アフォリズム 1011-1020
- 1011.頑固者
- 1012.特に変化しない現実への評価
- 1013.知識人の蘊蓄
- 1014.信号待ちの微笑み
- 1015.一種の是正的愛
- 1016.究極の笑い
- 1017.未練への爆笑
- 1018.難しくすること
- 1019.勝手に巡る思考を止める裏技
- 1020.これまでの全てを「無かったこと」に
1011.頑固者
やたらと現実への対処ばかり気にして、観念や意識の向きを固定化するのはやはり馬鹿らしく、また、厚かましいね。
1012.特に変化しない現実への評価
もっと良い状態になりたいのになかなか変化しない現実への評価は「爆笑」である。それは僻みや落胆の類ではなく、「この現実がどうした?」という意味での爆笑である。
1013.知識人の蘊蓄
知識人の蘊蓄は、ほとんどの場合ただ偏見を形成し、見る世界を狭める方にしか働かない。とりわけ社会的な統計など、私の世界には関係がない。
1014.信号待ちの微笑み
彼女らしき人物を後ろに乗せたバイクが姿勢を少し崩した時、「そうそう、そんな感じでぴったりくっついて話をしていると、発進間際はその姿勢になる」と、こちらが嬉しくなる。
1015.一種の是正的愛
理不尽を経験した者にしかわからない笑いをあえて表現することは、理不尽を経験した者だけを笑わせることによって一種の是正を図っているという意味で、ある種の差別的要素がありながら理に適った愛の表現となる。
1016.究極の笑い
究極の笑いというものは、おそらく世間を激怒させてしまうようなものになるだろう。
1017.未練への爆笑
多少なりと未練がましかったような時を思い返すと我がことながら爆笑してしまう。
1018.難しくすること
「難しく考えた方が値打ちがある」と思っていると、自作自演の困難を感じることになる。
難しく考えても、難しく考えなくても、特に結果に変わりはないとすれば、考えて苦悶することは無駄な苦しみとなる。
1019.勝手に巡る思考を止める裏技
野放しにしていると思考や判断は勝手にどんどん巡っていく。それを止めることができれば悩みはどんどん消えていく。しかしそれをわかっていながらも止めることができない。
しかしながら裏技がある。
それは思考を停止すること以外の思考を停止させるということである。
思考が止められなくても、「思考を止める」ということだけを思考していれば、抵抗が起こりにくい。
思考を停止することができないのであれば、思考を停止させることだけを思考するということになる。
人によっては、最初は頭が暴れるだろう。
ただ、暴れ馬の手綱を握るということはそういうことである。
そのうち手綱すら必要なくなっていく。
1020.これまでの全てを「無かったこと」に
これまでの全てを「無かったこと」にする勇気はあるかい?
嬉しかったこと、楽しかったことはもちろん、どのような頑張りも、辛さを乗り越えたことも、すべてを「無かったこと」にするのであれば、どのような世界も選んでいけるよ。