我が家の住民、バジル君たちです。
バジル(Basil)はシソ科メボウキ属の多年草です。和名はメボウキと言うそうです。バジリコはイタリア語のようです。成長初期段階では草のような茎ですが、成長すると木になっていきます。シソ科なので大葉くんと同じような実のつき方をします。
イタリア料理によく使われるハーブとして有名なバジルですが、健胃、食欲増進作用があるようで、品種は50種以上にもなるそうです。
1年草と説明されることがありますが、バジルは本来多年草であり、1年草という表現は日本の気温が寒すぎるから耐えられないというだけのようです。ということで、一応日本では半耐寒性1年草という扱いになっています。
あまり寒さには強くないようですが、室内だと11月現在でも花をつけるほどにムキムキです。もともとインドらへんの植物のようですから、底冷えの京都では厳しいのかもしれません。12月目前ですが、屋外のバジル君も現役です。ほとんどが枯れたようになってきますが、木の脇からムキムキの葉をつけています。
バジルの花
バジルは白く小さな花をつけます。花がついたところを切るとまた枝分かれするそうですが(摘心)、うちは自然のままにしています。バジルの草丈は20から60センチと説明されることが多いようですが、直線で換算すると1メートルを超えています。上に伸びることを諦めたのか、この写真の頃よりもさらに横に伸びていって花までつけています。
バジルの木(木質化)
バジルの収穫期は夏ですが、室内で育てているため現役です。最初は草のようですが、どんどん木質化していきます。日本では半耐寒性1年草扱いですが気温が温かい地域では、バジルは木扱いです。
日本においては、寒さに耐えられないから一年で枯れてしまうだけであり、本来は草から木になってずっと生きるような植物です。シソ科メボウキ属の多年草ということで木本ではなく草本で草扱いですが、割り箸くらいの感じで木質化していきます。
バジルの葉
ちなみにこのバジル君の枝の先端は未だにムキムキです。
食用でおなじみのバジルの葉です。イタリア料理によく使われます。バジルメインのパスタといったものの他、ピザに乗っていることもよくありますね。
バジルの種
完全に枯れたようになった枝をハサミで切りましたが、一つのつぼみスポットあたり4つの種が入っています。
そして種スポットが6つ連なっており、それが各枝に6から10箇所くらい付いています。単純に1本あたり4*6*10なので一本あたり240個の種が潜んでいます。それが30本くらいありますから7000個くらいの種が現在ストックされています。しかもこれは新芽君たちが生えてきたあとに切り取ったものなので、それ以前に枯れ落ちた分を含めるとおそらく1万個くらい種ができました。といっても、もともと2株であり、但馬で買ってきたアントシアニン入りのダークオパール系バジルも含んでいるので、実際は3000個くらいかもしれません。
バジルの育て方
バジル(学名: Ocimum basilicum)の発芽温度は標準的には22℃以上であれば、7日以内に発芽するということのようですが、10℃位でも一応発芽します。しかしながら5℃以下になると生育が難しくなるということのようなので、三寒四温の時期のように急に寒くなる時期を避け、暖かい日が続くようになってから育て始めた方が無難です。日当たりがよく水はけの良い環境で育てましょう。土に関してはホームセンターに売っている標準的なもので大丈夫です。
なおバジルは挿し芽でも増やすことができます。開花時期は基本的に夏です。
こちらは風で飛んだ種から勝手に根付いた屋外のバジル君の子供です。今はおぎのやの釜に移し替えて室内で成長中です。
この子の脇にあったダークオパール系のバジルはナメクジくんに全て食べられてしまいました。
こちらは勝手にわんさか出てきたバジルの新芽君たちです。室内の方の子供たちです。
秋に大量に芽が出たので、苗に移し替えました。
木質化したバジル君の子孫が着々と成長してきています。
バジル君の子孫「バジル二世」(2015年6月上旬)
そしてこのバジル二世も花をつけました。
バジル二世も開花(2015年7月下旬)。
冷蔵庫という名の「処刑台」
スーパーで買ってきたバジルを、良かれと思って冷蔵庫に入れていませんか? 翌朝、葉が黒ずんで溶けてしまった姿を見て悲しんだ経験があるはずです。それは鮮度が落ちたからではなく、彼らが「凍死」したのです。
バジルの故郷は熱帯アジアやインドです。彼らの遺伝子には、日本の冷蔵庫のような寒冷な環境に対応するプログラムが存在しません。10℃を下回ると低温障害を起こし、細胞が壊死して黒変します。プロフェッショナルにとって、バジルの最適な保存場所は冷蔵庫ではなく、キッチンのカウンターです。コップに水を張り、花のように生けて常温に置く。この方法なら、彼らは一週間以上も緑色のまま、部屋中に甘い香りを漂わせながら生き続けます。彼らに必要なのは冷気ではなく、熱帯の風に近い常温なのです。
「鋼(はがね)」を嫌う高貴な魂
料理のレシピ本には「バジルを刻む」と書かれていることがありますが、厳密には正しくありません。バジルの葉に包丁(金属)を入れることは、その香りと美しさを殺す行為だからです。
葉に含まれるポリフェノールなどの成分は、金属に触れたり、細胞が鋭利に切断されたりすることで、急激に酸化酵素が働き、切り口から黒く変色し始めます。さらに、デリケートな香りのカプセルが潰れ、雑味が出てしまいます。 最高の香りを引き出す唯一の道具は、あなたの「指」です。繊維に沿って優しく手でちぎることで、細胞の破壊を最小限に抑え、フレッシュな香りを爆発させる(リリースする)ことができます。王の名を持つハーブに対して、鋼の刃を向けるのは無粋というものです。
「永遠の青春」を強いる愛
家庭菜園でバジルを育てる際、最も残酷かつ重要な作業が「摘芯(てきしん)」です。白い可憐な花が咲こうとすると、私たちはそれをすぐに摘み取らなければなりません。
植物にとって花を咲かせ、種を作ることは最大の喜びであり、生体のゴールです。しかし、花が咲くと同時に、株全体のエネルギーは「生殖」へと切り替わり、葉は硬くなり、香りは落ち、役目を終えた株は枯れていきます。 私たちが柔らかく香り高い葉を食べ続けるためには、彼らにゴール(開花)を許さず、蕾を摘み続けることで、「まだ成長の途中だ」と勘違いさせ続けなければなりません。それは植物に「永遠の青春」を強いる、人間のエゴイズムによる愛の形です。しかし、その行為によってのみ、バジルは霜が降りる直前まで繁茂し続けることができるのです。
種子が纏(まと)う「水の鎧」
バジルの種(バジルシード)を水に浸したことがありますか? あの黒い小さな粒は、水を吸うと瞬時に膨張し、カエルの卵のような半透明のゼリー状物質に覆われます。
このゼリーの正体は「グルコマンナン」などの食物繊維です。チアシードと同様、乾燥した大地で雨が降ったその一瞬を逃さず水分を確保し、発芽するための水分タンクとして機能する生存戦略です。 このゼリー状の種は、独特の食感を持つデザートとしてだけでなく、腸内の掃除役としても優秀です。葉の香りに隠れがちですが、その種の中にも、生き抜くためのしたたかな計算と、健康への効能が詰まっているのです。
「王」として君臨する香り
バジル(Basil)の語源は、ギリシャ語で「王」を意味する「バジレウス(Basileus)」に由来すると言われています。古代において、王宮や神事に使われるほど神聖で高貴な植物でした。
その香りの主成分であるリナロールやオイゲノールは、加熱しすぎるとすぐに揮発して消えてしまいます。ピザのマルゲリータを焼くとき、バジルを最初から乗せて焼くか、焼き上がりに乗せるか。プロの答えは明白です。熱々のチーズの余熱で香りを立たせる程度が、王の威厳を損なわないギリギリのラインなのです。調理するのではなく、最後に香りを「着せる」。その距離感を保つことが、このハーブと付き合う極意です。
バジルの品種
バジルには50以上の品種があるようです。代表的なものは次のとおりです。
ホーリーバジル
ホーリーバジル(Holy Basil、学名:Ocimum sanctum)は、ヒンドゥー教文化圏では聖なるハーブとされるインド原産種のバジルで、スパイスのクローブ(Clove)のような香りを持っています。
レモンバジル
レモンバジル(Lemon Basil、学名:Ocimum citriodorum)レモングラスやレモンバームなどのように、ほのかにレモンの香りがするバジル。葉の色は黄緑色です。
ブッシュバジル
ブッシュバジル(Bush Basil、学名:Ocimum minimum)は、ブッシュ=株ということで、フサフサ系の葉の小さい小型種のバジルです。葉が小さいため寒さに弱いようです。
ファインリーブドバジル
ファインリーブドバジル(Fine leaved Basil、学名:Ocimum minimum)、別名グリークバジル(Greek Basil)は、ブッシュバジルよりさらに葉が小さい小型種のバジルです。
レタスリーブドバジル
レタスリーブドバジル(Lettuce leaved Basil、学名:Ocimum basilicum var.lactucafolium)別名モンスターリーブバジルは、イタリアで作られたバジルで、縮れた大型葉(7.5センチ程度)の品種です。
パープルバジル
パープルバジル(Purple Basil、学名:Ocimum basilicum var.aurauascens)、別名ダークオパールバジル、パープルラッフルズは、アントシアニン系の濃赤紫色の葉を持つバジルで、花も薄紫色になる品種です。
我が家のバジルくんの脇で育てていた品種になります。もちろん食用でもありながら色が綺麗なので観賞用にも人気のようです。
シソ科
- シソ科シソ属 大葉(青紫蘇)とえごま
- シソ科オドリコソウ属 ホトケノザ(仏の座)
- シソ科ラベンダー属 ラベンダー
- シソ科サルビア属(アキギリ属)セージ
- シソ科マンネンロウ属 ローズマリー
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