を降らして頂きましょう。なお今後は、雨降る時には東南で、上がる時には西南で、あらかじめ浪を鳴らしてお知らせいたしましょう」といって浪小僧は言い終わるとすぐにどこかに姿を隠してしまった。

しかし、それから間もなく雨が落ちてきてやがて大雨となった。少年をはじめ里の人々は大助かり それからというものこの地方では浪の音によって天気の予知ができるようになったという。

一つ目小僧(ひとつめこぞう)

一つ目小僧(ひとつめこぞう)妖怪ブロンズ像

一つ目小僧(ひとつめこぞう)妖怪ブロンズ像

今は昔、江戸の四谷の古びた武家屋敷で、年に数回10歳くらいの子供が現われてはいたずらし、たしなめると、「だまっていよ」といって顔を向ける。この妖怪が一つ目小僧(ひとつめこぞう)である。他に何も悪いことはしないが、必ず「だまっていよ」という。水木しげる氏の妖怪画談によると、鶉の行商する喜右衛門という者が武家屋敷にて鶉を売るときに通された一室に出現したそうである。出現地は、江戸(東京都)。その他、山村の人のいない空き家などで雨宿りをしていると一つ目小僧が出てきたので慌てて逃げ出したと言うような話が地方にある。

水木しげる 妖怪百物語によると、次のような話となっている。江戸の四谷にいた喜右衛門(きうえもん)という者が、ある日、麻布の古びた武家屋敷を通りかかると屋敷から人が出てきて鶉を買うという、鶉を渡し、代金を受け取る間、天井の板に雨漏りのあとがあり、ふすまなども破れている部屋に通された。

「貧しそうでもないのにどうして修繕しないのだろうか」と思いながら喜右衛門は待っていた。

するといつの間にやら十歳くらいの子供が部屋に入ってきて、床の間の掛け軸を巻き上げ、巻き上げたかと思うとまたパラリと落とすということを何度も繰り返した。

こんないたずらをしていては叱られるだろうし、掛け軸が破れて自分のせいにされても困るということで、喜右衛門は「これ、坊や、いたずらもほどほどにするものじゃよ」とたしなめた。

すると子供は「だまっていろ!」と言って顔を向けた。それは、一つ目小僧であった。

喜右衛門は驚いて気絶してしまったが、気づくと家の人に介抱されていた。そして屋敷の人は「時々出るんですよ。この春も棚に入れてあったお菓子を食っておりました」と言ってきた。

喜右衛門は代金をもらうと一気に逃げ帰ったという。

提灯小僧(ちょうちんこぞう)

提灯小僧(ちょうちんこぞう)妖怪ブロンズ像

提灯小僧(ちょうちんこぞう)妖怪ブロンズ像

真っ赤な顔をした小僧の妖怪「提灯小僧(ちょうちんこぞう)」。小雨の降る夜、かつて人が意味もなく殺された場所に出現し、歩いてる人を追い越したり、先の方で立ち止まって待っていたりする。出現地は、宮城県仙台市。

水木しげるの妖怪事典や水木しげる 妖怪百物語によると、次のような話がある。

使用人を連れた侍が提灯で足元を照らしつつ仙台の城下町を歩いていたところ、小雨が降ってきた。急ぎ足になろうとすると、後ろから十二、三歳の小僧が歩いてきて、侍を追い越し、侍を待っていた。

これはおかしいと、侍は小僧を追い越すが、また小僧も侍を追い越した。小僧の顔をよく見ると真っ赤だった。侍がハッとして立ち止まると小僧は消えた。

提灯小僧は人が意味もなく殺されたところに、小雨の降る夜に現れるということからきっとその場所では誰かが意味もなく殺されたのかもしれない。

雨ふり小僧(あめふりこぞう)

雨ふり小僧(あめふりこぞう)妖怪ブロンズ像

雨ふり小僧(あめふりこぞう)妖怪ブロンズ像

「雨師」という雨を降らせる神様に仕える子どもの妖怪「雨ふり小僧(あめふりこぞう)」。出現地は、東北地方。

水木しげるの続・妖怪事典によると、雨ふり小僧は、雨師に仕える子供の妖怪であり、雨の降っている野原などによく現れるという。雨ふり小僧についての話には次のようなものがある。

ひとつは、ある男がある晩家に帰る途中に不意の雨にあい困っていたところ、柄のない傘をかぶって提灯を持った小僧とあった。そこで男は強引に小僧から傘を奪い取って走り出し、家まで帰った。ホッとした男は傘を取ろうとしたが頭から離れなかったという。

もうひとつは、東北の狐と雨ふり小僧の話で、ある時、峠の狐が雨ふり小僧に「魚をやるから雨を降らせておくれ。娘の嫁入りをするから」と言った。雨ふり小僧が「承知した」というと、たちまちあたりはほんのり暗くなった。小僧が手に持った提灯を振るとにわかに雨が降り出した。その中を狐の嫁入りの行列が続いたという。

(ちなみに手塚治虫氏のマンガに同名の「雨ふり小僧」というものがあり、個人的には結構好きだったりします)

算盤小僧(そろばんこぞう)

算盤小僧(そろばんこぞう)妖怪ブロンズ像

算盤小僧(そろばんこぞう)妖怪ブロンズ像

基本的にそろばんの音で人を驚かせるだけの算盤小僧(そろばんこぞう)。音だけで人前に姿を現すことはない。寂しい道端の大木の陰から「パチパチ」、「チャラチャラ」と、算盤を弾くような音を立てて人々を驚かせる。出現地は、丹波の国(京都府)。

算盤小僧 妖怪ブロンズ像

算盤小僧 妖怪ブロンズ像

水木しげる 妖怪大百科によると、そろばんぼうず(算盤坊主)と呼ばれ、「ジャンジャラジャン」と算盤を弾くよう音で道を歩いている人たちを驚かせる妖怪。驚いた人が腹立たしさとともに音を立てた主の正体を見破ろうと音のした道端の木に近づくと音は急に鳴り止むという。

水木しげるロードの妖怪

Category:adventure 冒険の旅

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