お通しやサービス料、保証金といったよくわからない商慣習

以前にも少し触れていましたが、20歳前後の頃よくわからない商慣習のおかげで外出するのが嫌になったことがあります。

いまでこそかなりマシになりましたが、当時、居酒屋のお通しと呼ばれるようなものを筆頭に、飲食店などにおいて謎のサービス料のようなものが何の説明もなしに料金に付加されたりして困惑しました。

最近ではメニュー表に記載されるような時代になったので若干は気楽になりましたが、このとき感じた違和感によって未だに飲食店に行くことがあまり好きではありません。

何故そのようなことが通用していたのかが謎でしたが、やはり納得がいかないことを目にしたときにどう振る舞えばよいのかがわからず悶々としていました。

結局、学校で民法や商法などをしっかり勉強することによって、いざというときにどうすればいいのかということの道しるべができたので、それからはかなり楽になりました。

しかし、そうしたことはどのような人にでも関わるような大事なことなので、義務教育で概要くらいは教えておくくらいの方が良いと思っています。

居酒屋の「お通し」問題

慣習や商慣習についての詳細は法曹関係者の方などの解説などにお任せしますが、これは世の中のやり取りとして、はっきりと決まっていないことに関しては慣習が効力を持つこともあるという感じです。が、「そういう慣習があるということが常識レベルで通っているのか?」というところが問題となります。

「飲食店で水を頼むのに料金はいるか?」

ということになれば、いちおう厳密に言えば水道水であれ原価はかかっていて、店員さんが持ってきてくれるのであれば、その人の労力もあるので、お金がかかってもおかしくはありません。

しかし、世の中の大半のお店ではミネラルウォーターなどを頼まない限り、「お冷」で料金を取られることはありません。

そんな感じではっきり明示はされていなくても「水の料金は無料」というのが慣習のようなものです。

で、今でははっきりと料金なども明示されていたりしますが、居酒屋なんかは謎の「お通し(付き出し、先付け)」と称して、勝手に料金を請求していたわけです。

昔は概ねそのお通しの代金がいくらなのかを知らされることなく、勝手に会計にプラスされていたという感じです。

「どこでもそうですから」

ということになれば、慣習という感じになりますが、どの店においてもそのシステムがあるわけではなく、さらに無料の範疇ではなくお伺いが必要なはずの「料金が増える方」の領域です。

「お通し代をいただきます」などと表の看板に書いてあるわけでもなし、全てが不透明であり、何を持って「お通しシステム」がある居酒屋なのかを判定することはできません。

それで「お通しは慣習だ」という人たち、そして、「そんなことをどうやって判断するのかがわからないし、慣習とは言えない」という人たちで対立することになりました。

でもそれが通るとなると、「お通し代30万円です」でも通用してしまうことになります。

慣習だと主張しようが説得力に欠ける部分がありますし、「その料金を取るにあたって仕組みを明示しない理由はどこにあるのか?」ということにもなります。

そんなこんなでまあ結局「お通しは慣習とは言えない」ということが一般的になって、それから徐々にメニュー表に「お通し代300円」などと記載されるようになっていきました。

料金案内もなく、座っておしぼりを出されて、それに手垢をつけた時点で一方的に設定された料金を支払うことになるなんて普通に考えると卑怯ですからね。

謎のサービス料

まあそういう意味不明な料金があると、世に出る子どもたちが社会のことを嫌いになってしまうと思います。

そんなことを一番最初に思ったのは、当時の彼女と入ったレストランで請求された「サービス料」です。

10代だったのでお金もなく、想定していた金額よりも10%増しで請求されたので、夕食後の予定が少し変更になってしまったという経験がありました。

素直に表現すると、

「デートで来ているのに小銭にケチくさい姿を見せるのかい?」

という卑怯なやり方だと思いました。

仮にメニュー表に書いてあったとしても、その事実は着席してからでしかわかりませんし、そうした料金を取るなら店に入る前に知らせなければならないはずだ、と思いました。

そんな感じだったので、もちろん「二度と来るか!」と思いました。案の定その店は数年後に潰れていました。

そう考えると最近では、表の看板に「チャージ」としてお席代を記載している店が増えました。

お通し代問題が騒がれたりしたからなのか、最初からはっきりと表記していた店だけが生き残ったのかどちらかはわかりませんが、「後から言うのは若干卑怯だが、それくらいの金額くらい『慣習』の範囲だし、騒ぐほどでもないから支払うだろう」という自分のことしか考えていない店は大半が消滅したということになります。

そんな店は、自分の仕事へのプライドもなく、客の満足のことなど考えていないはずなので、いたるところで邪念が出てくるはずです。しばらくは誤魔化せるかもしれませんが、いずれ見抜かれていって潰れるのは当然ということになりましょう。

謎の保証金

「謎の料金」ということで思い出しましたが、かなり前、友人とその後輩のような人たちと一緒に飲み屋を探していたときのことです。

後輩の人が店を探していてくれていて、そんな中キャッチセールス的に声をかけてきた人がいました。

で、交渉という感じなのか、二人で話し込んでいて最終的にその店に行くような感じになりました。

キャッチセールス側の人は、携帯電話で店に連絡を入れているような感じでした。

で、電話を切った後、「保証金1000円をお預かりします」と言ってきました。

意味がわからなかったので「なんでですか?」と割り込んでみました。

「本当にお店に来てもらえるのかわからないので。

店に来てもらったら店から1000円をお返しします」

「君がその店の人っていう証拠はないでしょ?」

「まあそうですけど、それが常識ですから」

「は?」

という感じでやり取りをしていると、友人の後輩の人が

「兄さん。この辺はまあそんな感じですよ。僕が払いますから、まあ、まあ…」

「うーんまあいいか」と思いながら「変な店やなぁ」と思いながらも渋々店に向かうことにしました。

一応来店時に1000円は返してもらっていたようですが、飲み放題プランのようなものに関しては、交渉のようなことをしていた料金よりも平常料金の方が20円位安い感じでした。

「なんか変ちゃう?」

と言ってみると、後輩の人も

「そうですね」

ということになり、メニュー表を見ると飲み放題料金は交渉時よりも20円安く、代わりにフードメニューを2つずつ頼むことが必須という感じになっており、しかもそれが高額という感じでした。

おしぼりは出されましたが、

全員ほぼ同じタイミングで

「出よか」

といって、近所の店に行くことになりました。

少し難癖をつけられましたが、後輩の人も「話と違う」といって強気に返していました。

まあ謎の保証金1000円は返ってきたので、それだけでも良かったという感じでした。

本来保証金というものは、レンタルやリースなどにおいて、返却時に物が壊れていたりした場合の原状回復費用を後から徴収しようと思ってもそれがままならないということはいろいろと困るというということや、料金支払いが滞ってしまった時のリスクへの予防を理由に、もしもの時の費用を予め預かっておいて何事もなければお返しするという性質を持つものです。

通常、その場合は、所在地がはっきりとした店舗等々で保証金を預けると同時に、物が渡されるか預り証などが渡されることになります。

しかし、そのキャッチセールスの人は、道端で1000円を受け取り、店のチラシを渡すだけです。

それがそのあたりでは常識だなんて言われても、店の人のふりをして保証金詐欺を働くことができてしまうような構造を持っているものが常識になりえるはずがありません。

それが慣習になっているような街は異常だと言えるでしょう。

身動きが取れなくなってから条件を悪化させる

こうした構造は概ね「身動きが取れなくなってから条件を悪化させる」という性質を持っています。

ブラック派遣会社による謎のデータ管理料事件もそうですし、携帯電話やデータ通信の謎料金、通信量制限も同じようなものです。

データ通信量に関しては、当初無制限だったのに急に通信量を制限してきたりしました。で、その手前に長期契約割引を適用させて、解約したら解約手数料を取るというあくどいやり方です(ちなみにこれは「保証期間は1年です」の時のポケットWi-Fiのときでしたが、法的な契約解除扱いになったので「解約」にはならず、請求されませんでした)。

世の中では、「慣習だ」として報酬支払の送金手数料を勝手に天引きしたり、下請け業者への代金支払いの際に、勝手に事務手数料を差し引いたりするという事例があります。

金額が「騒ぐほどでもないレベルのもの」なので、特に大きな問題になることはありませんが、あくどいことには変わりありません。

騒ぐほどでもないレベルのものであったとしても、あまり負担にならないレベルで騒いでおいた方が自分のためにも世の中のためにもなるのではないでしょうか。

寡占状態にある業種であれば、「それでも利用せざるを得ない」という感じで半ば強制力を持つことができるのかもしれませんが、活発に自由競争が展開されるような業種であればそうはいきません。

然るべき方向に経営は傾くどころか、すぐに潰れてしまうでしょう。

Category:company management & business 会社経営と商い

「お通しやサービス料、保証金といったよくわからない商慣習」への2件のフィードバック

  1. おはようございます。
    今回も勉強をさせて頂きありがとうございました。

    謎の料金に関しては、私は遭遇をしたことがないので「そう言う世界もあるんだなぁ」と感心しました。

    話題からそれるかもしれませんが、「もう一度行ってみたいお店」はどんな所だろうと考えてみました。
    真っ先に思いつくのは、「顧客目線でサービスを考えているお店」でした。
    オリエンタルランドはその筆頭だと世間では言われていますが、もっと顧客目線の所はあると思います。
    良くある近所の小さな定食屋でも、そう言うお店はあるかなぁと思います。

    常識って怖いです。
    常識と非常識の境目で私自身がマイノリティになる事が多々あります。
    私の経験ではないのですが、派遣会社を通じて就職した方がいました。
    派遣会社の話では、派遣で仕事をしても初めの2ヶ月間は社会保険には入れませんとのことでした。
    私も法律に詳しくないのですが、普通に働けて、普通の生活をしているのに、保険に入れないことがあるんですね。
    突っ込んで派遣会社に聴いてみると、「常識です」との回答でした。

    知らないことに謙虚に向き合う姿勢と、知らないうちに常識になっていることを受け入れる姿勢。
    難しいです。

    毎度の駄文をお許し下さい。
    また勉強をさせて頂きます。

    1. 独占的な業界でない限り、お客は社会学的な意味での自由意志で選んでやってきていますからね。
      代替手段があるなら、ケチくさいところは除外して考えるようになるというのは自然なことだと思いますので、事業者側がそうした構造を「理解できない」ということが問題になるという感じでしょう。

      派遣会社の常識というお話ですが、「ルールとマナーの問題」に近いと思います。
      いくら常識といえど、各人が「常識」といえばそれで通るのかという問題です。
      それぞれの常識同士がぶつかった時、権力がその強い力をもって仲裁に入るという「社会契約」の概念で社会的なやり取りが何とか回っているという感じです。
      マナーには権力による強制や罰則がなく、ルールには権力による強制や罰則があります。

      詳しくは社労士等の専門家の範疇ですので何とも言えませんが、まあ社会保険加入については、労使折半で事業者側が費用負担するのが嫌という動機でしょうし、「2ヶ月以内の有期雇用」という社会保険加入に関する適用除外の項目をうまく使っているという感じかな、と思います。
      一旦2ヶ月限定の雇用としておき、その後に引き続きで継続雇用するという形式を取っているという感じになるのでしょう。
      それを望まない場合は、最初から「初めの2ヶ月限定という雇い方をやめてください」という交渉をすることになりますが「そうであるのならば雇わない」と言われたらそれで終わりです。あくまで双方に都合があり、お互いが納得した上での契約ですからね。

      法令に関してはルールの範疇になるので、ゲームに参加するのであればルールを知らないとエライ目に遭うという感じです。
      社会保険に関しては、健康保険等々ある意味「権力の制度としての力を利用する」という領域です。
      その力を利用したければそのルールでやりくりするしかありません。
      といっても個人の生活に密接関わることに関しては、本来は義務教育で教えるべきだと思っていますけどね。

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