先日、マルチ商法会員の若者を社長仲間と弁護士と共同で脱マインドコントロールしてみました。経済団体の会合に現れたマルチ商法会員(社長仲間の友人)を社長仲間たちと弁護士の方を交えて、脱マインドコントロールを試み、脱会までの糸口を作ってみたと言うような感じです。
一応「マルチ商法(MLM)と洗脳」の続編のような形ですが、何かの役に立つかもしれないので、その時の実際のやり取りを残しておこうと思います。
マルチ商法、MLM(マルチレベルマーケティング)、マルチネットワーク、ネットワークビジネスと言われるようなものについては先の投稿をご参照いただくとして、早速「マルチ商法会員を社長仲間と弁護士と共同で脱マインドコントロールした」というようなことについて触れていきましょう。
登場人物は、
僕
マルチ商法会員さん
社長仲間 Aさん(マルチ商法会員さんの友人)
社長仲間 Bさん
弁護士 Cさん
といった感じです。
それではお楽しみください。
マルチ商法会員さんがやってきた!
年末ということで、忘年会が次々と開催されています。
某経済団体(経営者の集まり)においても例に漏れず忘年会がありました。
その場に社長仲間Aさんの友人で起業予定の「マルチ商法会員さん」が同伴でやってきました。
名刺を交換したりしながら、少し話してみると、社長仲間Aさんの事業を展開したような新規事業を興してみようという感じで起業準備段階にある人でした。
いろいろと話してみると、「昔営業をやっていたので…」というフレーズが出てきました。
そういうわけなので、「以前は何を売ってたんですか?」と聞くと、「このような場にいる方々の前でお話するのも気が引けるのですが…」という前振りがあった後、
「ネットワークビジネスをやっていまして…」
という言葉が返ってきました。
「現役ですか?」
「あ、あのまあ現役なのですが…」
「おいおいAさん…」と心の中では思ってしまいましたが、社長仲間Aさん(マルチ商法会員さんを連れてきた人)は、そのようなマルチ商法、ネットワークビジネスなどを勧めるようなタイプの人ではありません。
「これは何か裏があるな」と思った僕は、マルチ商法会員さんとしばらく話した後に、社長仲間Aさんの方に話しかけに言ってみました。
「今日一緒に来られた『マルチ商法会員さん(本名)』って、マルチ商法とかネットワークビジネスとか言われるやつに手出してるんですね」
などと言ってみました。
すると
社長仲間 Aさん「やっぱりあの人まだそんな事してるんですか…」
bossu「それほどバリバリという感じでもないようですが、一応現役みたいですよ」
社長仲間 Aさん「あの人、昔からそうなんですよ」
bossu「これから別事業で起業するんでしょ?」
社長仲間 Aさん「そうなんですが、そっちをやり続けるとなると、という不安があるんです。正直、それ以外にも今後誰かに騙されたりしないか、とかそうしたことも不安要素としてあります」
「でもまあ、今は夢中ってわけでもなさそうなので、何とかなるんじゃないですかね。じゃあ…とどめを刺しておきますね」
そのような感じで、ワケを話しつつ、社長仲間Bさんと弁護士Cさんを率いてマルチ商法会員さんとビジネスの話の続きをしに行くことになりました。
マルチ商法会員さんの今までの経歴
何事も一方的に説けば良いというわけではありません。
ということで、マルチ商法会員さんの今までの経歴を聞き出すことにしました。この段階では社長仲間Bさんと弁護士Cさんはほとんど無言であり、単に威圧するためにいてくれたという感じです。
「ネットワークビジネス以外は何をやってたんですか?」
「昔は工場に勤めてて、それから運送業の方に転職してという感じですね。それとパチプロみたいなこともやっててそこそこ貯金はあったんですが…」
「製造業と運送業を経験されて、その後営業のようなお仕事をされてたんですね。それで今回はなんで起業することになったんですか?」
「地に足をつけたかったんです」
「そうですか。リアルな商売というのも楽しいですし、いろいろと勉強になりますからね。で、今回の創業の直近の時というかその前はどうされていたんですか?ネットワークビジネス単体ですか?」
「そうですね。ネットワークビジネスと後は売れる商材を見つけて営業代行のような、自営業のようなことをしていました」
「どのようなものを取り扱っていたんですか?」
「それもお話するのは気が引けるのですが、だいたい無形の情報ですね」
「情報商材ですか?」
「いえ、まあそうしたものもありますが、投資解析ツールとかそうしたソフトウェアです」
「どうやってそうした商材を見つけていたんですか?」
「ソーシャルネットワークと、後は地元の先輩などからお話がやってきて、といったところです」
「そうですか。ではそうした商材の販売と合わせてネットワークビジネスをされていたんですね。でもそこでずいぶんと営業のスキルなんかはついたんじゃないでしょうか?」
「それがなかなか売れないんですよ。まだまだ勉強が必要だと思っています」
「では、今後の事業を興していかれる中、現役でネットワークビジネスをされているということですが、現状ネットワークビジネス自体はどんな感じなんですか?」
「運送屋とパチプロみたいなことをしていた時に貯めたお金を全部無くしました。でもせっかくそうして築けた人脈とか権利収入とかは残しておきたいと思っています」
社長仲間と弁護士と共同で脱マインドコントロール
そのような感じで、全体像がつかめたので、ここからは社長仲間と弁護士と共同で脱マインドコントロールです。その間社長仲間 Aさんも同席していましたが、終始無言でマルチ商法会員さんを見守る様子でした。
社長仲間Bさん「そんな人脈何の役にもたたんで」
bossu「まあ新規事業にはプラスにはならんでしょうな」
弁護士Cさん「貯めていらっしゃったお金、全部無くしてしまったんですよね?」
社長仲間Bさん「そんなんビジネスちゃうやん」
マルチ商法会員さん「まあ、それでも後に稼ぐための投資的意味合いがあると思いまして…」
bossu「運営会社胴体は既にしっかりと儲かってますけどね」
社長仲間Bさん「ほないつ頃取り返せんの?」
bossu「まあもうこの際、その権利収入とやらは無視していいんじゃないですか。大切なのはこれからですよこれから」
社長仲間Bさん「弁護士Cさん(本名)、こういうのってどう?」
弁護士Cさん「トラブルは多いですね。でもやり始めてから期間が経っていそうだし、取り返すのは難しいですよ」
社長仲間Bさん「まあ勉強代やな」
bossu「まあこれからは新規事業に力を注ぐんですから、まあいいじゃないですか」
マルチ商法会員さん「僕は…変わりたいんです」
社長仲間Bさん「ほなもうそっちは諦めや。全部捨てなあかんで」
弁護士Cさん「ちなみに何という会社ですか?」
マルチ商法会員さん「〇〇(マルチ商法会社)です」
弁護士Cさん「あー…」
社長仲間Bさん「まあ有名どころやな」
弁護士Cさん「そうですね。まあ詐欺などではないですが、良い噂は聞きませんね」
マルチ商法会員さん「僕はこれからどうしていけばいいでしょうか?」
社長仲間Bさん「会社作るんちゃうんかいな?やる前からそんなんでどうすんねん。ほなbossuさん、後はよろしく」
「反応する生き方」への対機説法
そういったやり取りの後、社長仲間Bさんと弁護士Cさんは、別の方の方に挨拶に行かれたりしました。脇で威圧だけしてもらえればいいと思っていたにもかかわらず、若干のお声がけなどをいただきありがたいしだいでした。
ということで、ここからは、ほぼ僕とマルチ商法会員さんのやり取りです。
bossu「マルチ商法会員さん(本名)ね、あなたはただ反応してるだけなんですよ」
マルチ商法会員さん「どういうことですか?」
bossu「そのネットワークビジネスとやらも、自分で探して自分で考えて『これならいける』とか吟味したようなものじゃないでしょ?
きっかけを思い出してみてください」
「地元の先輩から話を聞いて、『いいなぁ』と思って始めたんですけどそれじゃダメなんですか?」
bossu「こっちから行ったんじゃなくて、向こうから来たんでしょ?」
マルチ商法会員さん「まあそれはそうですけど…」
bossu「何も向こうから来るものが全ていけないってわけじゃないんですけど、それって誰かの仕掛けに反応しただけなんですよ」
マルチ商法会員さん「…」
bossu「でも、今回の起業話は、少なくとも既存の何かに飛び込むってことじゃなくて、社長仲間 Aさん(本名)と相談の上で創業計画をしたりしたわけでしょ?
どちらから提案したのかはわかりませんが」
社長仲間 Aさん「うちの会社に遊びに来てる時に話の流れで出てきたんですよ」
bossu「それじゃあまあ一応は社長仲間 Aさん(本名)に反応したということになるのかもしれませんが、提案されて既に出来上がっているものに参加するというようなことではなくて、新しい分野について共同で考えてみたりしたわけですよね?」
社長仲間 Aさん「そうですね」
bossu「じゃあ今回はそう見せかけている『社長仲間 Aさん(本名)』の策略であり、マルチ商法会員さん(本名)は、社長仲間 Aさん(本名)に騙されかけている、ということになりますね?
と、それは冗談ですが、お金が絡むような話の時は、それくらいの気持ちで考えてみてください」
マルチ商法会員さん「社長仲間 Aさん(本名)、オレをはめるつもりだったの?(笑)」
社長仲間 Aさん「そうかもしれない、くらいに思っておいて(笑)」
bossu「今までのマルチ商法とかネットワークビジネスと言われるようなものとか、情報商材の販売とかそうしたものは、だいたい向こうからやってきたものだったでしょ?
でもこれからマルチ商法会員さん(本名)は、事業者になるんだから、反応する側じゃなくて反応させる側にならなきゃダメですよ。
少なくとも、人から提案されて反応するんじゃなくて『自分で考えて選びに行く』ということをしなければなりません。
まあ社長仲間 Aさん(本名)が近くにいるのなら安心だと思いますが」
―
その後、意識を新規事業の方に向けてもらうため、マルチ商法会員さんに対して、社長仲間 Aさんと一緒に経済や経営の仕組みについて延々とお話することになりました。
意外と社長の人達はみんなすぐに力を貸してくれたりするので、そうした人たちが身近にいる場合は、相談してみても良いかもしれません。
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