フィキシングソリューション効果(定着液効果)というのは、友人などを媒介して間接的に自分の評判を伝えることで、相手に好印象を与える手法のひとつである類似したウインザー効果の別バージョンのようなものとなるが、第三者媒介のウインザー効果との相違点は、相手がぼんやり思っていることを第三者がそれと同意見のことをこっそり言うと、「ほっこりする」というようなものになる。つまり、印象が強化されるというより確信になるというようなことになるだろう。
フィキシングソリューション効果は、忘れられてしまいそうな印象、ぼんやり「そうなのかなぁ」と思われているようなことを間接的に、相手に定着させるという意味で定着液効果とも呼ばれている。
以前書きましたが、フィキシングソリューションの前に、ソリューションという言葉やイノベーションという言葉をよく使うのは胡散臭いですからやめて欲しい(寒い。僕の勝手な違和感だが)。
ちなみに定着液(フィクサチーフ)とは、コンテでデッサンをした時などに吹きかける液体で、擦れて汚れたりしないように薄い膜をつけるために用いられるものであるということが、藤子不二雄A氏のまんが道にて鈴木伸一氏が語られていた。
フィキシングソリューション効果(定着液効果)による印象操作
さて、フィキシングソリューション効果(定着液効果)は、直接的に「私はすごい」と主張するより、自分のいないところで印象操作したほうが確実だということを示している。それだけではウインザー効果となるが、詐欺師はそれっぽい振る舞いをして、第三者に確信への誘導をやらせる、つまりチームでの操作を意図的に行うことがあるので注意が必要である。
たとえば、恐い印象の人が、ふと物思いに耽けている、感傷的な様を演じたあと、その友達に後日「あいつはああ見えて繊細だから」と伝えてもらうような手法がそれに当たるだろう(そんなことはモテテクの範囲である)。これも心を奪うという意味で一種の詐欺ではあるが、詐欺師は心だけでなく金品までも奪っていくからより一層ひどい。
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