アフォーダンス理論

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アフォーダンス理論とは、環境が動物に対して与える「意味」のことであり、動物と物の間に存在する行為についての関係性そのもの。過去の体験をもとに特定の条件に特定の行動が結び付けられるという効果のことであり、人と、物などの外部環境との関係性をその人に伝達する事であり、「ある行為に誘導するためのヒントを提示すればその行為に及ぶだろう」という胡散臭いコンサルが大好きそうな理論である。

アフォーダンス(affordance)とは

簡単に表現するとアフォーダンス(affordance)とは、「環境世界が知覚者に対して与えるもの」という意味になる。これは、アメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語。アフォーダンスは「環境の方に意味や価値が実在する」という考え方である。環境世界は、人間や動物にとって単に物質的な存在ではなく、直接的に意味や価値を提供(アフォード)するものであると考えるのがアフォーダンス理論である。なお、ジェームズ・J・ギブソンは知覚の研究を行うにあたって、ゲシュタルト心理学より大きな影響を受けた研究者。

それまでの間接的認識論では、「外界の物理的刺激を感覚器官によって受容し、心的世界によって意味や価値を与える」と考えられていたが、「環境の方に意味や価値が実在するとみなす」という発想がアフォーダンスといったところになるだろう。

環境の中に動物の行為に影響を与える
情報が存在する

環境そのものに動物の行為をうながす様々な情報が存在するという図式となるが、動物はその情報をもとに行動し、その動物の行動により環境に内在する情報も変化する。因果律から言えば当然のことで論ずるまでもない。

環境の中に情報があり、それによって動物の行動も変わるが、動物が行動を起こした時点で、その動物を取り囲む環境も変化するのは当然である。一歩歩いただけでも運動エネルギーは風などになったり、一呼吸すれば酸素と二酸化炭素のバランスは変わる。

そうなると、瞬間瞬間で環境も動物も互いに変化していなければおかしいはずである。

「機械や道具などのデザインそのものに、機械や道具をどのように操作すればよいかというアフォーダンスがある」といった発想で、認知工学の用語としてアフォーダンスという概念が用いられたりする。

「空間をデザインし、行為をデザインする」といった、マックユーザーしか認めないというデザイン系の「自称美学を持った人」に、「ほら、こういう裏付けがあるんだ」と安易に利用される心理学理論ということは紛れもない事実であるが、世の中ではあまり語られることはない。

マーケティングにも応用できるからといって、堂々とセミナーで教えられたりしているが、この理論は、総務課が社内全体集会の時に「営業部はこの列」と書かなくても、営業部長が先頭に立っていれば、自分はこの列に並ぶんだろうなぁ、と思ってしまうということであり、駐車場に白い白線が引いてあったら駐車スペースはその間なんだと思ったり、アフィリエイターが動画はこちらと矢印の先に動画のタイトルをつけているようなものである。実際に矢印の先に飛んでみたらブログランキングのカウントのためだったとか、別のアフィリエイトサイトだったとか、そういう騙しも世の中にはたくさんあるため注意が必要である。

「ある行為に誘導するためのヒントを提示すれば、その行為に及ぶだろう。だからこちらの都合の良い風に誘導してやろう」

ということなる。

自分都合だけでなく、双方のためになるようなことでないと、その邪念から嫌われていくだけである。

アフォーダンス理論を利用した、「ある行為への誘導」そのものが合理性のないものならば、それはただ単に人を欺いているだけの行為となる。

それがバレた時の信頼失墜のほうが取り返しがつかないことを肝に銘じたほうが良いだろう。

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Category:心理学

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