アフォリズム 761-770
- 761.力を抜く
- 762.浮つきと落ち着き
- 763.責めることが難しい嘘
- 764.悪徳業者のような声
- 765.未経験者の推測
- 766.湖面に映るもの
- 767.状況の変化への期待
- 768.この先を見切る
- 769.敬いを求めること
- 770.まやかし
761.力を抜く
「力を抜く」ということは、「力が入らない」とか「力が抜けてしまう」ということとは全く別物である。
762.浮つきと落ち着き
心が浮ついている場合は、下腹に意識を向けると落ち着く。
向けるのは意識であって、力を込めるということとはまた異なる。
その上で、時間軸を今現在に向けていくと、その精度に従い無敵に近づいていく。
763.責めることが難しい嘘
意図的な嘘であれば責めることができるが、結果的に嘘のようになってしまったような事柄に対しては、責めることがしにくい分、苦悩が多い場合がある。
764.悪徳業者のような声
悪徳業者の支払督促のようなしつこい声には、「そんなに自信があるなら出るとこ出たらいいんじゃないですか?」という毅然とした態度が最も有効である。
765.未経験者の推測
実際に鬱になったりパニック障害になったりした者以外が推測で語る時、自己啓発目線の者は「夢の設定が不完全」と言い、栄養面を含めた健康面に詳しい者は、身体的な健康面のことを語り、気に詳しい者は気の流れについて説いてくるのが関の山である。
どれもこれも間違いではないが、それだけで解決すると思うことは間違いである。
766.湖面に映るもの
波風が立たなければ、湖面は見事にそのままの姿を映し出す。
多少揺れていても、観る位置によってその揺れは映るものにさほど影響を与えない。
767.状況の変化への期待
待っていても状況は多少なりと変化する。
ただ、良い方に変化するとは限らず、また、どのくらい待てばどのくらいの良き変化が訪れるのかは不明瞭である。
768.この先を見切る
「この先を進んでも、最高に良くてあの程度である」ということを見切った時、一度は落胆するが、新しい希望が生ずるだろう。
769.敬いを求めること
いかに実績を作っていようとも、敬いを求めている時点で、まだ半人前である。
770.まやかし
楽しく暮らせれば、その先に天国のようなところに行ければ、それで完璧であるというのはまやかしである。
もちろんそうしたまやかしも、表面的な苦の低減にはある程度役立つだろう。
だが、心が受ける苦の根本問題は、それだけでは解決せず、心は完成しない。
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