何か呼びかけてくる声を聞く

ふっと何かが呼びかけてくる声を聞くことがありますが、そんな声もまた自分の意識の奥底から起こる声であるため、とりわけ何かすごいものというわけでもありません。

しかしながら、リラックス度合いに応じてそうした声の質は高く、逆に混乱していたり、ぼーっと軽い催眠状態に入っているような時に聞く声はあまりロクでもないものであったりもします。

「直感」などといったところで、それほど大した直感でもないという感じです。

「当てにしても良さそうな声」は、集中からやってきます。

ただここでも集中と言うと力んで踏ん張るという意味ではなく、むしろ体感としてはリラックスしている状態の方の集中です。

だいたい日常で苦しさを忘れている時というのは集中力が高まっている時です。

自分を守るための声

「リラックス」自体の定義というか感覚のズレは意外にも千差万別で「気を抜いてだらけることである」という感覚をリラックスだと思っている人も結構います。

しかしながら、「力を抜く」という感覚は正しくても、「気を抜く」ということではありません。

ボーッとするということ一つとっても、本気でボーッとするということを実現するには集中力が要ります。

単にボーッとしているように見えて、その実、頭はあれやこれやの概念がぐるぐる回って、右往左往しているという状態になっていることがよくあります。

そんな時に飛び込んでくる「声」は、だいたい恐怖心を発端としたような「自分を守るための言葉」です。

回避したいという視点から

自分を守るというのはいいですが、単に実はそれほど大したことでなくても面倒だとか何かしらが恐いなどということをオブラートに包んで「回避したい」という視点から「言い訳」が出てくるのがせいぜいです。

まあ例えるならば、掃除するにしても、掃除機か雑巾か、部屋か水回りかなど、別にどの順番でもいいだろうというような対象があります。

厳密に考えれば最適な順序というものもあるでしょうが「こっちか?あっちか?やっぱり向こうの方か?」というような声は、あまりロクでもありません。

結果的に「明日でいいか」となるような声は、つまり決めたりすることやまず動き出すことに対する面倒くささをうまく回避するための声です。

自分に非があると思いたくない

まあイメージ的にはそんな感じですが、何やらオカルト・スピリチュアル系の「神の声が聞こえる」とか「守護霊の声が聞こえる」系もそれとあまり変わりありません。

結局そうしたものは、「自分に非があると思いたくない」という「傷つきたくない」というような思いが発端になっています。こうした構造は、占いに依存する場合でも同じです。

占いを信じる人たちの責任転嫁の心理

よほど慣れている人でない限り、自分一人で思い立ち、内容の曖昧なデートの申し込みをするのは緊張しますが、何かしらのイベントに行くことや、誰かしらの代理人として誘いに行くとか声をかけるという場合は緊張が和らぎます。そこに業務連絡感があればなおさらです。

自営業者で代表として飛び込み訪問をする場合は緊張しますが、その日限りのボランティアスタッフとして、飛び込み訪問をする場合は緊張が和らぎます。

そのような感じで、自分ひとりに責任があるわけではないという構造になればなるほど、緊張は和らぎます。

「傷つきたくない」というのもわかりますが、そうした時には実際に気持ちが傷ついているのではなく、自爆しているというのが本来の構造です。

なぜなら、自分に責任があるということを受け入れるという部分において、恥をかいた、傷ついたと感じるようなことであっても、視点を変えれば「成長した」ということになるからです。

傷つきたくないから自分に責任があるということを認めたくないということから、何かしら悪霊などを含めて他者のせいにしたいということになっていたりします。

自分を守る必要がない場合

が、別にそうして何かがうまく行かなかったという事実を冷静に理性だけで捉えることができれば、経験を通じて何かを学んだと捉えることができるので、別に傷ついたりもしません。

ということは、傷つくということは固定的なことではなく、現象の解釈で変化してしまうような朧気なことであると考えることもできます。

「自分を守る必要がない」という感じで、緊張がなければ無いほど、出てくる声もまともな意見になります。

そんな感じなので、直感的な「声が降りてきた」的なやつは、緊張や混乱具合に応じて原則ロクでもないということになりましょう。

そしてそれは、自分の中でふっと降りてくる声のみならず、社会の中での「声」も同じような構造を持っています。

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