ラポール(rapport)とは、カウンセリングなどの心理療法において、治療者(面接者)と患者の間に存在する人間関係のうち、相互信頼の関係が成立している状態を指す。通常、受容的態度によって治療に有効なラポールが形成されると考える。臨床心理学における用語だが、実験・テストにおいても、実験者・テスターと被験者・被検者との良好な関係も「ラポール」と呼ばれ、広く二者間において「信頼関係が築かれている状態」「心が通い合っている状態」を意味する。
このラポールという概念の裏には、心理治療の目標として、単純に「既に結果としている心身の症状の改善」や「対人関係の調整」といった表面的なものを取り扱うのではなく、結果の原因となっている人生観や価値観の変容をも対象とすることから、その部分に踏み込むためには信頼関係が必要になるという点がある。
それと同時に、一方的な治療ではなく、患者自身の力によって症状の原因を改善していってもらう手助けをするという発想がある。
気持ちが通い合い、疑いや嫌悪感などの抵抗がない状態
単純にラポールとは、相手と気持ちが通い合っていて、疑いや嫌悪感などの抵抗がない状態を意味するため、営業の世界でも「お客様との間にラポールが築けた」などといいながら安易に使われたりする。
ラポールを築くためにと様々な安物のテクニックが世に知れ渡ったりしているが、「それラポール目的でしょ?」と見抜かれたときには寒気がするはずだ。
「自己開示をするとラポールが築かれやすくなる」というような発想で、嘘の情報を自己開示かのように演出する輩もいると思っておいたほうがいいだろう。
安易なテクニックに走って、自分の都合の良いように事が運ぶようにと思うことは避けたほうが賢明である。
ザイオンス効果(単純接触効果)
公開日:2018.10.23
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