軒守る犬の吼ゆる声

小型犬が多くなったということが関係しているのか、最近では番犬として家の外にいる犬を見かけることが減ったような気がします。

しかしながら、かつて番犬というものは至るところにいて、かなりの頻度で吠えられた記憶があります。そうした番犬はサイズ的に中型犬や大型犬なので幼い時は結構恐い思いをしました。

基本的には動物とは仲が良いのですが、小学生の頃に犬に靴を奪われてからというもの、中学生の時くらいまでは犬が苦手で仕方ありませんでした(韋駄天が一目散)。

苦手で仕方がない割に、雄犬にはよく好かれ、通学路で抱きつかれ腰を振られることもしばしばでした。

腰振る番犬

確か小学校低学年くらいの時ですが、集団登校中、なぜかいつも僕ばかりが犬に抱きつかれかけるので、それを面白がった上級生が僕を犬の方に押しやるということがありました。

そして、案の定その雄犬は抱きつき、腰を振り出しました。

当時小学校低学年であり、その意味を全く理解していなかったのですが、股間を見ると魚肉ソーセージのようなものが突出してきていました。まあつまりZ会の象徴ということになるでしょう。

僕は犬にしがみつかれ、少し爪が食い込み、痛いので早く逃れたいと言うような感じでしたが犬は必死です。

そして、魚肉ソーセージがある程度突出した瞬間に、上級生が犬小屋の脇に落ちていた骨型の何か(おもちゃのようなものでしょう)で当該部分を軽く叩きました。

「キャウーン!」

犬は痛がっているのか、喜んでいるのかわからないような感じで今まで聞いたこともないような声で吠えだしました。

僕は解放され、上級生たちは爆笑しています。

まあ犬に対しては、何だか悪いような気もしましたが、ひとまず僕は解放されました。

その日のことを両親に伝えると、その話が町内で伝わったようで、その後犬の方に押しやられるということは無くなりました。

それからも一応通学途中にその犬は僕の方に寄ってきていましたが、爪の食い込みが痛いので避けていました。

というようなこともあり、その後「韋駄天が一目散」で触れていた中学1年生の時の犬との散歩までの間、犬は苦手でした。

今では一応人並み程度には大丈夫です。

軒守る犬の吼ゆる声。

嬉し恥ずかし骨叩き。

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