外勇にして内怯えたる愚将

普通に考えると、横暴な人が社会でうまくいくはずがないということになりますが、ブラック企業が完全には根絶されていないということにより示されるように、経済的な成功のようなものは、その人の人格とはイコールではないという格好になっています。

希望的観測で言うと「いつかは失墜する」ということになりますが、うまい具合に任期中は失墜せずにリタイアするという可能性も大いにありますし、だいたいその企業の内側にいる人はマインドコントロール下にあるので、革命のようなことも起こりにくいという感じになっています。

人の意識の性質として、急迫な侵害には抵抗が生まれますが、ジリジリした侵害には順応してしまう癖があります。

また生存のため順応ということなのか、同じ空間にいる人達に同調する性質もあるので、周りが狂人たちで溢れかえっていた場合、そうした狂人たちの空間に長期間いると、世間一般で言う「正常な方」が異常で、「異常な方」が正常であるという感じになってしまったりもします。

同調圧力と異常さへの慣れ

そんな事を考えると、勤め人時代、新入社員だった頃の労働組合の勧誘を思い出します。

論理として関係がないはずであることを、関係があることかのように感情論で説いてくる人たちは狂人にしか見えませんでした。

しかし、異常なのは僕と同僚の方であり、職業的立場や集団の同調圧力等々を駆使して「何としてでも理解させてやる」と意気込んできました。

しかしながら、もちろん僕は非体育会系であり、さらに昔から狂人の扱いにはそこそこ慣れていたので対抗しました。そして飲まれることなくやり過ごすことができました。

もし、狂人の扱いに慣れていなかったら相手の空間に飲まれていたのかもしれないと思ったりします。

罵詈雑言が当たり前のブラック企業でなくとも

「変だとは思うけどそれほど言い返すような材料もないし」

という感じでジリジリと変な文化を受け入れていくということはよくあります。そんな感じで普通は2、3年もすれば異常さにも慣れ、それが自然となり、違和感すらなくなり、変な文化を説いていく側になってしまうのでしょう。

基本的に祝い事をお断りする理由

他の投稿で触れたことがありますが、僕が二十代の頃、同級生がブラック企業に勤めてしまったことにより過労死したことがあります(自己犠牲の精神からの脱却)。

そうした出来事があってからさらにブラック企業が嫌いになり、体育会系が嫌いになりという感じにもなりましたが、同時に「プラスになりそうなことであってもブラック労働環境から逃れられないような要因となること」に着目することになりました。

その中で、細かい点にはなりますが「就職祝い」すら、ブラック労働環境に閉じ込める要因になるという事を思いました。

祝われることは良いですが、変に祝われると「せっかく祝ってもらったのになぁ」という気持ちが生じます。そして、家族などに「あそこの会社に就職が決まってホッとしている」と言いふらされたりすれば、家族の気持ちを沈めないためにと、変に奮闘してしまうことになりかねません。

ということで、僕は両親に「就職祝いのようなものはいらない」と言いました。

両親は僕の気質を知っているので、なんだかんで結局「その会社に行くからというわけじゃなくて」という前フリをしながら「タイピン」をくれました。

「変に凄まじく祝われると辞めにくくなる」

という制限を嫌うということを察知してくれたのでしょう。

まあ気恥ずかしいという面もありながら、こうしたことが「僕が祝い事や式典のようなものをすべてお断りする理由」のひとつとなっています。

なので、体育会系お得意の「おごる」というやり口による返報性を利用した心理操作や、祝う側の方に権威がつくという構造を利用した式典のようなものについても、某芥川賞作家さんのように「もらっといてやる」という感じで過ごしています。

「ありがたく頂戴しますが、だからといってあなた方の方が偉いというような事は思いませんからあしからず」

というような感じです。

いつでもしばき返す心の準備をしておく

ということなので、大体は威圧感が強く、辻褄が合っていないような横暴なことを平気で言ってきたりもしますが、基本的に社会においては「自分ひとりで自分一人分は成り立たせるのが原則」という感じになっています。そうなると「相手の方が上」というのも「時と場合による」という感じで捉えることができます。

なので、嫌だと思いながら命令を聞いて、気力がなくなって、完全に支配されてしまうという感じになる前に、いつでもハリセンで相手の顔面を叩く準備だけはしておきましょう。

横暴なことで怒鳴られたら怒鳴り返してやれば良いのです。

怒鳴り返されたことのない人ほど怯むこともありますし、意外と事態は面白く展開するかもしれません。

ただ、相手が本気で牙を向けてきたのであれば、逃げるという選択肢を取るのも有効です。

基本的な労働条件も守れないようなものは、経営者でもなんでも無いのですから敬う必要はありません。普通に考えても給与が支払われないなど、債権債務が発生していないのですから、言うことを聞く義務自体が発生していないのです。

しかしちゃんと整備してくれている場合は、自分の側に甘えがないかを確認する必要があります。

「全然足りてないのはあなたです」

外勇にして内怯えたる愚将。

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