経歴効果(履歴効果/career effect)とは、心理学における実験、測定において、「前回の測定が今回の測定に影響する」といった形で捉えられる影響のこと。実験の測定値に異なりがあった場合に条件統制の問題として考えられる場合の影響を意味する。
心理学における実験や測定は、物理的測定を代表としたような、自然科学の分野のように条件を同一にできず、学習や動機づけ等の要因により測定値が異なる場合がある。測定の経過に伴い対象が変化するため、各々の測定が独立することはない。よって同一対象に同じ測定を繰り返したとしても、学習や動機づけ等の要因により測定値が異なる場合、その影響を条件統制の問題として捉え、生まれた異なりを履歴効果(経歴効果)として扱う。
実験や測定でも、一度目と二度目では同じ条件・環境ではない、という「当たり前のこと」になるが、複数回の実験や測定の間でテスト内容の意味を推測したり、知ったりすれば、さらに結果は異なってくるはずである。そのような中「りんごの木の絵を描く」といった同じ心理分析テストを費用を取りながら何度も繰り返す精神科医がいたりもする。
公開日:2018.10.23
最終更新日:
Category:心理学最終更新日: