レストルフ効果(Restorff effect/孤立効果)とは、記憶材料の中に異質項目があるとその再生がよいという心理効果。孤立の程度は項目間の相対的関係によって決まるが、項目の類似性と異質性は知覚的にも意味的にも捉えることができる。そうした中、記憶をしていく上で、異質の項目があったほうが記憶を呼び出しやすいという効果がレストルフ効果である。
記憶する材料のリストの項目は、互いに似ている場合と異質の項目を含む場合とがあるが、無意味綴り・図形・数字・文字・色を組み合わせて、記憶材料の中に異質項目があったほうがその再生が良くなるという効果がレストルフ効果である。
なお「レストルフ効果」の名称は、この効果を示したレストルフ(Restorff,H.von)氏から。よってフォン・レストルフ効果とも呼ばれる。
レストルフ効果(孤立効果/フォン・レストルフ効果)は、「記憶をしていく場合、孤立したような異質の項目があった場合は、その異質項目の記憶は呼び出しやすい」という効果である。
レストルフ効果の例
端的にレストルフ効果は、紅一点(万緑叢中紅一点)という言葉に似ている。わざわざフォン・レストルフ氏が研究などをして示さなくても、その1000年前に中国において王安石氏が示したように、「一面の緑の中に一輪の紅色の花が咲いていること」を意味するのとほとんど同じだと捉えておけばよいだろう。その一輪の紅色の花は記憶に残りやすいというのがレストルフ効果である。
こうしたレストルフ効果の例としては、日常であれば、紅一点の転じた用法の通り「多くの男性の中に一人だけいる女性」という形で捉えればわかりやすい。スーツ姿の人たちしかいない経営者の会合にスウェット上下で登場する僕をイメージしてもよいだろう。
なお、文字の並びについて「概念と事実を示す文を多く記銘する」と言った感じで、あまりに似ている単語が多いと干渉現象が起こり、概念と事実を含む文の検索が難しくなるというファン効果というものもある(ファン効果とHAMモデル)。
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