遠くにあるものが見渡せたり、人の未来が見えたりするという能力は開眼後に発揮される能力であるというような伝承が一部であります。
「そんなことはないだろう」
と思う人も多いと思いますが、少なくとも世の中の「占い師」みたいな人たちのそれはデタラメです。そういえば某カルト宗教の教祖もそのような能力を持っていると自称していました。それもおそらくデタラメです。
ただ、自分自身で自己洗脳状態にある人であれば、「人を感化する能力」のような強烈な思い込みと気迫が備わっているので、人の意志決定に影響を与えるくらいになっており、その影響からか占ってもらった人は「占った内容」に沿うように行動を起こすということが実際に起ったりします。
先を見渡すことと「ラプラスの悪魔」
先が見渡せるということについて考えた場合、一応理屈で考えた場合には、「ラプラスの悪魔」という感じで考えてもらえれば理解は早いでしょう。
ラプラスの悪魔については「自由意志を哲学と社会学的帰責から紐解く」で少し触れていましたが、決定論の上で、ある時点での状態が完全に把握できればその先の全ては知ることができるという感じになります。
ということで、全てが見えれば全てが予測できるという感じになります。
で、何事も素人には不確実・不確定に見えても玄人であればその先がどうなるかがよくよく分かるということがあります。もちろん100%ということはなく、予想外のことが起こり、番狂わせになったということもありますが、その予想外というのは「見えていなかったから」ということが原因であり、その部分すら見えていたのならば「予想外」とはなりません。
その範囲が広ければ広いほど、奥深ければ奥深いほど精度は上がっていきます。ということで、何かで常に結果を出す「天才」と呼ばれる人たちでも、それは傍からでは見えていないところが見えていたり、情報を持っているということだけだったり、ということもよくあります。
無視しても良いくらいの微差たる不確定要素の積み重ね
ただ、もちろん「一つでは無視しても良いくらいの微差たる不確定要素」がたくさんあれば番狂わせになっていくことがあります。
だいたいの法則性把握と現在の状態を元に、ほぼ確実な予測を立てたとしましょう。普通はその通りになりますが、「一つくらいでは無視しても良いくらいの微差しか生まない不確定要素」がたくさん積み重なれば、予測から大きく外れていくこともありえます。
ただやはり、見えている範囲が多ければ多いほど、精度が高ければ高いほどそうした不確定部分に対する予測、修正、そして対策も可能となるため、より正確性、確率は高まっていきます。
ご成約マシーン
そんな感じで「ご成約マシーン」と呼ばれた人についてでも少し触れておきます。実際は少し違う名称ですが、わかりやすく「ご成約マシーン」と呼ぶことにします。
彼は社内で「ご成約マシーン」と呼ばれるスーパー営業マンです。その名称の由来は、部下や後輩が電話で営業の状況を伝えると、その後どういう感じで話を進めれば成約に至るかをほぼ狂いなく返してくるということから、ということのようでした。
単に必殺技的な営業方法があるというような「こういう手順を追って話を進めれば必ず成約に至る」といったアホの一つ覚え的なことではなく、営業の状況を把握しただけでその後どのような話をしてどのような断られ方をして、それをどう返せば成約に至るのかということを瞬時に見抜く天才という感じでした。
その境地に至るためには、その対象商品なりサービスの営業において、全てを網羅するかのごとく数々の把握すべき点を経験によって体得していくしかないという感じのようです。
確かに基本的な「押さえるポイント」を把握しておけば、確率論的にだいたいのことは成し遂げられたりします。その例としてはFC展開しているような大企業のやり方です。
そうしたところは、常に結果が出せるかというところで言えば、必ずしもそうでなくとも、「ある程度の人たちには通用して、数さえこなせばある程度組織が成り立つだけの結果を残すことができる」という浅いところでの確率論です。
「すごい大差」は素人目には見えない
しかしながら「ご成約マシーン」を筆頭に、プロ中のプロはそんなレベルではないという感じになります。
そして一見大差がないように見えるその仕事の結果は、よくよく見るとすごい大差があり、プロは常に結果を出しているという感じになります。その「すごい大差」は素人目には見えないということです。
すごさが分かるにも相応の経験値が必要だからということがその理由であり、その境地に立てば特に憂いも無くなるという感じになりましょう。
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