「キャンペーンを一通り確認してからタイムカードを切りなさいという張り紙」について質疑応答コーナーにて軽く触れておきます(全く関係ないこともありませんでしたが、いただいたコメントの対象投稿が一応テーマ違いであるため、こちらに移動しました)。
なお、一般論にしか触れず、個別具体的な法律内容には触れませんのであしからずご了承ください。
キャンペーンを確認してからタイムカードを切りなさいという張り紙
ぼっすーさんこんばんは。
今回は法律に関する相談です。
私は今、某有名チェーン飲食店でアルバイトをしています。
アルバイト先は、店舗と待機場所が離れており、15歩くらいの距離の位置にあります。
出勤して働くまでの流れとしては以下の通りです。
1.店舗で待機場所の鍵を受け取る
2.待機場所で着替える
3.店舗に戻り、レジでタイムカードを切る
着替えは労働ということを前の営業のバイトで知っていたため、違和感を感じて働いていましたが、法律云々を持ち出すのはめんどくさがられるだろうなとか思ってあまり考えないようにしていました。
しかし、最近[全店舗でやっているキャンペーンを一通り確認してからタイムカードを切りなさい]という張り紙が待機場所のドアに貼り出されました。
皮肉にも、その隣には、[以下は労働基準法違反です!(省略)]という張り紙があります。呆れてなんか笑ってしまいました。
その一方で、そこまでさせるなら!ということで考えないようにしてこなかったことと向き合うことにしました。
調べたところ着替えは過去の判例で指揮命令下におかれているもの=労働時間とみなされています。
張り紙に関しても直接店員から言われていないものの、明らかに命令です。
フランチャイズで定められている就業規則も確認しました。どこから労働なのか、タイムカードを切るタイミングいつなのか、一つも記載がありませんでした。
店舗のマネージャーに聞いたところ、どれも労働基準法に違反していることを認めました。
しかし、タイムカードに関してはレジにあり、食品を扱うため衛生面上するなと言われました。そのくせ、待機場所の鍵は客に取られないようにレジの隣にあります。
なんで鍵はよくてタイムカードはダメなんだってますます思ってしまいました。
張り紙に関しては、どう読んでも強制するような記載なのですが、(まあ自分の主観であるため他の人からはどうかわかりません。)
張り紙を貼った側の意図としては強制するものではないと言いました。あくまでも、お客様のためにそういうことをするのが当たり前ですよという勧告だそうです。
でも法律上はだめなんやろ!ということで次の出勤から私はレジで堂々とタイムカードを切ろうと思っています。
これでクビにされても全然いいですし、クビにした理由次第ではありますが、その行為自体が法律違反です。
とはいえ、もともと臆病なのでちょっと怖いです。人からまた変な目で見られるようになるのではないか、ケチな人間と思われるのではないか、法律の問題を取り上げることで逆に自分に非があったらどうしようということが頭をよぎります。
じゃあわざわざなんでこんな行動を取ろうとしたのか、分析してみました。
仕事に不満があるということ、俺は法律についてちょっと知っているということを見せつける自尊心、新しいことに挑戦したいという向上心があることに気がつきました。
こうして書いているうちに自尊心を満たすことに付き合う必要はないので最適解として今のバイトを辞めれば全て解決じゃんとなってしまいました。
まあまあ、たしかにやめてもいいですが、シフトを比較的融通してくれることと、今バイトを辞めると他のバイト先が見つからないのではという恐怖心があります。
とにかくやめるやめないという話は置いておいて、行動をとった時の話です。
何かそれに対して言われたら、同じように屁理屈で対応していいのでしょうか?法律な素人なりに考えた結果完全にこちら側の勝ちだと思っているところがあります。僕にとって法律上不利になり得ることはありますでしょうか?また、その前にしとくべきことはありますでしょうか?やはり労働基準監督署に出向いて一度相談してから行動を取るべきなのでしょうか?
こんな話をここでしたらいけないのでしたら、遠慮なく削除願います。また、法律の問題ですのでもっと詳細な情報がいるかと思います。コメントに困られると思われます。ご迷惑をおかけします。それでも、もしよろしければ、言える範囲のことをいただければとても嬉しいです。
御高覧ありがとうございました。
ご回答
黙っていると思って調子に乗るな感が生まれるというのはよく理解できます。ただ、居心地を含めた労働環境等々総合的な面から考えると、あまりガチガチの論理で行くことは賢明ではないと思います(といっても法的な構造を考えたり調べたりすること自体は思考鍛錬にもなるので良いことであると思います)。
店舗のマネージャーさんは問題点をある程度ご理解されていると思いますので、張り紙作成者の方への「間接的な助言」をマネージャーさんに助言されるくらいで良いのではないでしょうか。
張り紙を作成された方は、単によくわからないままそんなことを書いたのかもしれませんし(それはそれで若干の問題があります)、ちょっとした人件費をケチろうと意図的に書きつつ、「任意」という言い逃れをするために張り紙にしたのかもしれません。
邪推すれば「そうした感じでジワジワと自己都合を押し付けてくる」という推測が立ちますが、そうしたものを作る人がまだ完璧に全てを把握しているわけではなく、まだ無知で成長段階にあるのだという「温かい目」を持つこともできます。
本来は労働組合が取り扱うような事柄でありそうなものですので、労働組合に伝えてみても面白いかもしれません(うまく解決してくれるかもしれませんし、「組合員じゃないのに連絡してくるな」とか「そんなことは構ってられない」と突っぱねてくる可能性もあります。もしくは、関わってくれたは良いものの、「アルバイトでも入れるよ」と労働組合の勧誘に出くわすかもしれません。いずれにしても労働組合のその実際が見えてくるでしょう)
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「仕事に不満があるということ、俺は法律についてちょっと知っているということを見せつける自尊心、新しいことに挑戦したいという向上心があること」
という点については、もしかすると、一般的な自尊心というものよりも、今後同様の不満が残る職務上の取り決めと出くわした時への一種の恐怖心とそれを乗り越えるための確信のようなものを求めているというものが潜んでいるのかもしれません(同じような出来事はおそらくどこの職場でも起こり得ることであると思います)。
それ自体は自己保存のために当然に起こることであるため、それはそれで自然に起こることですし、本件に関しても「総合的にうまくやること」に関して良い訓練であると捉えることもできます。
法律上は正当性があっても、権利義務の範囲ではない温情で成り立っている部分が無くなってしまうという点を含め、親和が崩れて仕事自体がやりにくくなり、同じ時間を過ごすにしても不快感が増すということも起こりえます(だからといって一から十まで変なものを受け入れる必要はありません)。
一応権利義務の関係上「法的に義務のないことはしなくても良い」という論理を持ち込むことはできますが、余白がない状態となると、タイムカードの部分に関しては大丈夫でも、それ以外の部分で法律上の問題を指摘される場合もあります。
「思ひがけずも師を労はしむるは」で少し触れていましたね。
もし何か行動を起こすとしても、自分にも不満が残らず気分良く解決するということを試してみて良いのではないでしょうか。
月並みですが、旅人のマントを脱がせたのは北風ではなく太陽であったように、自然に改善されるようなそんな方法を見つけてみてください。
もしくは「義務が無いのだから読まない」と、張り紙の内容をスルーして終わっても良いような気がします。
常に感情を静め、理性を保って理性的に対処していただければと思います。「冷静に」というよりも、どうすれば楽しく、面白く解決することができるかという感じで検討してみてください。