吊り橋効果

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吊り橋効果吊り橋理論)は、吊り橋やジェットコースターなどガクガクするような緊張感を共有した体験すると、連帯感や恋愛感情が生まれるという効果。カナダの心理学者、ダットンとアロンによって1974年に提唱。

吊り橋効果は、よく恋愛心理学として出てくる心理効果である。男女が高い吊り橋を渡るとその緊張感と恋愛のドキドキを錯覚するというような説明がなされ、吊り橋効果を利用して意中の人と仲睦まじくなろうというような安物の解説がなされている。

吊り橋効果

吊り橋効果

異性に対する恋愛のドキドキと吊り橋を渡る時の恐怖心のドキドキの区別がつかない

吊り橋効果(吊り橋理論)は、元は「生理・認知説の吊り橋実験」によってできた感情生起に関する学説であるが、安物の記事、安物の心理学の本、雑誌の心理学コーナーの常連となっている。「気になる彼を落としたいなら心霊スポットもオススメ」などという狂気じみた記事もよくあるのではないだろうか?

異性に対する恋愛のドキドキと吊り橋を渡る時の恐怖心のドキドキの区別がつかないというようなことが言われるが、ニーチェが「人間的な、あまりに人間的な」で言うように「苦しみを共にするのではなく、喜びを共にすることが友人を作る」ということで、あまり苦しいような経験を共有してはいけない。

ドキドキの区別がつかないから、ということでまさに字のごとく「錯覚」である。錯覚なので、騙しなわけであるから、こういうことでくっついたとしてもそれは錯覚による結び付きなので小手先にしか過ぎない。

そのような錯覚、吊り橋効果を利用してで出来上がった仲などたかだか知れてる。

小手先の心理テクニックで、「恥をかくリスクを低減させながら恋愛を成就させたい」というスケベ心全開である。仮にドキドキして恋愛感情が芽生えたとしても、「吊り橋効果を狙っていた」とバレた時には寒気がするものである。

安物の記事や小手先の心理テクニックに翻弄されることなく、好きな相手には真心でぶつかっていこう。

吊り橋効果の利点

ただ、吊り橋効果の利点として、「ビビっている姿を見られてしまった」という意味で、今後カッコつけにくいという効果は確かに良い側面かもしれない。

基本的にビビるような経験の共有というよりも感情の振れ幅が大きい出来事はたいていビビるような経験である。強烈な感情を経験しているので忘れにくいことは確かである。楽しいだけなら実はそんなに感情は動いていない。後に想起しやすいという意味で確かに親密にはなりやすいのかもしれない。

しかしながら、こんな小手先のドキドキで、互いに吊り橋効果に騙されたまま一緒にいていいのであろうか。本質的には合わないかもしれない人同士が、錯覚でくっつくことがいいことなのであろうか。

使い回しの心理学特集の常連である吊り橋効果など気にもとめず、本音でまごころを伝え合う世の中の方が素晴らしいはずである。

吊り橋効果(吊り橋理論)は、緊張感を一緒に経験すると、連帯感が生まれるというのが一般的な説ですが、十代の頃、ヤンキー20人に囲まれたことがある。その時こちらは3人だった。そのうちの一人は、その当時も今も親友であるが、もう一人(あまり深い仲ではなかった)は、その事件後一切口をきいてくれなくなった。ダットンとアロンはこれをどう解釈するのだろうか。

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Category:心理学

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