ハイビスカス(hibiscus)は、アオイ目アオイ科フヨウ属の中で狭義には亜熱帯性をもつものを指すようです。挿し木で増えますが、寒さには弱いようで冬場には玄関に避難してもらいました。
比較的安価のため、越冬させることなく毎年買う人もいるようですが、それは、今現に生きているこのハイビスカスに申し訳が立ちません。
もともと暖かいところにいたのをわざわざ観賞用にと劣悪な環境に追いやるわけですから、自らの手で死を早めるようなことはしたくありません。
それでは我が家のハイビスカス、八重咲きと一重咲きのハイビスカスのご紹介です。
八重咲きハイビスカス
10月に咲いたハイビスカス(八重咲きオレンジ)。
このハイビスカスも、廃棄寸前で引き取った養子です。
八重咲きハイビスカス2015 開花
八重咲きハイビスカス
土砂降りの日に実は咲いていたようで、その翌日に気付きました。今もどんどん蕾をつけています。この昨年、この開花のシーズンが去って花が落ちたあとの廃棄寸前のところで我が家に養子に来ました。そしてその後、秋に花を咲かせました。
一年草で枯れてしまうというのならまだ理解できますが、ハイビスカスは一度このシーズンに花を咲かせて、数ヶ月経てばまた花を咲かせるのに、なんだか不憫です。
「安いからまた買おう」という価格での判断は人間都合です。
彼らの命とは関係がありません。
ハイビスカス サマーブリーズ サニーウインド(一重咲き)
ハイビスカス サマーブリーズ® サニーウインド
また違う品種の一重咲きのハイビスカスが開花しました。常夏系の島々のイメージのはずが、これだけ秋に咲かれては夏のイメージはどこにもありません。ハイビスカスは、アオイ目アオイ科フヨウ属の亜熱帯性ものを指すため寒さには弱いようで、この一重咲きの方のハイビスカスも冬場には玄関に避難してもらいました。
2014-12-15 室内に避難してからは、また蕾がつきはじめました。その後寒さから蕾は落ちてしまいましたが室内で越冬しました。
そして越冬後、またハイビスカスは開花しました。
サマーブリーズ サニーウインド 越冬後第一開花
2015-05-09 ハイビスカス サマーブリーズ 越冬後第一開花
昨年11月に一度開花した一重咲きのハイビスカスが、室内で越冬し、半年の時を経て開花しました。
12月に一度に蕾を付けたものの、その後は寒さからか蕾は落ちてしまいました。越冬後、表に出して追加の土と激しい初夏の太陽を浴びて、ここぞとばかりに咲かせました。
光量が増えた時に一気に元気になる様は、真夏をイメージさせる「太陽大好きっ子」な感じがします。しかしながらハイビスカスは真夏より、春秋によく咲くようです。
秋空の時と初夏に咲くのとでは趣が違いますね。
サマーブリーズ サニーウインド 越冬後第二開花
2015-06-14 ハイビスカス サマーブリーズサニーウインド 2015の二発目の開花です。
「南国の花」が日本の夏に負けるとき
「ハイビスカスは南国の花だから、暑ければ暑いほど元気に咲く」。そう信じているなら、日本の猛暑は彼らにとって過酷すぎるという事実を知らなければなりません。
実は、ハイビスカスの生育適温は25℃〜28℃あたりです。ハワイやタヒチは常夏の楽園ですが、貿易風が吹くため、日本の真夏のように35℃を超える蒸し風呂状態にはなりません。 特に、大輪で豪華な「ハワイアン系(ニュータイプ)」の品種は、日本の酷暑にさらされると、暑すぎて呼吸によりエネルギーを消耗し、花を咲かせる力を失ってしまいます(夏バテ)。真夏に花が止まるのは、彼らが「生きるために休んでいる」証拠です。日陰に移し、少し涼しくしてあげる優しさこそが、秋に再び満開の花を見るための鍵となります。逆に、小ぶりな「オールド系(在来系)」が日本の夏でも咲き続けるのは、彼らが過酷な環境に適応した野生の強さを残しているからです。
クレオパトラが愛したのは「偽物」か
「ハイビスカスティー」と呼ばれるあの酸っぱいルビー色のお茶。多くの人が、庭に咲いているこの赤い花(ブッソウゲ)を乾燥させたものだと思っていますが、それは大きな誤解です。
ハーブティーの原料になるのは、同じハイビスカスの仲間でも「ローゼル(Hibiscus sabdariffa)」という全く別の植物です。しかも、使うのは花びらではなく、花が散った後に残る肥大した「ガク(萼)」の部分です。 私たちが愛でている観賞用のハイビスカスには、あのような酸味もビタミンCもほとんど含まれていません。美しい花を見るための種と、体を癒やすための種。名前は同じでも、その役割は明確に分業されています。
なぜ、蕊(しべ)を空へ突き出すのか
ハイビスカスの最大の特徴である、花の中心から長く突き出した独特の器官。これは雄しべと雌しべが合体した「蕊柱(ずいちゅう)」と呼ばれる構造です。なぜ、これほどまでに長く伸ばす必要があったのでしょうか。
それは、彼らのパートナーが昆虫ではなく、「鳥(ハチドリなど)」だからです。 空中でホバリングしながら蜜を吸う鳥たちに対し、花粉を確実に体に付着させるためには、花粉のついた雄しべを空中に突き出し、鳥の頭や胸に触れやすくする必要がありました。あの優雅な曲線は、鳥類という空の使者を受け入れるために進化が描いた、機能美の極致なのです。
「一日花」という潔い生き方
ハイビスカスの花の寿命は、基本的にたった一日です。朝に開き、夕方には自らくるくると巻いてしぼみ、ポロリと落ちます。
これを「儚(はかな)い」と嘆く必要はありません。彼らは翌日に古い花を残さないことで、カビや病気を防ぎ、常にフレッシュな新しい花を咲かせるための代謝を高速回転させているのです。 一輪の花に執着せず、次々と新しい命を送り出す。過去を引きずらないその潔さ(いさぎよさ)は、終わりのない夏を生き抜くための、最も効率的なエネルギー戦略です。
肥料を貪る「女王」の食欲
次から次へと大きな花を咲かせるハイビスカスは、植物界でも屈指の「大食漢」です。水だけ与えていても、葉は茂りますが花は咲きません。
彼らは、私たちが想像する以上のスピードで土の中のリン酸やカリウムを消費しています。花が咲いている期間は、途切れることなく肥料を与え続けなければなりません。その美しいドレス(花)を毎日新調するためには、莫大なコスト(栄養)がかかるのです。美しさを維持するために浪費を厭わないその姿勢は、まさに女王の名にふさわしいものです。
アオイ科フヨウ属
アオイ科フヨウ属 木槿(ムクゲ)
最終更新日:






