ブーメラン効果(boomerang effect)とは、説得等々の送り手の意図に反して、唱導された立場から離れる方向へ意見や態度を変える現象であり唱導方向とは逆への態度変化のこと。ブーメラン効果は、説得への抵抗の中でも動的・積極的抵抗である。
単純には「静かにしなさい」と説教をしても反抗する十代への説得をイメージすればいいだろう。説得すればするほど逆に抵抗は強くなるという現象がブーメラン効果であり、こうした現象が起こる背景として様々な要因が考えられる。
説得する側とされる側の関係において、説得される側の立場の人への攻撃があった場合や、説得する側とされる側の立場が一致している場合など、関係性は様々であり、ブーメラン効果を生起させる要因は多岐にわたる。
ブーメラン効果を生起させる要因
ブーメラン効果を生起させる要因は多種多様だが、受け手の立場への一方的な攻撃の場合と、送り手と受け手の立場が一致する場合といった形で要因を分類することができる。
一方的に責められる場合は、その攻撃に対する反撃を含め態度が説得意図とは逆行することを理解しやすいが、説得する側とされる側の立場が一致する場合でも条件によりブーメラン効果が生じる。
受け手の立場への攻撃
受け手の立場への攻撃によるブーメラン効果としては次のような要因が考えられる。
- 自身の立場へのコミットメントが高い場合、説得をすることでその人の立場が極端化する。
- 自我関与が高い場合、受け手と違う立場の主張は、コントラスト効果(対比効果)により拒否されやすい。(社会的判断理論)
- 説得の予告は、後続の説得に対する抵抗力を増大させる。
また本人の気質として、スノッブ効果なども考えられるだろう。
送り手と受け手の立場が一致
送り手と受け手の立場が一致する場合におけるブーメラン効果の要因は次のとおりである。
- 好ましくない、あるいは同類でない他者から自分と同じ意見を主張されると、相手とは違う立場をとるようになる。(バランス理論)
- 押しつけがましい支持は、心理的抵抗(リアクタンス)を喚起させる。
公開日:2018.11.10
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