アンダードッグ効果(underdog effect)とは、判官びいきの「劣勢支持」であり、負け戦をしている側を支持し応援するという心理効果である。負け犬を応援するというような働きのことを指す。判官びいき効果と呼ばれることもある。
「判官びいき効果」と呼ばれる場合の「判官贔屓(ほうがんびいき、はんかんびいき)」とは、蓋然性の高い事実を元に冷静な物事の判断をしようとせず、弱い立場にあるもの、不利な立場にあるものに同情して判断を歪めることを意味する(狭義には悲劇の英雄に対する同情から起こる贔屓)。
劣勢にあるものを応援する判官びいき効果
アンダードッグ効果は、こうした判官贔屓として、劣勢にあるものをあえて応援するという心理である。なお、アンダードッグ効果の「アンダードッグ」とは闘犬の調教において用いられる「弱い犬」のことであり、転じて「負け犬」や「敗北者」という意味を持つようになった言葉である。
単純には「勝ち馬に乗る」「多数に与する」というバンドワゴン効果の逆バージョンであり、多数が勝ち馬を支持している中、劣勢側を不憫に思ったり、勇気に感動したりして逆に劣勢側を支持するという事が起こる。これがアンダードッグ効果である。
例えば、選挙などにおいて、有力候補以外の落選が確実な候補者や何かの試合で圧倒的に負けている側に対して「頑張れ!」と応援し、支持しようとするような心理である。また、競技などで劣勢になっているものをあえて応援するというようなものはその代表例となる。「弱者だから」とか「負けているから」とか、そうした理由で起こる一種の差別意識と言えよう。なお、多数派嫌いは「スノッブ効果」という別の概念が当てはめられる。
公開日:2018.10.21
最終更新日:
Category:心理学最終更新日: