愛の治療法

相変わらず大ていの場合愛にはあの古い荒療治が効く。愛し返すことである。 曙光 415

愛の治療法ということで、冷めた男女の治療法についてでも書いていきましょう。

冷めた男女の治療法を求め、冷めた関係の修復や復縁を切に願っているというケースもよく見られますが、たいていはその執着によって関係修復や復縁とは逆行した流れになることがよくあります。

「前と同じとまではいかないが、そこそこ愛し合えるような関係に戻れたらなぁ」

そうは思いつつも苛立ちばかりが募り、最も愛した相手であるのに最も憎らしく思ってしまう程になってしまうこともあります。

よく復縁がしたいとか、冷めた夫婦間の仲を筆頭に冷めた男女仲をなんとかしたいという人がいますが、もしそう思うなら、たったひとつのことだけに思いを馳せておくことです。

冷めた関係の修復や復縁に

冷めた男女間の愛の治療法、それは「今からどうありたいか」です。

相手と自分の関係において、今から先どうありたいかを検討してみましょう。それを言語的な自己説得ではなく、体感レベルで検討してみてください。

そこに過去を持ち込んではいけません。

あの時はこうだったとか、この時はこうだったとか、そうした相手に対する認定があるはずです。

そしてその認定や記憶と現状とのギャップに苦しんでいるはずです。

今以降、どうありたいか

ひとまず、そうしたものは全てリセットして、目の前の人と、「今以降、どうありたいか」をイメージしてみてください。

その時に「あの時のように」というものは排除しましょう。

過去をベースとしての想像の範囲内で未来を想定することはやめて、ただどうありたいかをイメージしてみてください。

現状から舵を切るようにコントロールしようとするのではなく、ゼロスタートです。

自分と相手との関係性について現状や過去を踏まえた上でコントロールしようとするのではなく、完全にフラットな状態で今後どうありたいかをイメージしてみましょう。

愛の方向性に戻れる

そして、日常である今の現状すら、これが最後になるかもしれないと思えれば、すぐに愛の方向性に戻れるはずです。

執着を無くしてゼロから始めましょう。

執着をなくそうという執着すら無くしましょう。

そうなると、「今から先どうありたいか」というものが純化されるはずです。

既にある目の前の結果をどうこうコントロールしようとせず、次の結果の因たるものを「今」この時点で、よりすばらしいものとしてください。

過去を今以降に影響させているのは、ただの観念にしか過ぎません。そうしたモノに力を与えず、今以降、相手との関係をどうしていきたいかを考えれば、愛の方向性以外に望む方向性は無いはずです。

それは厳密には「戻る」というものではないかもしれませんが、結果的に愛の方向性に戻れるはずです。

息が合わない場合の愛の治療法

ただ、そうして愛の治療法として、愛の方向性で相手との今後の関係性をイメージしてみても、体感レベルで息が合わず、やはり面と向かえば元の木阿弥、「やはり愛の感覚に戻れない」ということが起こったりもします。

思考上でできることと言えば、「日常である今の現状すら、これが最後になるかもしれない」という事実当然のことに思いを馳せ、「比較の対象となる過去を持ち込まず、今以降はできる限り愛の関係を築いていこう」と思うことくらいですが、そうは思っていても無意識レベル、体感レベルでウマが合わないという場帯になっている場合、そうした思考の力はすぐに威力を無くしてしまいます。

そういうわけなので、思考の領域ではそうしたことを思っておくというのは当然にそうしておくにしても、同時に生体レベルでの息を合わせるということをしておいたほうが、より一層愛の治療に効果が出ます。

まさに「息を合わせる」といった感じで、散歩に出かけ、同じ速度で歩いてみたり、できれば手をつないでみたりして色々なペースを合わせてみましょう。

「既に息が合わない状態となっている」という状態から始まるので、最初は気まずかったり、ギクシャクしたりするかもしれませんが、ある程度の時間を経ると何となく気楽になってくるはずです。

そしてそんな気楽な感覚を大切にして、愛の感覚を大切に、「今から先、この人との関係としてどのようにありたいか」ということに着目していれば、軋轢も無くなり、二人で新しい経験を作っていけるようになるはずです。

遭難の悲愴感

愛の治療法 曙光 415

Category:曙光(ニーチェ) / 第四書

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