ファン効果とHAMモデル

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ファン(fan)とは同一の概念が出現する文の数であり、ファン効果(fan effect)とは、文などの自然言語の記憶における干渉現象で、概念と事実を示す文を多く記銘するほど、概念と事実を含む文の検索が難しくなり、再認に要する時間が長くなるという効果。ファン効果の現象のメカニズムはHAMモデルなどによって説明されている。

ファン効果(fan effect)

ファン効果(fan effect)

「意味を厳密に示すために、しっかりと表現しなければならない」といった感じで、お役人が好きそうな文章の表現は、検索を難しくし、混乱を招くという良い例である。

ファン効果の混乱の例

ファン効果は、単語を高頻度で示すと逆に混乱するという効果で、例えば、次ような「お役人が書きそうな文章」では何がなんだかわからなくなるという効果である。

「情報管理危機が起こった場合、情報管理担当者は、情報管理責任者に対して、情報管理危機が起こっていることを速やかに報告し、情報管理責任者の指示に適切に従わねばならない。ただし情報管理責任者が不在時は、情報管理担当者は情報管理責任者の指示がなくても適切な情報管理危機への対応をすることができる」

HAMモデル

HAM(Human Associative Memory/ハム)とは、アンダーソン氏(Anderson)とバウアー氏(Bower)による長期記憶のシミュレーション・モデルのこと。入力された文は、命題のツリー構造ネットワークに分解され、そのツリー構造の単語と記憶内の単語との照合で一致した時に長期記憶内に記銘されたことになる。なお、このHAMモデルシミュレーションでは、質問に対する応答も可能である。

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Category:心理学

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