順序効果(order effect)とは、広義には順序の違いや時間差によって表れる順応の過程や順向抑制、逆向抑制などの現象を意味する。当たり前のことだが、同一の被験者が複数の実験的操作を受けるときにおいて、同一の質問であっても質問の順序によって応答に相違があったり、順序によって練習、順応、疲労が生じたりして実験自体への心的飽和が起きたりすることある。
その他、同一の部位に同一の刺激が連続して与えられるとき後の刺激の効果が減少したり、刺激の時間的な相互作用が起こることがある。こうした形で順序によって反応の表れ方が変化してしまうことを順序効果という。
示す順序によって反応の表れ方が変化する
同じ内容のものを順序を入れ替えることで飽きに対処するという感じで、経済社会において店舗レイアウトや商品陳列を変える試みがなされるのもその一つだろう。商品の並べ方、消費者が目線を送る順序を変え、配列を変えたりすると売上が変わるということはよくある現象である。
示す順番によって印象が異なってしまうという意味での順序もあれば、複数回の実験において慣れてくる、飽きてくるといった形で順序によって結果が異なってくるというものも順序効果ということになる。
仮に同時に示したとしても注意が向くもの、集中するものはだいたい1つであるため自ずと順序がつく。そうした順序によって、順応に差が出ることが順序効果である。また、同じ実験を複数回繰り返すことによって「前回の測定が今回の測定に影響する」という履歴効果というものもある。
公開日:2018.11.05
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