大根は、アブラナ科ダイコン属の越年草です。清白(すずしろ)、蘿蔔(すずしろ)は、大根(主に秋大根)のことですが、春の七草ということで大根の葉をさすようです。
春の七草なのに秋大根な清白(すずしろ)。蘿蔔(すずしろ)とも書かれます。旧暦では2月ですが、春でも秋でもない真冬です。
春の七草としての清白・蘿蔔は、七草ということで大根の葉をさすようです。なお、大根の葉は、うさぎの大好物です。大根には春大根と秋大根がありますが、どちらも言わずと知れた食材であり健康食です。
大根の根は一応土の中にあるので根ですが、栄養を貯めておくところでもあるので、他の植物の根とは少し違った概念になります。
大根にはジアスターゼ(デンプン消化酵素)やグリコシダーゼなど、たくさんの消化酵素があり、胃腸に優しいので古くから薬草的な位置づけにもなっています。なお、血栓防止作用・解毒作用などもあるようです。
大根の名の由来は「大きな根」ですが、春の七草としての大根は清白(すずしろ)と呼ばれます。
大根の主根
語るまでもないくらいの大根の可食部である主根。
上部はやや緑がかっています。
この清白の名は、一般的には可食部の根の部分が白いことからということのようです。
しかし、個人的には、大根の花の可憐さがその名の由来ではないかと勝手に思っています。
大根の花
以前、冷蔵庫で蕾を付けた大根が、きれいな花を咲かせました。
もしかすると春の七草としての「清白(すずしろ)」という名は、この可憐な花をもって名付けられたのかもしれません。
ある時、冷蔵庫の中で大根が蕾をつけていました。
冷蔵庫の中で弱りながらも葉をつけ花をつけようとしていた大根。
「そうか、自分はもうすぐ死んでしまうだろう、それならば」と、たまに入り込む光と内にある栄養だけで、花をつけようとしていた大根を不憫に思い、外に出して光合成してもらうことにしました。
外に出すと黄色かった葉が青々としてきました。
そして4月8日の花まつりの日、見事にきれいな花を咲かせました。
春の七草としての大根には「清白(すずしろ)」という名があります。可食部の白さを指して、というのが一般的なようですが、もしかしたら、この名をつけた古人は、この純白の花をそう詠んだのかも知れません。
清白の名にふさわしい、清く汚れのない可憐な美しい花です。
アブラナ科
- アブラナ科アブラナ属 菜の花(アブラナ)
- アブラナ科アブラナ属 蕪(かぶ)菘・鈴菜(すずな)
- アブラナ科アブラナ属 芥藍(かいらん)・芥藍菜
- アブラナ科ナズナ属 撫菜(なずな)
- アブラナ科アリッサム属/アウリニア属 アリッサム
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