先日、家の裏にカゲロウがいました。モンカゲロウです。
弱すぎる上に短命なことで有名なカゲロウですが、幼虫の時は水中で生活していて、亜成虫という不完全変態を経て自然界最弱級の成虫になるという感じです。
しかし「水辺でも何でも無いのに何でこんなところにいるんだ?」という感じです。
きっと車とか自転車とかに張り付いたりなんかして移動してきたのでしょう。
きっとそんな感じでやってきたであろうモンカゲロウは、天敵に対して「どうぞ発見してください」と言わんばかりの目立つ場所にいました。
「保護色という考え方はないのかね?」
と言ってみましたが
「お腹空いた。やる気が出ない」
ということのようでした。
しかし、モンカゲロウもまた、成虫になってからは産卵することだけしか使命がなく口も退化していて食べ物を食べないという感じです。
それでも動く気がしないという感じなのでしょう。
とにかく自発的な移動はしなさそうだったので、手を差し伸べてみました。
すると「触ってから驚く」という感じでした。
身を守る気がありません。
何のために目があるのか、と思ってしまうくらいです。
でもまあそれは、空気的に「捕食される」という感じがしないということから来ているのかもしれません。
ひとまず「驚いている場合じゃない」という感じなので、つかまりやすいようにと葉っぱを持ってきました。
ちなみに「手乗りカゲロウ」ですが、少し滑りやすそうだったのでとりあえず葉にしておいたという感じでした。
「生まれてすぐに手乗りはないだろう」という感じもしますが、あまりにも無防備すぎます。ただでさえ短命で、そして弱いことで有名なカゲロウ目ですが、もうちょっと自然界でたくましくあれと思っていた矢先…
葉の上に乗せて移動してもらおうと思いつつ、まだ動かしてもいないのに葉の上でコケだすモンカゲロウ。
羽がついているのになかなか飛ばないモンカゲロウ…
そんなことで大丈夫なのかと心配になるくらいに弱々しいモンカゲロウ…
草に止まるモンカゲロウ
ひとまず草が生えているところまで移動です。
よしよし、それでこそ自然な姿じゃないか、よく似合っているぞと思いつつ見守っていると…
なんとか踏ん張るモンカゲロウ。
でもこの場所なら天敵にも見つかりにくいぞという感じで、短い命の中、せめて活動する夜までの間せめて身くらいは守れという感じで見守っていました。
するとしばらくして…
ハタハタハタハタ…
まあいいですよ。
最初の頃よりは十分保護色的ですから…
「ここなら大丈夫でしょう」
と、まあ別に好きにしてくれればいいんですが…
場所的に誰かが意図せず踏んづけてしまいそうな場所だったので、少し移動してもらおうとしばらく「手乗りカゲロウ」として指の上で遊んだりしつつ、移動してもらおうとするとまた…
ハタハタハタハタ…
コンクリートの壁に移動したモンカゲロウ
…
まあもちろん好きにしてもらったらいいのですが…
確かに観察するにはすごく楽なポジションであることは間違いありませんが、天敵から身を守る気が全然ありません。無防備もいいところです。
このモンカゲロウは、それから何時間もこの場所で待機していました。
夕暮れ時になり、薄暗くなってきた時、「そろそろ活動時間になるのかなぁ…」などと思い、「さすがにもう相手を探しに飛び立っただろう」と思って確認しに行くと…
確かにもうこのモンカゲロウの姿はありませんでした。
「よかったよかった」
と思っていたら、モンカゲロウがいた場所から数十センチのところに…
ヤモリがいました。
…
真相は闇のままです。