ありそうでもあり、ありそうでもない

ある女性が密かにある男性を愛し、彼を自分よりも高いところに祭り上げ、全く内密に百度も自分にこう言った。「あんな方が私を愛して下さるとしたら、それは恩寵のようなものであり、私は恩寵にひれ伏さなければならないでしょう!」― 男性の方でも全く同じことが、しかも余人ならぬこの女性に関して起こった。そこで彼は全く内密に、やはりほかならぬこの考えを自分に言いきかせた。 曙光 379 前半 曙光のこの項目では、その後両者がその思いを相手に伝えてしまうという感じで続きます。 まあ曙光の項目について書いてもいいのですが、あえて、「恩

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夢と責任

「夢は人を狂わせる」 いつもそんなこと言っています。 ただ、すこし注釈を加えると、そうした狂いのもととなる「夢」は他人によって設定されたものであり、他人によって誘導されたものであり、また、たった数回味わった情動の記憶によるものであり、同時に、少ない情報源の中から設定し、夢を設定したからこそその周りが見えなくなっているという構造を持っているということです。 夢を持ってそこに邁進するのはいいですが、何度もそれを見つめ直すということをしていく方が安全です。 「この夢は誰かに設定された夢なんじゃないだろうか?」 「誰かに見

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きれいな手ときれいな壁

神も悪魔も壁に描いてはならない。そうすれば壁や近所を台無しにすることになる 曙光 378 曙光の注釈によると「悪魔を壁に描いてはならない、すなわち『縁起の悪いことはいうものでない』という格言がある」ということのようです。誰の格言であるかは明記されていません。 さて、きれいな手ときれいな壁です。「きれいな手」に限定されるわけではありませんが、僕は手が好きだったりします。最近気づきましたが、特に女性の手が好きなようで写真を見返してみると、意外にもたくさんの人の手だけを撮っていたという事実が発覚しました。父方、母方のおば

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空想的な理想は何を推測させるか

われわれに欠点がある場合われわれの熱狂は生まれる。 曙光 377 序 特に○○観戦というものに熱狂する場合、それは宗教の礼拝のような構造に近いものがあります。 単純に何かと同化して現実以外の所に意識が持って行かれているのですから宗教にハマった人とそうたいして変わりません。 さて、「空想的な理想は何を推測させるか」というニーチェお得意のアンチ宗教的なタイトルなので、そんな感じで書いていきます。 宗教団体における教義を筆頭に「感情を軸に真理だと勘違いする」ということがよく起こっています。すなわち、感情的な動きを根拠に何

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目的に従って

あらゆる行為の中で、おそらく最も理解されないのは、目的に従った行為であろう。それはいつも最もわかりやすい行為として認められてきたからであり、われわれの意識にとって最も平凡なものであるからである。重大な問題は巷にある。 曙光 127 行動をせき止めているもの、現実の流れを堰き止めているもの、それは思考です。 できるかできないか、そうした検討が現実が進むことを止めています。 今目の前にコップに入った水があって、それを飲もうと思ったとき、思考が働き、対象に思考が働いていると現実は展開しません。そして、決断した時に実現可能

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多く眠る

くたびれて自分自身がいやになったとき、自分を元気づけるためにはどうしたらよいか?ある人は賭博場、他の人はキリスト教、第三の人は電気療法をすすめる。わが親愛なる憂鬱病者よ、一番よいことはやはり、実際的にも比喩的にも多く眠ることである!そうすればまた自分の朝をもう一度もつだろう!生活の知恵の芸当は、あらゆる種類の眠りをちょうどよいときにさしこむことができることである。 曙光 376 「ちゃんと眠れればいいんですけどね」とニーチェにいいたくなるような人も多いはずです。眠れない夜を過ごすことが多い人は特にそんなことを思うで

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あまりにはっきりと物をいう

完全で軽快な文体は、完全な聴き手に対してのみ許される。曙光 375 末文 僕は特に「尊敬する人」がいないのですが、「すごいなぁ」と思う人はたくさんいます。 そのうちの一人は、合気道の塩田剛三さんです。またもや故人ですね。おそらく一般に認知されている人の中では、人類史上最強の武道の達人ではないでしょうか。 塩田剛三氏 女性、特に女の子には知っておいてほしいのですが、力で男に勝てなくても問題ありません。その相手の力を利用することで、相手を返り討ちにすることもできるからです。 動画は削除されたようです 塩田さんは、合気道

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雑な首尾一貫性

われわれは特筆大書していう。「これこそ特色のある人物だ!」― そうだ!彼が雑な首尾一貫性を見せるとき、それが、どんよりした眼にも明らかであるとき!しかし、一層鋭く、一層深遠な精神の持ち主がいて、高級なやり口で首尾一貫して見せるや否や、観客は、特色のある人物がいるということを否認する。そこで狡猾な政治家は、一般に雑な首尾一貫性で偽装して、その狂言を演じるのである。 曙光 182 まあ、B層戦略を見れば明らかで、歴史的にも大衆扇動の方法として古くから使われてきました。 「みんなの意見を尊重する」というのはいいですが、そ

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忘却

忘却が存在するということは、まだ証明されていない。われわれが知っていることはただ、回想ということはわれわれの力の及ぶところではない、ということだけである。さしあたってわれわれは、われわれの力のこの割れ目にあの「忘却」という言葉を置いた。 曙光 126 前半 なんだか「われわれだらけで読みにくい」と国語の先生に酷評されるほどですね。 さて、忘却です。忘却について詳しく書いてもいいのですが、まあ特別企画ですから自由にいきます。 記憶力と忘却 記憶力ということが語られる場合、たいてい「記憶」する「力」というか能力だと考え

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赤黄色の金木犀

赤黄色の金木犀

なるべく独りで聴きたい曲というものがあります。 フジファブリックの赤黄色の金木犀もその一曲です。 で、さらにこのライブ版はすごい熱量です。 10年位前のときのパワーが欲しい時はいつもこの曲を、さらに言えばこのライブ版の赤黄色の金木犀を聴くことにしています。 仮に自分がギタリストで普段はすごく「ギターソロを弾きたい」ということを思っていても、金澤ダイスケ氏にキーボードを弾かれたら、それはもう全幅の信頼をおいてお任せしたくなります(と言っても普段はベースしか弾きませんが)。 仮に娘がいたらこんな男たちを連れてこいと言い

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「重要さ」を捨てて現状のストレスを少しずつ取り外す

なんだか「うつ」テーマの需要が増えているみたいです。ということで、ネット上ではどんなことが書かれているのかと思うと、やっぱりうつを長期化させるような記事だったり、広告収入のための広告的な記事で溢れかえっているので、またまたちょっと記事を追加します。 現在、ちょっと右脇腹が痛くて、おそらく胆嚢に響いているようで、身体が怒りに過敏になっています。 でもこれはすごくいいチャンスで、そんな感情も楽しんでいけばいいと思っています。 ということで、最近感じたことというか実体験を交えつつ、「重要さ」を捨てて現状のストレスを少しず

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自分の美徳から逃亡する

折に触れて自分自身の美徳から逃亡する術の心得がないのなら、思想家など問題ではない!思想家は言うまでもなく「単なる道徳的な存在ではない」のでなければならぬ! 曙光 510 そう言えば最近タイヤの細いチャリの発見率が下がってきました。彼らの中でブームが去ったのでしょう。 「自分に酔いつつ、影響されやすい人」という人は一定数存在します。 純度100%というわけではないですが、「ビューティフル・ライフ」を観て美容師になった男性などは、影響されやすい人なのかもしれません(日和見な昼行灯)。 さて、哲学者というものは、道徳の影

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「自由の国」について

われわれは、行為したり体験したりするよりも、はるかに、はるかに多くのものを考えることができる。 曙光 125 序 確か病中真っ只中の時だっと思いますが、ふと考えたことがあります。 もし、夢の中でもなんでも良いのですが、イメージの世界だけにずっといれるのであれば、現実世界の身体は特にどうでもいいのではないか、という感じのことです。 何だか寝ぼけているときや、空想にふけっているときや、映画を見ている時なんかによくそんなことを考えていました。 イメージの世界 で、そのあといろいろと考えてみたのですが、仮にイメージの世界に

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恐怖が変われば、安全も変わる

幾度となくお伝えしてきた「白い靴下事件」の舞台、我が母校が今年に入ってからメディア取材を受け、僕の後輩に当たる中学生たちが写真に映っていました。 その時見たものは「蛍光オレンジの靴」です。 こうしたように常識など、どんどん変わっていくものです。 さて、「恐怖が変われば、安全も変わる」です。 状況が変われば恐怖や安全の定義も変わる 状況が変われば、恐怖や安全の定義ももちろん変わってきます。 昔どこかで書きましたが、起業した人とそうでない人にはひとつの区切りのようなものがあります。 それは、ある種の社会的な観念を越えた

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支配する

ある者は、支配欲からして支配する。他の者は、支配されないために支配する。― 後者にとっては、それは二つの悪の中で小さい方の悪であるにすぎない。 曙光 181 支配と被支配について考えたわけでもないのですが、世の中の大半の人は、支配されたいという側にいます。おそらく9割以上でしょう。 それは性欲動的なものなのか、意識の中の刷り込みなのかはよくわかりません。 まあ支配する側と支配される側をよくよく観察すると、支配する側のほうが色々と目配りも気配りも必要になります。つまり世話や管理が大変だということで、想像よりも手間がか

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「うつ」という成功法則から脱却しよう

「うつという成功法則から脱却しよう」ということで、うつにまつわる免罪符や成功法則としての機能、「プレッシャーから逃れられる」という一種の機能について、自らはどのように扱うべきかという点について触れていきます。 ― どうも「うつ」テーマによくアクセスがあるようです。 そこで菩提心というほどのものではないのですが、こうしたうつ病に関するテーマの記事を少しずつ増やしていこうかなぁなんて思っています。 その理由は次のとおりです。 最近では少しマシになりましたが、アフィリエイターやひどいときには大企業までが、こうしたうつの人

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交渉の本質 アイツの判断による小手先のテクニックを追うな

なんだか久しぶりに会社経営と商いでも書いてみようかなぁ、ということで交渉の本質についてちょっとだけ触れてみましょう。 営業や交渉の現場において、例えばやり手の上司と同行するということがあると思いますが、そうした時に、アイツ目線でテクニックを盗もうとすると、小手先のテクニックばかりを習得し、結局すごい人材にはなれません。 実は社会のそうした現場でも、教える側としても「教えることと言えば…」ということになって、そうした小手先のテクニックを伝えてばかりいます。 しかし、こうした交渉のような局面では「交渉術」みたいなものな

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リアルポケモンGOみたいなコピー遊び

まああまり「リアルポケモンGOみたいなコピー遊び」のことを書くと変なのですが、一応書き記しておきましょう。 ある特定の場所には、気みたいなのが集まっています。というより集まるように設計されているといった場所もたくさんあります。もちろん自然そのままで集まっているところもあります。 よくパワースポットとかいう広告臭い仕掛けなんかで観光需要を高めようとしている人がいて、それにまんまとハマって「パワースポット巡り」みたいなことを群れでする人たちがいます。 で、そのパワーみたいなもの、それがそういった気の集まりです。 ただし

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戦争

現代の大きな戦争は、歴史的な研究の成果である。 曙光 180 「戦争」 こんな思想主義的なテーマのタイトルになるとは、といった感じですが、特別企画なので仕方ありません。 今の現代で戦争といえば、さまざまな歴史的な研究の結果、いろいろな主義ができて、その主義同士のぶつかり合いとして、無駄に戦うということが繰り広げられています。 まあ言ってしまえば、戦争は悪か否か、というようなことすら主義ですので、戦争についての意見自体が戦ってしまうという落語的な結果になっています。 しかし戦争は、その属する社会、個人の集合体をもって

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願望とは何だろう!

願望ってなんだと思いますか? なんてね。 さてさて、願望の定義なんてほとんどどうでもいいのですが、一応書いておきましょうか。 辞書なんかを引っ張っても 「望んでいること」 とかそんなレベルだと思います。 調べてみると 「願ってその実現を望むこと」と出ました。 比較的ポジティブに「不足に気づくこと」 願望というのは一応望んでいることには違いないのですが、99%くらい、比較的ポジティブに「不足に気づくこと」です。 望んでいるということは、今現在無いという認定であり、かつ、それが自分の幸福感にとって不足している対象だと考

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犠牲の価値

国家と君主から個人を犠牲にする権利(司法や従軍などの場合のように)を剥奪すればするだけ、一層自己犠牲の価値が高まるだろう。 曙光 374 まあこれはパラドクスのようなもので、自由を欲しながら、自由にストレスを感じるということがよくあるという感じでしょう。 忙しいと休暇が欲しくなるというのが普通だと思いますが、お金が無限にあったとしても、永久に休暇ばかりだと気が狂れてしまうという感じに近いです。 自己犠牲の価値という表現は面白いですが、人から命令されることや責任感や義務感を感じて生きている人たちは、自由が与えられる事

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秘密をもらす非難

「彼は人間を知らない。」― これはある人の口にかかると、「彼は世俗的なことを知らない」ということを意味する。他の人の口にかかると、「彼は異常なことを知らず、世俗的なことをよく知りすぎている」ということを意味する。 曙光 373 曙光を持って帰ってきましたので、曙光シリーズ再開です。 以前は 「本当のことを言ったほうが良いのかどうか?」 ということに迷う瞬間がありました。 なぜなら、場合によっては、本当のことを言うといわゆる「夢を潰す」ということになりますし、本当のことを言わないというのは、「間接的な嘘をつく」という

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不足感や願望は「過去からの因果」という思い込み

一月ぶりになりました。曙光シリーズを進めようと思ったら、実家に置いてきていたようでした。ということで、哲学カテゴリでも良かったのですが、あえて「うつ」テーマとして、根本的なことについて触れてみましょう。 だいぶ前に「ストレスは溜まるものではない」みたいなことを書きましたが、何となく意味は伝わっているでしょうか。 そんなものは実在はしないのです。そして、今現在、そうした思考なんかが再燃して今現在ストレスを感じているということや、そうしたことの繰り返しによる身体のダメージがあるだけで、ストレス自体が溜まっているのではな

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実践的対処法 身体側からのアプローチ

5月です。毎年だいたい3月頃に更新するのですが、今年は3月恒例のこの「うつ」カテゴリの更新ができなかったため、ゴールデンウィークを利用して更新します。 やっぱりカテゴリ別にみるとトップのアクセス数です。ということで3月更新に期待されていた方もいるかもしれないので、少し遅れてですが「うつ、もしくはうつ気味の方へ」に久しぶりに投稿してみることにしました。 毎度のことながら文献などの参照はしないまま今回は、意識から少し離れて実践的対処法として「うつ」に対しての身体側からのアプローチについて書いていきましょう。 意識レベル

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大浦湾 ジュゴンの見える丘から

ジュゴンの見える丘 2017

突然ですが、一月ほど前沖縄に行きました。 今まで生きてきて沖縄に行きたいと思ったことは一度もないのですが、何故かこれで三回目です。 沖縄自体は好きでも嫌いでも無かったのですが、どうも都市部での生活や自分の地元に嫌悪を抱いた人たちがドロップアウトする場所のイメージがあるので、あまり印象はよくありませんでした。 もちろん沖縄という場所自体、沖縄の人自体には何の問題もありません。 そこで現地に行って少し考えてみると、沖縄と京都は風土は全然違っても似ているところがあるんだなぁと思いました。 それについては後述しましょう。

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