僕が自発的にレコードを置き、針をのせたのは、高校生くらいの時だったでしょうか。
基本的にはCDで、微妙にカセットテープ世代でもあり、思春期にMD、デジタルオーディオプレーヤーといったものに変化していった世代ではありますが、「ベースをくれた英会話の先生のお兄さん」が使っていたパワーアンプを自宅に持って帰ってきた際、家にあったレコードプレーヤーと接続して父の持っていたレコードを再生したのが一番最初だったと思います。
洋楽のレコードがたくさんある中、何だかんだで一番最初に再生したのは確かチューリップの「心の旅」でした。
レコードを置き、針をのせて、「ぽっ」か「ぼっ」かわからないような音の後に再生された心の旅には温かみを感じました。
その後、貰い物のパワーアンプは20歳くらい時に壊れてしまいましたが、もうミニコンポには戻れなくなった僕は、自前でパワーアンプを買いに走ることになりました。
その頃、父がテンモニことNS-10Mをくれました。この時買ったパワーアンプとテンモニは今でも現役です。
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そういえばちょうどその頃だったでしょうか、バンドを組む人よりDJになる人が増えてきたような感じだったので、同級生の中にもたくさんターンテーブルを買う人が出てきました。
そのような感じで、家でレコードが聴けるという環境が復活していったので、「誕生日プレゼントにレコード」ということもちらほらあったりしました。
音質で言えば現代のハイレゾ音源の方がより高音質になると思いつつも、手に取る感じや温かみという意味ではレコードはいつまでも何かしらの意味を持ち続けるような気がします。
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低音ブームとフラット
やはり音楽は耳だけでなく細胞で聴くものだと思っています。
しかしながら、腹に響くということを意図して低音を上げればそれでいいかというとそうでもありません。
一時期、同級生たちがウーファーを導入しだして低音ブームのようなことが起こりましたが、その時くらいにあえてフラットにするのが一番いいということに気づきました。
考えてみるとマスタリングエンジニアなどの方々が最適だということで設定したバランスが一番いいのは当然です。
もちろんアンプやスピーカーの性能、そして音量によってインバランスになる部分もあるのでそれを補正するというのはいいですが、まあパワーアンプとテンモニで鳴らしている間は、「そんな補正の必要もないんだなぁ」ということを感じました。
臨場感を上げるスピーカーの4つ出し
ちなみに一時期、左右スピーカーをもう一つずつ配置して、自分の後ろにもスピーカーを置くという感じで過ごしていた時期があります。右前、左前、右後ろ、左後ろの4つで鳴らすということになります。
これは当時のバンドメンバーのギターから教わったのですが、映画鑑賞の時には功を奏しました。
波の音や森の音、車が走る音などの臨場感がぐっと上がります。
本来5.1chでするべきようなことですが、そこまで本格的にするのは面倒だという場合、使っていないコンポのスピーカーなどを繋いで4つ出しにするだけで、ある程度雰囲気は出るようになります。
こうしたものは、究極的には部屋の設計から考えられるようなことなのでこだわりだすとキリがないですが、少しの工夫でぐっと音質を上げることができるような部分もあるのでちょっと面白かったりします。
といっても、一番いいのはやはり生音です。下手にこだわるくらいなら生演奏を聴きに行っている方が良いと思っています。
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