水木しげるロード第六弾は、「身近なところにひそむ妖怪たち」のうち「河童(かっぱ)」に絞り込んで掲載していきます。
そんなわけで河童の三平のかん平等は除外して「身近なところにひそむ妖怪たち」のエリアにいる「河童」です。
「河童(かっぱ)」を筆頭に、ガラッパ、カシャボ、山童(やまわろ)、ケンモン、水虎(すいこ)、エンコウ、カワエロ、川猿(かわざる)といった妖怪がいます。
(エリアとしては「身近なところにひそむ妖怪たち」ですが、数が膨大になるため分類しています)
なお、魑魅魍魎という言葉がありますが、このうち後半の「魍魎」は河童に代表される「川の怪」を指し、水の神や山川・木石の精霊を指すようです。
河童(かっぱ)
全国的出没し妖怪の中でも全国的に有名な河童(かっぱ)。各々の土地ごとに呼称があり、ガタロ、カワワロと呼ばれることもあり。基本的には水かきがあって背中には甲羅、頭には皿といった特徴がある。その他、食の面ではきゅうりなどを好み、性格的には、相撲が大好きで、いたずら好きでもあるというような点が主に共通している。
河童の特徴
水木しげる 河童大百科によると、河童や河童の仲間には次のような特徴がある。皿、髪、顔、目、鼻、体、男女の区別、骨、甲羅、尻、尻の穴、手、指、足の特徴について。
皿
皿の中には水が入っており、毛穴のように水が漏れにくい構造になっている。
髪
一般的には髪は短いが、肩までの長さがあるものもいる。
顔
顔の色は一般に赤いといわれている。
目
目は丸く、光っている。色は黄色。
鼻
鼻は、犬の鼻に似ている。
体
3~10歳くらいの子供のサイズ(例外もいる)で、体全体はぬるぬるでなまぐさい。ガマのような斑点のある腹をしているものが多く、臍はない。
男女の区別
河童にも男女の区別があるが、生殖器は自由自在に出たり引っ込んだりするため一見しただけでは男女の区別はつかない。
骨
水につけると見えなくなる。
甲羅
甲羅があるものと無いものの二種類がいる。甲羅のないものは毛深い。
尻
10センチくらいの尾のようなものがある。
尻の穴
尻の穴は3つあり、死ぬときには臭いおならを出す。それを嗅ぐと体の弱い人は即死、元気な人も病気になる。
手
手には水かきがついている。右手と左手が一本につながっており、片手を引っ張るともう一方が短くなるが、両手とも伸び縮みは自由自在である。
指
人間の尻子玉(肛門)を抜くのに都合が良いように指先は鋭く尖っている。
足
足の指は4本(3本のものもいる)で、タコのような吸盤がついており、岩に吸いついたところを引っ張ると穴が空くほど強い吸着力を持っている。
ガラッパ
奄美大島、 吐噶喇(トカラ)列島といった鹿児島県の島々に棲む河童の一種であるガラッパ。足長河童であり、体が細く手足が長い。座るとひざ頭が頭より高くなる。
水木しげるの妖怪事典によると、ガラッパの頭には皿があり、口から常によだれを垂らしていて生臭い。春は川、秋は山に住み、山で人に憑いたりいたずらをする。山の中でガラッパの悪口を言うと仕返しをされるようで、履物を履いていれば助かるが素足だと仕返しをくらうようである。
カシャボ
冬になり、河童が山奥に入るとカシャボという妖怪になる。 6、7歳くらいの子供の形に見える。頭を振るとガチャガチャ鳴るそ。牛馬に害を加えるとされる。出現地は、紀伊(和歌山県・三重県)。
山童(やまわろ)
秋になり河童が山へ入ると山童(やまわろ)になる。その後、また春になると山を下りふたたび水中に入る。そうするとまた河童に戻る。河童の時とは性質や身体特徴が異なるため、河童とは別のものだと考えられる。変化の様子を目撃すると祟りにあって病気になる。出現地は、九州地方。
ケンモン
河童の仲間、ケンモン(水蝹)。ケンムンとも呼ぶ。黒髪のおかっぱ頭に赤みを帯びた肌色で人間に似ている妖怪。奄美群島に伝わる妖怪で、水木しげるの妖怪事典によると、昔、鹿児島県の加計呂麻島ではおじいさんがケンモンを呼び出して子供にみせたという話がが残っており、戦時中に疎開していた人々の中でケンモンを見たという人もかなりいたらしい。
水虎(すいこ)
筑後川と琵琶湖に出現する水虎(すいこ)。水木しげるの妖怪事典によると、水虎は河童の中で親方のように大きく、人には姿が見えにくという特徴があり、夜更けに戸を叩いていたずらをしたり、人に憑いたりする。のんのんばあとオレにも登場。
エンコウ
河童の仲間のエンコウ(猿猴)。河童との相違点はやや猿っぽく毛むくじゃらなところ。顔は赤く、肌はうなぎのようにぬるぬる。河童と同様相撲が好きであるとされる。金物を嫌い人に憑くなどといった特徴がある。出現地は、中国・四国地方。
カワエロ
河童の仲間であるカワエロ。川の中にいる時は姿を見せない。川底から出てくるとよく猿に化けるといわれる。出現地は、岐阜県揖斐郡。
川猿(かわざる)
河童のような性質を持つ川猿(かわざる)。河童との相違点は、頭に皿がない点である。酒好きで体が魚臭い。性格は臆病であるが、子どもの姿をして人を化かすことがある。出現地は、静岡県。
水木しげるの妖怪事典によると、時に童子の姿となり、狐の如く人を化かすことがあるが、体中に魚の臭気があり、性格は臆病で、自分を助けてくれた者の顔は覚えるようである。急所は股と目。河童と猿は仲が悪いということであるが、そっらとカワウソが合体したような妖怪なのであろうと語られている。
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