梅の花が満開になる季節です。
梅・桃・桜といったバラ科サクラ属の花々は、順序よく咲いていきますが、僕は昔からやたらと騒がれる桜よりも梅の方が好きだったりします。もちろんすべての花が好きですが、強いて言うなら開花する順番通りに梅・桃・桜といった順に好きです。
さて、本題であるおばあちゃんの梅干しです。
今年のはじめ福井県に行きましたが、そこで大量の梅干を買いました(「ひとこと」で少し触れていました)。
なぜなら、おばあちゃんの梅干しを95%くらいの再現率で再現したような味だったからです。
おばあちゃんが亡くなってからというもの、おばあちゃんの梅干しの味を求めること数年、ようやく類似するものを見つけることができました。
世間的には紀州産のほうがメジャーということになるのか、スーパーに売っている梅干しは、なぜか和歌山県産のものが多く、味も若干甘めだったりと、「うーん…違う」感満載でした。
この梅干しへ思いは、関東圏に行った時にうどんのだしが濃口しょうゆ系になっていることや、卵焼きが甘いことに通じるような違和感です。
それはそれでご当地の味としていいですが、僕が求めているのはそれではないという感じになります。
同じ関西圏であるのに、なぜ紀州産の梅干しはあれ程にまでおばあちゃんの梅干しと違うのかということをずっと考えていました。
「ゔーーー」っとなってしまうような、強烈な酸味と塩気が欲しいのですが、市販のものはマイルドなものが多く、僕の中における梅干しではありません。
「味付けだけでなく、根本的な梅の品種や育て方の違いなのではないか?」
と思った僕は、おばあちゃんの遠いルーツである福井県にて梅干しを買うことにしました。
福井の梅干しこそ求めていた梅干し
日本海側で梅の生産量一位を誇るのが福井県ということのようです。
「味付けだけの問題ではない」という感じがしたので、太平洋側の紀州産の真逆にある日本海側の梅はどうなのかということを思い浮かべました。
気候条件的に「太平洋側の温暖な気候ですくすく育った梅」というものと「強烈な吹雪にも晒され鍛え上げられた梅」というコントラストをイメージしてしまい、雪国の厳しさが「強烈さ」を作っているのではないかという予測を立てたわけです。
そして、京都において市販されている梅干しは、最近では紀州産が多いですが、古くは福井方面と和歌山方面両方から梅干しがやってきたのではないかということを思いました。
鉄道も高速道路も使用することができるという感じで、今では流通の容易さから和歌山→大阪→京都という流れによって紀州産が多いのかもしれませんが、昔はどちらからもやってきていたのではないかということを思いました。
で、現代では流通コスト的に福井県産は儲けが少ないということになるのか、京都において「日本海側の梅」はあまり手に入りません。
しかし、「おばあちゃんの梅干し」を求めている僕は、「味付けを含め、福井県ならば期待が持てるかもしれない」と思い、福井ツアーの際に梅干し直売所に向かうことにしました。
この強烈さこそ「梅干し」
僕の中で梅干しといえば「ゔーーー勘弁してくれ!」というほどの強烈な酸味と塩味を持ったものです。
涼しい顔で食べることが許されないほどの強烈さがないと、梅干しとは呼べないという感覚を持っています。
もちろん多少甘みがあったとしてもそれはそれで定義的には梅干しになりますが、料亭で最後に出される漬物シリーズの中にある梅干しのように涼しい顔で食べることなど許されない強烈さを持っていないと梅干しを食べた気にはなりません。
幼き頃、風邪をひいた時におかゆと一緒に出てきたあの梅干し、食欲が無い中、唾液を強制分泌させるような「おばあちゃんの梅干し」でないと梅干しではないという感じです。
そしてその「おばあちゃんの梅干し」にかなり近いものを福井県の梅干し直売所で見つけることができました。
つぶれ梅を試食して、爆買いです。
一応感覚的には一年分くらい買ったつもりでしたが、既に1ヶ月半で40%位消費してしまったので、いずれ梅干しツアーを開催せねばならないことになりそうです(通販でもいいですが、比較的すぐに行けますからね)。
梅干しの伝統的製法
翌年に買いに行った時に聞きましたが、何でも梅干しの伝統的な製法としては、赤紫蘇と梅を交互に乗せて時間をかけて漬け込んでいくと言う感じのようです。
梅干しの加工において、大きな会社ほどシソエキスの中に梅を入れて機械で混ぜ込んで染み込みを早めており、色はしっかりしていても味は落ちるということのようでした。
なお、伝統的な製法としては、赤紫蘇用と梅用に塩を二種類使うそうです。
梅干しの塩分濃度と保存
また、塩分濃度についてですが、17%から18%くらいであれば塩のみで保存が効くものの、それ未満になると保存料等添加物なしでは保存が効かなくなるため、減塩系の梅干しはすすめられないとのことでした。
腹が弱っても痛くない!
梅干しと共に梅肉エキスというものも売っていましたが、僕の中では「おばあちゃんの梅干し」に似た梅干しに感動し、それだけで満足だったのでスルーしてしまいました。
「腹痛に効く」
という説明を受けていたにもかかわらず、梅干しに夢中になり、梅干しばかりを爆買いしたという感じです。
最近あまり腹痛が起こらないので「何事においても腹を最優先する」というポリシーを忘れていたということになりますが、梅肉エキスについての真相はわからないものの、梅干しを買って常食するようになってからというもの、「腹が弱っても痛くない」という現象がよく起こるようになりました。
これはph値的なことなのかもしれない
梅干しは「1日1粒で医者いらず」と言われるほどの健康に良い食品ですが、とりわけ「おばあちゃんの梅干し」や「福井県で見つけた梅干し」は、強烈な酸味を持っているので、さらに効くのではないかということを思っています。
梅干しはアルカリ性食品ですが、それはあくまで含有ミネラルの話であって、有機化合物の性質的には思いっきり強酸性です。
あの強烈な酸味は、水ではなくアルコールで拭くときのような感じで「コテコテのもんもガンガン溶かして洗い流したるぞ系」の強烈さを持っていますが、それだけでなく、腸内のph値の調整にもかなり効いているのではないかということを思いました。
腸の中が酸性になると悪玉菌が抑制されるという感じで、そのph値の調整に梅干しがかなり効いているような感じがしています。
冬の間は腹が冷えやすく、冷えから腹が弱りやすいという感じですが、梅干しを常食するようになってからというもの、寒さから「腹が弱っている感じ」は何回かありましたが、痛みが一切ありません。
個人的には「奇跡が起こった」レベルです。
専門家でもないので詳しいことはわかりませんが、個人的には「もうこれからは梅干しを切らすまい」ということを思っています。
自然と梅干しに手が伸びる
僕の場合は、あくまで「おばあちゃんの梅干し」のような梅干しが食べたいという意図のみで梅干しを爆買いしたという感じで、健康目的で梅干しを爆買いしたり常食したりしているわけではありません。
常食に関しては、心がけ的に「毎日梅干しを食べよう」というようなことを思っているわけでも何でもなく、気づいたら梅干しに手が伸びているという感じになっています。
なぜか冬になるといろいろな人から大根をもらう機会が多いので、気づけば「大根おろし×梅干し」という感じになったりしています。
何かにつけて「梅肉味」にしてしまったりしているので、梅干しはもう卓上のしょうゆくらいのポジションに登りつつあるという感じです。
最終更新日:
ご無沙汰をしております。
今回も向学に繋がる知識を頂きありがとうございました。
梅干しに関して、最近家族から聞いた「へぇ」と言う話と記事がリンクをしておりましたのでコメントさせて頂きます。
私の家族は体調が悪いときに必ず梅干しを食べています。
そういう習慣がなかった私は、「そんなの効果があるの?」と言わんばかりの様相を示しておりました。
しかし私の予想を大きく反して、梅干しを摂取する家族は風邪知らずです。
また腹痛の時、梅干しのお湯割り(梅湯)を飲むとすぐに治っています。
試しに体調が悪いときに私も梅湯を飲んだのですが、驚くことに薬よりも効いた感じを受けました(あくまで個人的な感想です)。
梅干しは群馬のものを常食しているですが、おばあちゃんの梅干しを探してみます。
いつもありがとうございます。
コメントどうもありがとうございます。
味の好みなどもありますが、特に梅干しは健康によく効く感じがしています。