最近、業務中にも顧客からのメールに「AI(人工知能)による回答はこちら」というコピペが貼り付けられていたりします。
うーん。
当たり前のことを当たり前に言っているだけ、というのがその印象です。
まあ以前であれば検索結果から何かしらのページを見て、そのページが10000字くらいあって、そこから答えを見つけたり推測したりするという流れだったのが、多少要約抜粋されて手間が省けるような感じはあります。
だから何だ?
という感じに近いイメージです。
基本中の基本、原則中の原則については書いてありますが、その人、そのケースに合った回答ではないですからね。
いわば一般論しか書いていないわけです。
素人が「素人に毛の生えた程度」の知識を得るのがせいぜいせいぜい
これは結局、その人なりの状態、背景については考慮されないということであり、その人の問題を何も解決しない可能性が高いということです。
素人が「素人に毛の生えた程度」になるには良いのかもしれませんが、より深いレベルになるとほとんど何の役にも立ちません。
というのが現在の印象です。
すこし違和感があるのが、そのAIの回答をもとに、「ある程度は把握している」と相手側が思い込んでしまう点です。
その人が「素人に毛の生えた程度の状況の把握はできました」という自覚があるのならば問題はありませんが、例えば、「問題の8割は把握しているので、後は2割だろう、だから安く対応しろ」などと考え出すと厄介です。
残念ながらAIの回答など一般論、基本中の基本しか示していないので、特殊なケースにおいては全体の1割も示していないというようなことになることも十分に考えられます。
中学生が高校生レベルに、高校生が大学生レベルの知識になるというような点で考えれば良いツールなのかもしれません。
要約されているがさほど進化していない
要約されているという要素はありますが、検索エンジンによる検索結果からさほど進化していない感があります。
むしろ要約されているからこそ、本題とは異なった点ばかりに着目したり、本来の意味での知識が蓄積されていかないようになるような懸念もあります。
あと、たまに自分はAIを使いこなしていると自信満々の人もいますが、あんなものは誰でも使えます。
誰でも使えるということは、優位性はなくなるということを意味しています。
短文を打ったら膨大な回答が来たということにびっくりするのかもしれませんが、それはさほどすごいことではありません。
AI(人工知能)には、膨大な情報を扱うという得意な分野があります。理系の研究などにおいては使い道があるのかもしれません。
しかしながら、ミクロレベルで考えるとその人、その企業の背景をすべて把握しているわけではないので、どれだけ膨大なデータから導き出したものであっても、その精度は下がります。
下がるどころか、一般論しか言えないというのが普通です。
画像の自動生成などに驚きがあるかもしれませんが、あれもやっていることはさほど大したことではありません。
そのうちAIとの距離感がわかってきて、人々は飽きていくのではないかと思います。
機械的なものは機械的な匂いがする
また、機械的なものは機械的な匂いがします。
定型文的なものを人はすぐに嗅ぎつけ
「ああ、お決まりの定型文か」
と思ったりします。
その部分を無視していきます。
本当に人によって書かれたこと、その人の思いが乗っかっている部分だけに着目します。
まあその点はAI(人工知能)も同じことを考えています。
既出のものはスルーします。ユニークなものでないと、新しい学習になりませんから。
そんな感じの環境になればなるほど、現実のものの方が臨場感が強くてよいのではないかと思います。