ラベリング効果

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ラベリング効果とは、ラベリングされレッテルを貼られることで、そのレッテルに合わせるように心理が誘導されてしまうという効果。ラベリングが言語的媒介過程を通して学習、記憶に影響を及ぼすことがラベリング効果である。

「あなたは頭がいい」と言われ続ければ、本当に頭が良くなったり、「あなたはいい人ですね」と言われ続けていれば「良い人」であろうとする心が働くといった具合である。

ラベリング効果は、学習記憶に影響を与えるという形になるが、期待に沿うようにとラベリングされたことに合わせてに心や人格が誘導されるという現象であると考えることもできる。ラベリング効果がポジティブに出ればピグマリオン効果、ネガティブに出ればゴーレム効果といったイメージである。

それでは、ラベリング効果のついでに、「ラベリング」と「ラベリング理論」を概観してみよう。

ラベリング

ラベリング(labeling)とは、言語化、言語命名と呼ばれ、「事物を「同定」し記述するためにラペル(名称)をつける行為を意味する。刺激対象のラベリングを異なるようにしたり、同じにすることによって、対象間の弁別性や類似性認知を変化させる。その結果、ラペリングは概念学習や記憶を促進したり、逆に妨害したりする。

ラベリング理論

ラベリング理論(labeling theory)とは、「逸脱研究」の理論的立場で、「『逸脱』を逸脱行動や逸脱者の内的な特性からではなく、ある行動とそれに対する他者の反応の過程から理解する立場で、社会的反作用学派とも呼ばれる。1960年代後半~1970年代にかけて台頭した。

ラベリング理論以前の逸説諭では、「逸脱」を矯正すべきものと暗黙のうちに仮定していたが、ラベリング理論ではそれを否定する。ラベリング理論では、ラベルを付与する側とされる側の権威・威信の差異や権力関係を重視し、逸脱ラベルの象徴的機能に注目して、社会は秩序維持のためにある種の逸脱者を必要としていると主張する。

ベッカー(Becker,H.S)によると、「逸脱とは人間の行為の性質ではなくして、むしろ、他者によってこの規則と制裁とが『違反者』に適用された結果である。逸脱者とは首尾よくこのレッテルを貼られた人間のことであり、また、逸脱行動とは人びとによってこのレッテルを貼られた行動のことである」と示されている。

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Category:心理学

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