ゴーレム効果とは、期待された通りに悪い方になってしまうという効果で、「馬鹿だ」と言われ続ければそうした期待通りに馬鹿になっていき、「ダメ人間だ」と言われ続ければ本当にダメ人間になっていくという効果。消極的な期待のとおりに、成績やパフォーマンスが低下するという心理効果である。
言葉によって期待されたりしながら「期待される通りにそのような人間になっていく」というピグマリオン効果がネガティブに働いた場合を指し、周りの人間の期待と「成績や人格の形成」に因果関係があるのならば良い方にばかり働くのではなく悪い方にも働くということを示す。
「ネガティブな期待」の通りに成績やパフォーマンスが低下
ゴーレム効果により「ネガティブな期待」の通りに、成績やパフォーマンスが低下する。よって、「期待されていない場合」には、「期待されていない通りの人間になる」ということにもなる。
周りから「馬鹿だ」とか「ダメ人間」だと言われ続け、そうしたレッテルを貼られると、期待されたとおりに馬鹿になり、ダメ人間になるというのがゴーレム効果である。これは外部からの期待や評価だけでなく、自分が自分自身に持つイメージやセルフトークでも同じことが起こる。
セルフトークで強化されるゴーレム効果
ゴーレム効果は「他人から期待される通りの人間になってしまう」というのが基本だが、「オレってだめなやつだなぁ」とか「私ってダメ人間ね」というようなことを口癖にしてしまった場合でも同様の効果が生じてしまう。「俺バカだから」的なことを言い続けていると、本当に頭が悪くなってしまうということになる。「疲れた」と言い続けているとさらに「疲れた人間」になるのでより一層苦しさは増す。
他人からの期待を含めて自分が自分に持つ「自分像」にレッテルを貼ってしまうとそのとおりの人物像になるように働いてしまうので、こうした口癖は避けたほうが賢明である。
ゴーレム効果を呼び起こすような否定的なものは避ける
そうしたレッテルを強化するという意味では、口癖を含めて広い意味でのセルフトークがゴーレム効果を加速させてしまう。
これは心でつぶやく声や実際に口にする口癖だけでなく、インターネット上に文字として書き起こす場合にも起こるため、ゴーレム効果を呼び起こすような否定的なものは避けるほうが自分のためになる。プロフィールへの記載はもちろん、投稿などでも自分にレッテルを貼るのは避けたほうが良い。
なお、他人へのコメント書き込みであっても無意識は他者と自分の判断ができないため、その言葉に自分が影響されてしまうので要注意である。
ゴーレム効果への対応と対策
ゴーレム効果を防ぐためには、そうしたネガティブな期待・レッテルに影響されないようにするのが有効的である。しかしながら、「否定形を用いても単語の概念に縛られる」という感じなので、頭の中で「馬鹿じゃない」とか「ダメ人間じゃない」と打ち消そうとしても、逆に信念が強化されかねないという現象が起こる。
また、外部からの期待や評価に対して抵抗を持つこと自体が、一種の肯定という構造を確立してしまうため、外部からのレッテルは無効にするのが最も良い。
仮に周りから「ダメ人間」だと言われようが、そうした言葉や期待がかけられた場合は、ヴィパッサナー状態に入り「音」とか「妄想」とラベリングし時空の彼方に飛ばすと良いだろう。
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