水木しげるロードの妖怪「女妖怪」身近なところにひそむ妖怪たち

水木しげるロードの妖怪「女妖怪」身近なところにひそむ妖怪たち

水木しげるロード第四弾は、「身近なところにひそむ妖怪たち」の妖怪の中で「女妖怪」に絞り込んで掲載していきます。エリアとしては「身近なところにひそむ妖怪たち」ですが、数が膨大になるため、いくつかの分類をした上で投稿しようと思います。

そんなわけでまずは「女妖怪」です。濡れ女(ぬれおんな)、口裂け女(くちさけおんな)、お歯黒(おはぐろ)べったり、高女(たかおんな)、鍛冶媼(かじばばあ)、青女房(あおにょうぼう)、針女(はりおなご、はりおんな)、海女房(うみにょうぼう)、雪女(ゆきおんな)、寒戸の婆(さむとのばんば)といった妖怪について掲載します。

(「身近なところにひそむ妖怪たち」エリアは、数が膨大になるため分類しています)

濡れ女(ぬれおんな)

濡れ女(ぬれおんな)妖怪ブロンズ像

濡れ女(ぬれおんな)妖怪ブロンズ像

越後(新潟県)と会津(福島県)の境にある川に出現したとされる濡れ女(ぬれおんな)。

水木しげる氏の妖怪画談によると、濡れ女はうぶめの親類であり、髪が長く人面でありながら蛇のような下半身をしている女妖怪。尻尾が長く三町(約327m)先まで届くため、逃げてもかならず巻き戻される。

水木しげる 妖怪大百科によると、濡れ女は、北陸地方の川の上流によく出没すると伝えられており、岸辺の柳の木が多く生えているあたりの水中から、蛇のように長い体を浮き上がらせ、近くに来た人間を取って食べたという。

口裂け女(くちさけおんな)

口裂け女(くちさけおんな)

口裂け女(くちさけおんな)

昭和54年頃、突如として出現し、瞬く間に日本全国に広がった口裂け女(くちさけおんな)の伝説。水木しげる氏の妖怪画談によると、大きなマスクをした女が薄暗がりに立っていて、通りがかりの人に振り向きざまにつぶやくように「ねえ、私、きれい?」と言ってくる。マスクを外すとそこには耳まで裂けた大きな口があった。出現地は、三鷹市、新宿(東京都)。

お歯黒(おはぐろ)べったり

お歯黒(おはぐろ)べったり

お歯黒(おはぐろ)べったり

目や鼻がなくお歯黒をした口だけがある妖怪お歯黒(おはぐろ)べったり。美しい花嫁衣装の着物を着て顔を隠しうつむいている。声をかけると黒い歯を見せて、ニタッと笑う。出現地は、中部地方。

水木しげる 妖怪大百科によると、お歯黒べったりは、しーんと静まり返った夜に墓やお宮の森で不意にこちらを向いてくることがあり、見れば目も鼻もなく顔はのっぺらぼうで大きな口があるだけという格好になっている。大きな口でゲラゲラ笑い、お歯黒の歯をのぞかせている。

水木しげるの続・妖怪事典によると、美しい着物を着て、時に花嫁姿でいることもあるが、基本的にはいずれも顔を隠しているようである。親切心や好色心から声をかけると、のっぺらぼうでお歯黒の大きな口を見せてニタニタ笑うというのがお歯黒べったりの特徴のようである。基本的には、人気のない神社や寺に現れるが、まれに家の中にも現れるようである。なお、お歯黒は歯を鉄漿(かね)で染めることで行われる。

高女(たかおんな)

高女(たかおんな)妖怪ブロンズ像

高女(たかおんな)妖怪ブロンズ像

嫉妬深い醜女が化ける高女。下半身を伸ばし遊女屋などの二階をのぞいて歩く。鬼の一種であるという説もある。出現地は、和歌山県。体が自由に伸びる。

水木しげる 妖怪百物語によると、高女にまつわるお話は次のようなものになる。昔々、和歌山で木地屋(木地は木工品の材料)をしていた男が大阪の問屋の世話で女房をもらい、間に子供も二人生まれた。女房は働き者で、山奥に入っては木工品の材料をのこぎりで引き出したりしていた。

子供が五歳の時に行方不明になった。その時、元々いた30人ばかりの木地屋の使用人たちもひとり減り、二人減りと、やがて半分以下になった。

ある日、大阪の問屋がやってきて、「家の中になにか変わったことはないか」と聞いてきた。「別に変わったことはない」とこたえると、問屋は「そうか、ただ、気をつけるがよい」と言って帰って言った。

おかしなことを言うなぁと思っていたところ、山から女房が戻り、恐ろしい剣幕で「あの問屋はなにを聞きにきましたか」と聞いてきた。家の中になにか変わったことはないかと聞いてきた胸を伝えると女房はものすごい顔つきとなった。男は縮み上がり熱が出たと言って寝込んでしまった。

見知らぬものが枕元にやってきて「戻ってきた女房の様子がおかしかったら逃げなさい」と言ってきた。

高女 妖怪ブロンズ像

高女 妖怪ブロンズ像

やがて女房が帰ってきた時に寝たふりをしていると、女房は七尺ほどの鬼に変身した。外で着物脱いだ女房の裸は全身に灰色の毛が生えていた。井戸に飛び込むと、見違えるような美女となって出てきたが腰から下は井戸の中に浸しているようであった。

それを見た男は山に逃げ一命をとりとめた。

鍛冶媼(かじばばあ)

鍛冶媼(かじばばあ)妖怪ブロンズ像

鍛冶媼(かじばばあ)妖怪ブロンズ像

刀の代金を受け取りに出かけた鍛冶屋の妻が、夜道に迷って狼に取り囲まれて食い殺されてしまった際に霊が狼に乗り移ったのが鍛冶媼(かじばばあ)である。その後、旅人を食い殺すようになった。出現地は、土佐(高知県)。

青女房(あおにょうぼう)

青女房(あおにょうぼう)妖怪ブロンズ像

青女房(あおにょうぼう)妖怪ブロンズ像

荒れ果てた古い御所に出現する青女房(あおにょうぼう)。ぼーぼー眉毛にお歯黒を黒々とつけ女官の姿で棲む。出現地は、近畿地方。

青女房 妖怪ブロンズ像

青女房 妖怪ブロンズ像

針女(はりおなご、はりおんな)

針女(はりおなご、はりおんな)妖怪ブロンズ像

針女(はりおなご、はりおんな)妖怪ブロンズ像

美しい女の姿をしているが、長いざんばら髪の先端に鈎針状の鉤があり、男を引っかけて連れて行ってしまう妖怪、針女(はりおなご、はりおんな)。出現地は、愛媛県宇和島地方。

海女房(うみにょうぼう)

海女房(うみにょうぼう)妖怪ブロンズ像

海女房(うみにょうぼう)妖怪ブロンズ像

海坊主の妻ともされる海女房(うみにょうぼう)。うろこ、水掻きを 持つ。磯女や濡れ女とも呼ばれることがある。出現地は、島根県出雲市の十六島。

海女房 妖怪ブロンズ像

海女房 妖怪ブロンズ像

雪女(ゆきおんな)

雪女(ゆきおんな)妖怪ブロンズ像

雪女(ゆきおんな)妖怪ブロンズ像

豪雪地方の雪の降る晩に山小屋などに現れる顔の白い女妖怪「雪女(ゆきおんな)」。水木しげる氏の妖怪画談によると、雪の降る夜の山小屋に泊まるものに氷のような息を吹きかけて死に導くとされる。言葉を交わすと食い殺されてしまうという話のほか、雪女に出会ったことを人に話すと命を奪われるという話もある。出現地は、東北地方、関東地方。

寒戸の婆(さむとのばんば)

寒戸の婆(さむとのばんば)妖怪ブロンズ像

寒戸の婆(さむとのばんば)妖怪ブロンズ像

岩手県遠野地方(岩手県内陸部の遠野市)の寒戸というところで、冬の寒い風の強い日に現れるという婆である「寒戸の婆(さむとのばんば)」。水木しげる氏の妖怪画談によると、元は寒戸の生まれであるが、娘の時にある日突然姿を消し、三十年以上も経ってから訪ねて「みんな久しぶりだな。おらあ六角牛(六角牛山(ろっこうしさん)。遠野三山のひとつ)の方から来た」と言ったという。衣服はボロボロで、山姥そのものだったという。

水木しげるロードの妖怪

Category:adventure 冒険の旅

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