特定電子メール法に抵触する一方的な営業メールと「配信停止」

一方的な営業メールのわりに「配信停止はこちら」という文言とリンク付きで送られてくる場合があります。

頼んでもおらず、また一方的に送ってきている割に「不要な場合は配信停止の手続きをしてください」などと記載しています。何様のつもりなのでしょうか?

先に言っておくとこれら営業メールは通称「特定電子メール法」と呼ばれる「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」に抵触する恐れがあります。

特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)(消費者庁)

数撃ちゃ当たるの発想と営業代行」で触れていましたが、うちの会社にも日々たくさんの営業メールが送られてきます。

そうした営業メールの自体は、一部「微笑ましいような努力的なもの」が垣間見れるものもありつつ、大半は大量送信用の文言です。

確率論的に送信対象が多ければ多いほど、一定数引っかかるということで、勝手に「数撃ちゃ当たる」の対象としてやろうという程度の動機でしているのでしょう。

ただの営業メールならばまだしも、メルマガに登録したかのように勝手に送りつけてくるような広告宣伝メールが混じったりしています。メールフォームから連絡としてきたものではなく、勝手に直接送りつけてくるようなものもたくさんあります。

こうしたものは「特定電子メール法」によって規制されているような広告宣伝メールです。

特定電子メール法

「特定電子メール法」によってこれら営業メール、広告宣伝メールは、次のような制限が課されており、違反した場合は行政罰としての罰則があります。

営業メール、広告宣伝メールを送信する場合の要件は次の通りです。

  1. 原則、予め送信の同意を得た者以外の者への送信の禁止(オプトイン規制)
  2. 「送信者などの氏名または名称、受信拒否の通知ができる旨、 受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURLの記載」など、一定の事項に関する表示義務
  3. 送信者情報を偽った送信の禁止
  4. 送信を拒否した者への送信の禁止

などです。

オプトイン規制 送信対象の例外

オプトイン規制とは、営業メール、広告宣伝メールの送信に関して、先に「送信されることへの同意が必要」というものです(オプトインとは、情報を受け取ったり、自分の情報を利用するにあたって、許可を出しているという感じになります)。

原則、予め送信の同意を得た者以外の者への送信の禁止の例外規定としては、取引関係にある者、名刺などの書面により自己の電子メールアドレスを通知した者、自己の電子メールアドレスをインターネットで公表している者などへの送信です。

メールフォームからやってくるものは「自己の電子メールアドレスをインターネットで公表している者」という例外規定に当たりそうなので、要件に当てはまらないような感じがしますが、

しかしながら、メールアドレスの記載やフォーム等においても、この手の営業メール、広告宣伝メールなどの送信の拒否する旨の表示をしておけば、例外規定に当てはまらず、オプトイン規制の対象となります。

なので、メールアドレスの記載やメールフォームを設置しているサイトなどにおいても「営業メール、広告宣伝メール」を拒否する旨の表示をしておくほうが無難です。

罰則

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

送信者情報を偽って送信した場合、送信者が総務大臣及び消費者庁長官の命令に従わない場合には罰則が科されます。

法人の場合

行為者への罰則ならびに法人に対して3000万円以下の罰金

特定商取引法による罰則

こうした同意なしのメール広告に関しては、特定商取引法(特定商取引に関する法律)における規制及び罰則もあります(未承諾者に対する電子メール広告の提供の禁止。12条の3、12条の4)。

同意のない者へ、拒否者への電子メール広告において虚偽・誇大広告や表示義務違反があった場合

1年以下の懲役または200万円以下の罰金(またはこれらの併科)

特定電子メール法は、メールの送信者に対する規制ですが、この特定商取引法は広告主に対する規制です。

「配信停止はこちら」記載の理由

一方的に送りつけてきている営業メール、広告宣伝メールのわりに、「配信停止はこちら」などと記載しているものがあります。

そうした記載の理由として、おそらく「特定電子メール法」への抵触を部分的に理解して「言い逃れを準備している」という面と、行動経済学などで取り扱われる、「ちょっとした手間を加えることによって意図した方向へと導いて確率を上げる」というようなものが含まれているのでしょう。

これは某インターネットショッピングモールの購入画面などでおなじみの、「メルマガ配信のチェックボックス」において、「初期状態ではチェックされている」というようなやつです。

これは、チェックするという手間が面倒であり、逆に原則・初期状態を「受け取る」にしておき、チェックを外すという面倒くささや「その部分をあまり気にしておらず、よく確認しないままスルー」という現象を狙って、「同意を得ました」の数を増やそうという一種のテクニックです。

行動を起こすということが面倒で、行動を起こさないという不作為によって「あなたの同意を得ました」ということにしようという嫌らしいやり方であり、アンケートや「同意」等々において何かしらの数を増やしたい時によく利用される方法です。

というような2つの理由から、「一方的に送りつけてきた営業メール、広告宣伝メールでありながらメルマガ的」なものに「配信停止はこちら」というものが含まれているということになるのでしょう。

以下、例文として、一方的に送りつけてきた営業メール・広告宣伝メールおよび配信停止に関する文言を例文として掲載しておきます。

営業・広告宣伝メールの例文

このメールは、過去に弊社スタッフよりご挨拶させていただいた企業さまやサービスのご案内をさせていただいた企業様、お問い合わせ・資料ダウンロードをいただいた方、セミナーへの参加登録をされた企業様などをはじめ、既に弊社とお取り引きいただいているお客様にもお送りしています。

あなたのことは知りません。

※本メールは、会員として登録されているメールアドレスにお送りしています。

私は会員ではありません。

弊社へお問い合わせおよびお名刺交換をさせていただきました方にのみ業界動向・好事例・その他耳より情報を不定期に配信させていただいております。

問い合わせも名刺交換もしていません。

このメールは、「創業XX年の社長様」に読んでいただきたく送信をさせていただきました。

読んで欲しいというのはわかりますが、送信に対して同意などしていません。

※このメールはXXをご利用いただいている皆様とこれまで弊社と名刺交換をさせていただいた皆様にお送りしております。

利用していませんし、名刺交換もしていません。

返信に関して

※このメールは送信専用のアドレスから配信されています。このままご返信いただいてもお答えできませんのでご了承ください。

お手数ですが「興味ある」「興味ない」だけでも返信をいただければ幸いです。

配信停止の例文

配信停止はこちらから

配信の停止をご希望の方

配信解除

※配信停止をご希望の方は下記URLより手続きをお願いします。

※ 弊社からのご連絡を希望されない場合は お手数ですが「連絡不要」の旨をご返信頂けますと幸いです。 今後の連絡を控えさせて頂きます。

※ 今後ご連絡が不要でしたら、大変お手数ですが下記よりお手続きをお願い申し上げます。お手数ですが、ご興味をお持ちか否かお返事を頂けないでしょうか。ご興味をお持ちでない場合は、今後ご連絡を控えさせて頂きます。

配信停止について 配信停止フォームより、配信停止希望のメールアドレスを入力の上、送信をお願いいたします。お手続きは、こちら

ご連絡いただき次第、速やかに配信停止の手続きを行いますが、
手続きが完了するまでの間に再度メールが配信される場合がございます。予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

今後このようなご案内がご不要の方は、お手数ですが、下記から配信停止のお手続きをして下さい。

メール配信停止をご希望の方は、このメールに返信で配信拒否の旨をご連絡ください。

今後メールの受信を希望されない方は、お手数ですが下記のメールアドレスまでご返信ください。

情報提供が不要の場合、下記URLにて登録解除頂くか、本メールの送信者にその旨をご連絡下さい。

特定電子メール法に基づく送信停止のご要望等は、以下のURLにて登録解除頂くか、本メールの送信者にその旨をご連絡下さい。

情報の提供が不要の場合、以下のURLにて登録解除いただくか、本メールの送信者にその旨をご連絡下さい。

※配信解除申請したにも関わらず、まれにメールが届く場合がございます。誠に恐れ入りますが、弊社メールアドレスまでその旨をご連絡ください。

なぜこちらが行動を起こさなければならないのか?

まあ一番の問題は、一方的に送りつけてきて何様かという感じですが、その中で感じる違和感の中心は、「なぜこちらが行動を起こさなければならないのか?」という点です。

一方的に営業メール・広告宣伝メール、ひどい場合にはメルマガのようなものが送りつけられてきます。そうした性質のメールである中、「名刺交換をした」とか「メルマガ登録をした」という前提を勝手に加えて、「迷惑な場合は配信停止のアクションを起こせ」という構造になっている点が最大の違和感です。

神経を疑うレベルです。

確率的な事ばかり考え、「母数が多くなれば成約数も上がるだろう」というまさに「数撃ちゃ当たる理論」です。

つまり、相手にとってこちらは「数」でしかありません。

配信停止のリンク先がウイルスサイトである可能性も

それに一方的に送りつけてくるような業者のメールの本文に含まれる配信停止のリンク先がウイルスサイトである可能性もあります。

気軽にURLをクリックや「こちら」というリンクのクリックをお願いしたりしていますが、そのリンク先がウイルスサイトでないとは言い切れません。

「特定電子メール法」違反と思われるメールを迷惑メール相談センターに情報提供する

「迷惑メール相談センター」にて、「特定電子メール法」違反に該当すると思われる迷惑メールに関する情報提供を受け付けていらっしゃるようです(総務省より委託)。

情報提供のお願い(迷惑メール相談センター)

「特定電子メール法」違反と思われるメールはどんどん転送しましょう。

数撃ちゃ当たるの発想と営業代行

Category:IT &Internet パソコンとか通信とか

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