最近、見る夢の中でも白昼のふとした隙間においても、何故か宝ヶ池の鹿の王が出てきます。
僕が勝手に鹿の王と呼んでいるだけですが、もちろん宝ヶ池に実在する鹿です。その旨は一応「宝ヶ池の鹿」で少し触れていました。
サラブレッド並みとまではいきませんが、かなり大きな体に加え、すごく立派な角を持っています。普段宝ヶ池で見る鹿とは圧倒的に体格が違うという感じです。その風格からおそらく宝ヶ池公園付近一帯の鹿の王だと思っています。
彼との出会いもまた不思議なのですが、「宝ヶ池」で触れていた通報を行った時でした。
僕が宝ヶ池公園から帰ろうとすると、山の方から一頭の大きな鹿が降りてきました。
遊歩道にまでやってきて、僕と10メートルくらいの距離で向き合うという感じになりました。
本当に不思議な感じがして、まるで狐に化かされているのではないかと思うような感じでした。
普通動物は目を合わせません。目を合わせているときは臨戦態勢です。通常それが続くと襲ってくるか逃げていくかどちらかです。
しかしその時は3分位だったか、5分位だったかは定かではありませんが、ずっと遠目で見つめ合うような感じになりました。
彼は肩で呼吸をしているような感じでした。
話すと言うと語弊を生みそうですが、言葉に変換できるかどうかは別として、一応僕は動物と話すことができます。それはおそらく元々持っている共感覚と、養子のうさぎなどに鍛えてもらった非言語コミュニケーション能力、そして開眼後の神通力(?)のようなものなのでしょう。もちろん各々に個性があり、うまく話せる場合とそうでもない場合があります。
といっても、人同士でも見つめ合うとそれだけで非言語コミュニケーションを取ることになるので、それと同じようなことです。
そんな感じで僕たちは話し合いました。
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鹿の王との約束の内容は秘密ですが、これほど彼のイメージが度々現れるということは彼がまた僕に語りかけているということになりましょう。