家庭の平和と魂の平和

われわれの普通の気分は、われわれが自分の環境を維持することのできる気分に依存している。 曙光 283 自分の環境を変化させる事こそ、「ひとまず今のままでも大丈夫なのに新しく危険なことをする必要はない」という抵抗感を一番感じる時です。家庭の平和と魂の平和という言葉のごとく、気分としての平和な状態を強く望んでいます。 確かに新しく危険なこ

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美しさのもつ危険

この女性は美しくて賢明である。ああ、彼女が美しくなかったら、どんなにはるかに賢明になったことだろう。 曙光 282 本であっても人の話であっても、その情報がどんな情報であれ、情報というものならば、内容とそれ以外の属性は切り離さなければなりません。 その人の経歴や肩書などの属性は、その情報を解釈するにあたっての単語のもつ意味、つまり定義

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自我は一切を持とうとする

人間は一般に、所有するためにのみ行為するようにみえる。少なくとも、一切の過去の行為をあたかもわれわれがそれによって何かを所有しているかのように見なす言語は、この考えを暗示している(「私は語った、戦った、勝った」ということは、私は今、私の言葉、戦い、勝利を所有している、ということである)。これとともに人間は何と貪欲に見えることだろう!過

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順位

第一に浅薄な思想家がいる。第二に深い思想家―事柄の深みに入り込む人々―がいる。第三に徹底的な思想家がいる。彼らは事柄の根本を究明する。― これは、単に事柄の深みに降りて行くことよりも、はるかに大きな価値のあることである!― 。最後に頭が泥沼にはまりこんでいる思想家がいる。これはしかし深みのしるしでも、徹底性のしるしでもない!彼らは愛す

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ひとつの模範

私はトゥキュディデスのどこを愛するのか?私が彼をプラトンよりも深く尊敬する原因は何か?― 彼は人間と出来事のあらゆる典型的なものに、最も広範囲で最も偏見のない喜びを感じ、そしてどの典型にも、ある量のよい理性が属していることを見出す。これを、彼は発見しようと努める。彼はプラトンよりも大きな実際的な公正さを持っている。 曙光 168 前半

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iPhoneから普通の携帯電話へ

ついにiPhoneから普通の携帯電話へ変えることになりました。 iPhoneやSNS、通話アプリケーションのテクノロジー(といっても特に進化しているわけではありません)を否定的にとらえているわけではありませんが、多少なり得ていた意識のノイズと、集中力の分散、つまり意識の負荷を軽減して、文字通り浮いた時間と労力と、少しばかりのお金を、さ

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刑務所の中で

私の眼は、どれほど強かろうと弱かろうと、ほんのわずかしか遠くを見ない。しかもこのわずかのところで私は活動する。この地平線は私の身近な大きな宿命や小さな宿命であり、私はそこから脱走することができない。どんな存在のまわりにも、中心点をもち、しかもこの存在に固有であるような、ひとつの同心円がある。同様に、耳がわれわれをひとつの小さな空間の中

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子供らしい

子供のように生きる― したがって自分のパンのために戦わず、自分の行為に決定的な意義が属していると信じない― 者は、いつまでも子供らしい。 曙光 280 温泉やスーパ銭湯などに浸かっていると、他の客の中に騒がしい子どもがたまにいますが、動きまわるだけでなく「奇声を発する」という場合があります。それが集団となると狂騒と表現するのがふさわし

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第600回投稿記念&祝一周年

これで600記事目になります。ということで第600回投稿記念の回かつ当サイト一周年記念です。 常連さんいつもご高覧ありがとうございます。年間を通しての変化やサイトの成長を見守っていただきありがとうございます。おかげさまでサイトボリュームも膨大に、インデックス数は1200ページを超え、アクセス数も開設三ヶ月目と比較すると8倍ほどになりま

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実践的対処法 意識を傍観し感情をその場に置き去る

いきなり「自分というものは錯覚ですよ」といっても意味がわからないどころか、おそらく理解に向かおうとすらせず、すぐに匙を投げてしまいます。うつに対する実践的対処法としては、手始めに「意識を傍観し、感情をその場に置いていく」という手法はいかがでしょうか。 いかがでしょうか、ということはどういうことでしょうか。いわば半分仮止めのような状態で

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10年前の日記 理解者との共同作業

ハードディスクを整理していると、ちょうど10年前、2005年3月23日 水曜日に記したであろうテキストデータが出てきました。その内容は以下のようなものです。 ヒロユキとタロー 忍空という漫画のアニメ、53話「友情の舞台!ヒロユキの秘密」が小学校の時から頭に焼き付いて離れない、という内容でした。ペンギンを含め、鳥好きと言うのもあるとは思

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腹の底から笑ってやれ

うつテーマであるものの、連続して長文かつ、すぐには理解できないような話になりましたが、何度も繰り返すように葉を摘み取るだけのことからは脱却してください。 現実的とされること、社会的な評価などを解明解決してもいいですが、その恐怖心発端のそわそわへの対応が根本的な問題だということです。 のどが渇けば何かを飲めばいいですが、それ以上の「誰か

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意識の分野の解消法その2 なるべく関係を謝絶する

拒絶と謝絶というと少しのニュアンスの違いから大差があります。どちらも相手からの要求を拒むことですが、抵抗感のニュアンスが少し異なります。対象が物であれば、相手、つまり物から何か要求されているわけではありません。では誰に要求されているのか。 それはアイツこと自我です。相手は相手として独立して存在していようがいまいが、認識結果から意識の中

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意識の分野の解消法その1 抵抗感の破壊

ある内容をその属性の外部から見てみるという状況が訪れない限り分からない、ということがあります。いつまでたってもわからない、という場合は、俗にいう井の中の蛙のようなもので、ある小さな世界の中にいるからこそ客観視ができないというものです。 それは、「外の世界に飛び出すのがいいぞ!」というようなものだけでなく、事実真偽は傍からでないと判断で

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われわれが芸術家になる点

だれでも或る人を自分の偶像にすると、その人を理想に高めることによって自分自身に対する弁明を行おうとする。彼は疚しくない良心を持とうとするため、それによって芸術家になる。彼が苦しむとしても、無知に苦しむのではなく、無知であるかのような自己欺瞞に苦しむのである。曙光 279 前半 アイドルに陶酔している人をよく観察してください。 さて、「

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親切な記憶

高位の人は、親切な記憶を仕入れるのがよい。すなわち、ひとりひとりについて、一切の考えうるよい点を認め、その背後は棒引きにすることである。それによって彼らを快く依存させることになる。人間は、自分自身に対しても同じような取り扱いができる。 曙光 278 前半 「一切の考えうるよい点を認め、その背後は棒引きにする」 この手法はいたるところで

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つまりは煩悩 苦しさの原因と結果と解消の方向性

煩悩とは一体何でしょうか? 煩悩の解消というと、欲があってそれを解決するには、欲を無くすか、欲の対象を叶えるかというような面で語られますが、そんな単純な雑談程度のものを超えて、苦しさの原因と結果と解消の方向性について書いていきます。 よくよく見てみると単独カテゴリとしては、現段階で、最も数が少ない項目になっています。それだけ安易には触

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暖かい徳と冷たい徳

 冷静な大胆さ、毅然とした態度としての勇気と、熱烈な、半ば盲目的な勇気― 双方がひとつの名前で呼ばれている!しかし、冷たい徳は暖かい徳とどんなに異なっているだろう! 曙光 277 前半 おそらく昔から、誰よりも冷徹だと自負しています。今では怒りもしませんが、切り捨てという意味では、切り替えが早いと思います。特にビジネスシーンではこの要

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何としばしば!何と思いがけない!

世の中には「思いがけないこと」がたくさん起こります。 今年に入って同窓会がありました。そこで、当時あまり同級生には視聴者のいなかった「タートルズ」を共に観ていた同じ町内の同級生に成人式以来に会いました。彼は途中で他府県の学校に行ったので、それからほとんど知りませんでしたが、何と今は近くに住んで家業を継いでいるというのです。 それも最近

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変装した人

目下彼は品行方正になっているが、ただ他人にそれで苦痛を与えるにすぎない。そんなに何度も彼に目を留めるな! 曙光 275 「変装した人」ということで、最近ではあまり見かけませんが、十年以上前にはよく「女装したおじさん」なども街を歩いていました。梅田にも、ほどよく禿げつつ、ピンクのミニスカートという出で立ちのNさんがよく出没していました。

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人間の権利と特権

われわれ人間は、うまく出来ないときには、出来そこないの文章を抹殺するように自分自身を抹殺できるただひとつの生物である。― われわれがこうするのは、人間の名誉のためであろうと、人類に対する同情からであろうと、われわれ自身に対する反感からであろうと。 曙光 274 何故か曙光のこの箇所を見た時に、一番最初に浮かんだのが戸田誠二氏でした。イ

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一番高貴なものが当て外れをするところ

われわれは結局だれかに自分の最上のものを、自分の宝石を与える。― そのとき愛はもはや与えるべきものを何も持たない。しかしそれを受け取る者は、それをたしかに自分の最上のものとは思わない。したがって、与える者が当てにしているあの完全で最高の感謝の心が、彼には欠けている。 曙光 445 感謝を当てにしている時点で少し違うような気がしますね。

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賞讃

賞讃や讃辞という言葉も頻繁に出てくるようになりました。曙光はどうしてもタイトルの似通ったものが多いですね。以前も「改」シリーズを作ったくらいなので構わないのですが、すぐに出てくるところが難題です。まあそんなに頭をひねる必要のあることではありません。 世の中では自己都合のためにということなのか「賞讃」によって他人をより良く働かせようとか

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種族の純化

ニーチェは、ナチス的だという偏見がありますが、ナチスがニーチェを利用しただけで、彼は全然ナチス的ではないどころか、それを批判していました。ニーチェの妹がナチスにハマって、ナチスのイデオロギーに利用されただけです。 いまでもナチスと同じようなタイプの人がいますが、「自分が嫌いだと思っている人の状況によって、自分の気分が変動するなら、自分

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お祭り気分

物思いに耽るようになりました。 ※(写真の方は僕ではありません) 最も熱烈に力を得ようと努力するほかならぬあの人間たちにとって、言葉で表し得ないほど快適であるのは、自分が圧倒されていると感じることである!渦巻きに沈むように、突然、深く、ある感情の中に沈み込むことである! ― まあ何という全くの無力さ!根源的な力に翻弄されて! ― もし

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無条件の忠誠の誓い

車の免許を取るために自動車教習所に行った時のことです。 「はいはい」と返事すると、「『はい』は一回でええんや!」と中尾彬調の教官に叱られたことがあります。なぜ叱られたのはよくわかりません。 だれにでも同じことを言っているのならいいですが、おそらく教習生などにしか言っていないでしょう。相手がそこそこの大人ならきっと言っていないはずです。

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外見上の寛容

高校生くらいの時に何度か引越のバイトをしたことがあります。 その内の一回は、若い女性の引っ越しだったのですが、引っ越しが完了すると、ロングヘアの40代位の男性がやって来ました。 その男性は、その当時、京都ファミリーでやっていた催し物のジャグリングショーの人に似ているので、「ジャグリングショー」という名前で記憶しています。 引っ越し完了

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病人と芸術

あらゆる種類の悲観や魂の悲惨に対しては、まず食事の変更と肉体的な荒仕事を実験すべきである。しかし人間はこの場合、麻酔剤に手を伸ばしがちである、―  たとえば芸術に。それは彼らにも芸術にも禍いとなる!諸君が病人として芸術を熱望するなら、諸君は芸術家を病気にしてしまうことに気がつかないのか? 曙光 269 うつ気味になった時は、食事の変更

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演説家のスキラとカリブディス

アテナイでは、聴衆を形式によって反撥させたり、形式で本題から逸したりすることなしに、本題のために聴衆を獲得すということは何と困難であったことだろう!そのように書くことは、やはりフランスでも何と困難なことだろう! 曙光 268 曙光内の注釈によると、スキラはカリブディスに面する洞穴に住む海の怪物の女、カリブディスは、スキラと相対した海の

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ニヒリズムの義務教育解釈

なぜこのように誇り高いのだろう!

高貴な性格が野卑な性格と相違するのは、後者が前者と同じく若干の数の習慣や視点を持ち合わせていないことによる。すなわちそれらの習慣や視点は、後者にとっては偶然にも相続されておらず、また仕付けられてもいないのである。 曙光 267 つい先日、「なぜこのように崇高なのだろう!」という見出しがあったにも関わらず、すぐにこういった事を言い出す癖

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by bossu

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