紙一重の皮算用

何事も詰めが甘い場合は、結果が芳しくないものになったりします。あと一歩のところで、詰めが甘いと時に台無しになることもありますし、そこまではいかなくても達成できたであろう結果よりも随分と低い結果になってしまう事があります。

かつての僕は結構その口でした。最初はうまくいき、結構なリードを保っているのですが、途中で詰まって結果的に平均的なものになってしまうという感じです。

おそらく無意識的にそうしてしまう傾向があったのでしょう。ある程度うまくいくと、うまく行きすぎないように調整が入るという感じなってしまう癖がありました。

その結果大失敗ということはそれほどありませんでしたが、トップから平均値くらいまで転落、そしてそのままレースが終わるというようなことはよくありました。

当初のリードを保ったまま、最後まで気を引き締めて詰めをしっかりとしていればトップにでもなれたというような感じの時、結局最後の詰めの段階で気の緩みが生じ、やはり普通くらいで落ち着いてしまうというようなやつです。

詰めの甘さに関わる「調整」が入る瞬間

そんな感じだったのですが、「調整が入る瞬間」が見えるようになってきてからは、それを見切るようになり、なんだかんだで粘ってみて上位ランクイン、トップ独走というような感じでやり過ごすことができるようになりました。

これは、どこかしら無意識の中に対象の基準値のようなものがあってそれに合わせてしまう、つまり恒常性維持機能ということになりますが、基準値に対して、「うまくいき過ぎている」と無意識が判断した瞬間に調整が入り、詰めの甘さを生じさせ結果を基準値に合わせようとしてしまう、というようなものです。

そうした詰めの甘さに関わる「調整」が入る瞬間が見えるようになってきてからというもの、「ふむ。調整が入ってきたな」という事に気づき、「もう少し粘ろう」と意識的に踏ん張ることができるようになりました。

さらに月日が流れてからは「その基準値を変えさえすれば勝手にすべてが上手くいく」ということがよくよくわかりました。

調整が入る瞬間と基準値の変更による結果の変化

つまりステップとしては、

  1. 詰めが甘く、平均値に戻ってしまう
  2. 詰めが甘いことに注意するようになって、粘りながら上位に食い込む
  3. 基準値を変えて勝手にトップ

という感じです。

詰めが甘い状態、つまり慢心にある状態で、「もう余裕だろう」と思っていても、それはアイツこと自我の意見だったりします。

その「余裕だろう」に騙されてはいけません。

無意識レベルの調整の原因

無意識レベルで調整が入るという点に関しては、「目立ちすぎてはいけない」とか、「今回うまくいき過ぎると次も求められてしまう」という点に対する自己防衛的なケースも考えられます。

「今回うまくいき過ぎると次も求められてしまう」という点に関しては、「体調が悪いときややる気が起こらない時もあるからなぁ」というようなものが背景にあると考えることができます。

慢心という面のみならず、そうした様々な原因が奥底に潜んでいないかを観るというのも「詰めが甘い」というものを防ぐためには有効的です。

なお、基準値の変更については、「これくらいが当たり前」という一種の心地よさの基準を変えるというものが基本になります。また「義務感」から「楽しみ」に変えるというようなものもあります。

酔いによって詰めが甘い状態になり無駄に先走ってしまう

また意図せず詰めが甘い状態になり、無駄に先走ってしまうことが起こるケースがあります。

事前に準備したり調査できるようなことがあったとしてもそれをパスして突き進んでしまうというようなことが起こります。

それは何かしらに酔っている状態の時です。

酔っているからこそ本音が出たり、思い切りが出るということは良いですが、勢いだけで何とかなる場合もあれば、ならない場合もあります。

男女の仲等々、感情の世界のようなものであればまだ良いですが、事業や大きな買い物に関しては元々が経済的なものであるため少し立ち止まったほうが良いのではないでしょうか。

後に残る金銭的損失が大きいという面もありますが、感情だけに任せず多少なりと理性を持って考えた方が結局「気持ち」を大切にすることができるというのがその理由の中の大きなものになります。

何かしら酔っている時は、「何かがあまりはっきりは見えない状態」になっています。だからこそ気が散ることによるパワーロスが無くなり、盲目的に突き進むだけになるのでエネルギーを上手く使うことができます。

しかし、何事も必ず押さえておかねばならない面があります。もしそれが見えていない状態なのであれば、まさに大誤算が訪れることになります。

勢いだけでは乗り越えられない現実の壁

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