短兵急にて立往生

気持ちの先走りを上手く利用すれば、そのエネルギーで目の前の問題を突破できることもあります。創業社長はだいたいせっかちな人が多い印象もありますし、あまり深く考えすぎないことが物事の展開のスピードを高めているという感じもします。

しかしながら、そうした人たちは、あまりよく考えていないようで、意識の裏側では最低限以上のことは考えていたりもします。特に経験値が高ければ高いほどその精度は高まるという感じですが、あまり深く考えずに先々進めてしまう裏側には、「無駄に検討している時間もコストが掛かっている」という意識があるからでしょう。

行動した先にしか見えないもの、やってみてからでないとわからないことはたくさんあります。いくら本を読んでもインターネットで調べても、結局リアルなところは経験の中からしか学べず、軌道修正のためのフィードバック、リアルな情報というものもそこからしかやってきません(フィードバックを奪う人たち)。

「私は知っている」という自惚れをもたらす「戦略」や「戦術」

世の中では「戦略」や「戦術」というものがやたらともてはやされていたりします。それを知っていればもう安泰だとか、そうしたことを知っていることが武器になるという感じです。胡散臭いコンサルタントはそうしたものに陶酔する人の最たるものであり、戦略や戦術というものが大好きだったりします。

確かにそれを知っておくに越したことはありませんが、何かで知った一つの戦略を「アホの一つ覚え」的にやってみても、おそらくすぐに躓いてしまうはずです。

なぜなら、一つの戦略だけが重要なのではなく、その戦略を構成する様々な要因の準備や細かなハウツーなどを知り、時代に合わせて調整し、実践してから調整するという感じでないと、そんな戦略は使えないからです(青二才の値千金)。

「起業したい」という人向けの本や、企業戦略云々を含めた経営学の本、経営者が書いた本などたくさんの本がありますが、実際に起業したいと思った人や営業さんで営業のことが知りたいと思った人で次のようなことを思ったことのある人も多いのではないでしょうか?

「大まかなウンチクや心構えなんかはいいから、実際にまず何をどうやればいいのかを教えて欲しい」

畑違いのことは初歩的な事すらわからないことが多い

例えば技術職として働いていた人が起業したとしましょう。

そうした人は「営業の仕方」というものの手順をほとんど知りません。そしてそれは仕方のないことです。

経営学の本にありがちな「企業の組織づくり」とか、「経営理念のあり方」なんてなことは、ひとまずこの期に及んでどうでもよく、また、実際の営業のテクニックみたいな感じで「こうすればもっとうまくいく」というような細かな方法論も「まずその手前を知りたい」という感じがします。

リアルな「細かな手順」については触れられていない

ということで、大まかな戦略やかなり仔細なテクニックというものは世の情報としてありふれているのですが、いくら調べてもその戦略を叶えるための事前準備とか実際の手続き・フローなどが全く触れられていなかったりするのです。血眼になって探せばあるのかもしれませんが、かなりリアルに細かな手順を書いてくれているような本はほとんど読んだことがありません。

「そんなことは当たり前だ」

とか

「業種によって違うから」

ということも理由なのでしょうが、ほとんどが大まかな戦略や戦術の紹介ばかりで、それを構成する様々な要素がわからないので、やりようがないという感じになってしまいます。

例えば諸葛孔明の八卦の陣なんかを考えてみても、その陣の中にいる「人」にはどういうスキルや必要でどういう教育が必要なのかとか、具体的にはどんな装備をしていたのかとか、人同士の連携や連絡はどうするのかという具体的なところはよくわかりません。

「顧客には電話でアフターフォローをしましょう」

なんてなことが書かれていたとして、「その電話の会話内容をどうすればいいのか?」というところなんかで足止めを食らったりしてしまうものです。

「どうやって仕事がやってくるのか?」というところに無頓着

そのような感じで、知人の一人の士業の人は結局お客がつかず廃業してしまいました。

難関資格を武器とする業種の人は、独立する上で「どうやって仕事がやってくるのか?」というところに無頓着だったりします。

開業自体はどんな書類をどこに出せばいいのか、ということについてたくさんの情報があるので、ある意味誰でもできますが、問題は開業してからです。

「電話帳に電話番号を載せていれば、あとはデスクの前の電話を取るだけ」位の感覚の人も何だかんで結構いるようです。

最近では集客の方法についても「胡散臭いメールマガジン登録」をさせる形でセミナーなどがあるようですが、みんながそれを知り、それをやったら結局優位性はなくなるはずなので、いろいろと試行錯誤は必要になってくるでしょう。

しかしながら、何にしても話が抽象的すぎるか具体的すぎるかのどちらかだったりするのでどうしようもありません。

アルバイトであっても意識次第で獲得できる経験値

と考えると、そうしたリアルな情報を得たければ、そうした職種をしばらく経験してみるというのも一つの手です。

という風に考えると、たとえ雇用形態がアルバイトなどであっても、目の前の仕事を意識してこなすということは、そうした職種のスキルがどんどんついていくことになるので、意識してやるだけでかなりの経験値獲得になります。

それは本に載っていない、インターネットでも出てこないようなリアルな情報です。

そしてそうした情報をたくさん持てば持つほど、あまり深く考えずにスピード感を高めて判断してもだいたい大丈夫なほどのレベルになっていきます。

経験値が高まれば高まるほど「こんなはずじゃなかった」ということは激減していきますし、急な展開が起こっても何とか突破できるようになっていくでしょう。

一筋縄ではいかない檜舞台

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