奇術師とその反対

マジシャンの方は、複雑な因果律を単純な因果かのように見せ、学問は単純な因果律を複雑なように見せて単純な因果律を放棄させる。

ニーチェはそのようなことを言いましたが、これはアイツの特性でもあり、また単純に大学の授業のことを言っています。

ということで簡単なことを難しくし、単純な因果律を放棄してしまうということについて触れていきましょう。

単純な因果律を放棄してしまう

「学問は単純な因果律を複雑なように見せて単純な因果律を放棄させる」

最もわかりやすいのが経済学かもしれません。すごく簡単なことをわざわざなんとか曲線、なになに理論、というふうに言いますからすごくわかりやすいです。

経済学を知っていたからといって、株式の取引で勝てるわけでもなし、実際に聞いた感触ですが、経済学者さんほど株で負けています。単純な因果律なのに複雑にこんがらがって単純な因果律を放棄してしまう、これはよくあることです。

単純すぎて騙される

一方で、単純すぎてそれで騙されている人もいます。「とりあえずそうなんだ」で終わってしまう人です。

重要な部分は隠され、単純な部分だけを見せられてそれで納得してしまうというような感じです。

騙されていることに気づいても、そこからどうしたらいいかすらわかりません。これはブラック企業でよくあることです。

また、そうした「都合の悪い重要な部分」を隠すために、その部分については意図的に難しく語るというようなこともあります。

何かをごまかすために「難しく」する

何事も難しく書いている場合は、それは何かをごまかすためかもしれません。

本当は難しいことというのはそんなにありません。難しいというよりも、人に伝えるのが難しいだけで理屈や方法自体は簡単なものでこの世は構成されています。

お役人さんは難しく書く事が大好きです。ついでにその量を膨大にすることも大好きです。

説明の冊子は数十ページにも及んでいる割に、役所に聞きに行くと1分で解決したりします。本人たちはしたくないのかもしれませんが、システム上そのような仕組みになっています。

詐欺のような話でも立派なモノに見えてしまう

なぜなら単純に見れば詐欺のような話でも、立派なモノに見えてしまうか、詐欺的な部分がなかなか見えにくくなるからです。年金制度などその最たるものでしょう。

また、僕はどうして税理士という職業が成り立っているのか本当に不思議に思っています。本当はもっと税制を単純にすれば役人の数も税理士も必要なくなるのに、そうすれば労働力は余力が出て、また、必要な税金の金額も減るはずなのにそれは絶対にしません。それは詐欺的だからです。

システム自体が詐欺的要素を含んでいる

別に現状の役人や税理士が詐欺師というわけではないのですが、そのシステム自体が詐欺的要素を含んでいることは否めない、といった具合です。

難しく、ややこしくする

そのようなケースの際に使われているのが、「難しく、ややこしくする」という手法です。

何かをごまかすために難しくするということをしたり、相手に諦めさせるために難しくしたり、また、「すごいものなんだ」という虚勢を張るために難しくしています。

実際に企業同士の戦いの際は書類の量を膨大にしたりしますからね。

奇術師とその反対 曙光 6

Category:曙光(ニーチェ) / 第一書

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