ゲインロス効果(獲得-損失効果)とは、人が他者から褒められたりけなされたりという対人的評価を受けた場合、最初の評価から評価が変化した際における一貫性などが影響を及ぼすという現象を指す。ゲインロス効果は、心理効果の働き方の方向によって「獲得効果」と「損失効果」として分類することができる。
他者からの評価において、最初から最後まで正の評価をした人よりも、負から徐々に正へと変化した人の方が好かれるというのが「獲得効果」であり、最初から負の評価をした人よりも、正から負へと変化した人の方が嫌われるというのが「損失効果」である。
すなわち、獲得効果とは、「一貫して良い評価をし続けていた人よりも、最初は悪い評価をしながら後に良い評価をした人が好かれるという効果」であり、損失効果とは、「一貫して悪い評価をし続けていた人よりも、最初は良い評価をしながら後に悪い評価をした人のほうが嫌われる」という効果である。
つまり、「一貫した評価をし続けること」に対し
- 獲得効果 最初は悪い評価をし、後に良い評価をすると好かれる
- 損失効果 最初は良い評価をし、後に悪い評価をすると嫌われる
という構造になる。
ゲインロス効果(獲得-損失効果)の要因
こうしたゲインロス効果(獲得-損失効果)のメカニズムとしてその効果が現れる要因としては、対人的評価の変化によって、不安が増減することに起因する。
意見を変える人は信用できないという面もありながら、マイナス評価からプラス評価に変わったということで「誤解が解けたことが嬉しい」という感じになったり、プラス評価からマイナス評価担った場合は「最初は期待や信用をしていたのに裏切られた」ということで痛みになる。こうして評価の変化が喜びや痛みとして表れ、評価された側が評価したものに対して持つ「好ましいという感想」を左右するものになるということである。
「損失効果の場合であれば一時的に不安が増大し、獲得効果の場合は不安が減少するという」形で考えることができる。なお、このゲインロス効果(獲得-損失効果)はアロンソンらに研究によって示された。
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