一つ目小僧(ひとつめこぞう)妖怪

一つ目小僧(ひとつめこぞう)妖怪ブロンズ像

一つ目小僧(ひとつめこぞう)妖怪ブロンズ像

一つ目小僧(ひとつめこぞう)妖怪ブロンズ像

今は昔、江戸の四谷の古びた武家屋敷で、年に数回10歳くらいの子供が現われてはいたずらし、たしなめると、「だまっていよ」といって顔を向ける。この妖怪が一つ目小僧(ひとつめこぞう)である。他に何も悪いことはしないが、必ず「だまっていよ」という。水木しげる氏の妖怪画談によると、鶉の行商する喜右衛門という者が武家屋敷にて鶉を売るときに通された一室に出現したそうである。出現地は、江戸(東京都)。
その他、山村の人のいない空き家などで雨宿りをしていると一つ目小僧が出てきたので慌てて逃げ出したと言うような話が地方にある。

水木しげる 妖怪百物語によると、次のような話となっている。江戸の四谷にいた喜右衛門(きうえもん)という者が、ある日、麻布の古びた武家屋敷を通りかかると屋敷から人が出てきて鶉を買うという、鶉を渡し、代金を受け取る間、天井の板に雨漏りのあとがあり、ふすまなども破れている部屋に通された。

「貧しそうでもないのにどうして修繕しないのだろうか」と思いながら喜右衛門は待っていた。

するといつの間にやら十歳くらいの子供が部屋に入ってきて、床の間の掛け軸を巻き上げ、巻き上げたかと思うとまたパラリと落とすということを何度も繰り返した。

こんないたずらをしていては叱られるだろうし、掛け軸が破れて自分のせいにされても困るということで、喜右衛門は「これ、坊や、いたずらもほどほどにするものじゃよ」とたしなめた。

すると子供は「だまっていろ!」と言って顔を向けた。それは、一つ目小僧であった。

喜右衛門は驚いて気絶してしまったが、気づくと家の人に介抱されていた。そして屋敷の人は「時々出るんですよ。この春も棚に入れてあったお菓子を食っておりました」と言ってきた。

喜右衛門は代金をもらうと一気に逃げ帰ったという。

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