アフォリズム 1-10

アフォリズム 1-10

  • 1.環境コントロールの結果
  • 2.役人の喜び
  • 3.具体案への同意
  • 4.狂気への感染
  • 5.英雄への憧れ
  • 6.芸術家の自惚れ
  • 7.設計と人格
  • 8.語学への評価
  • 9.幼少期の共通心理
  • 10.祖母の胎内

1.環境コントロールの結果

その合理性は、環境コントロールの結果であるかもしれない。そして環境コントロールはマインドコントロールの一つの要素であることを忘れてはならない。

2.役人の喜び

「望む場合はチェックを」から「望まない場合はチェックを」と表現を変えて数字の体裁を整えたところで、喜ぶのは役人か、役人のような人間だけである。

3.具体案への同意

抽象的な理念には同意したとしても、それを具体化したときに出てくる案に同意したわけではない。

4.狂気への感染

金銭や権力が、組織の上に立つものの精神を破壊する。狂気により始まったものでなくとも、自ずと狂気に感染していく。

5.英雄への憧れ

物語の中の英雄に憧れ、結局敵の中の末端の人間ような人格に成り下がっている者が少なくない。

6.芸術家の自惚れ

確かに芸術家として、他人を気にせず創作し、そしてその創作物が誰か一人の心をつかめば、― それが実業家や他の著名な芸術家であるのであれば、― 芸術家として社会的にも成功とみなされる場合があるだろう。

しかしながら、だからといってその創作物が、人類の宝というわけでもないし、それに共鳴した人物以外にとっては、何の価値もないということは枚挙に暇がない。

それでも何かしらの評価をされるという場合、それは金銭か、その名による広告的価値に群がっている者が価値の空間を仮想的に作り上げているにすぎない。つまり欲の空間がもたらした幻影にしかすぎない。

7.設計と人格

「誰が設計したのか?」という言葉をもって、人格を忍ばせるということは詭弁の要素が含まれる。

8.語学への評価

標準語圏以外の者が標準語を使えてもそのことに驚かないように、外国語を使えてもそのことには驚かない。語学に対する評価はその程度である。

9.幼少期の共通心理

様々な作品の中に見出す喜びの一つは、多種多様な生き方の中に潜む普遍性である。外国の絵本に描写される児童の心理を見つけるたびに微笑ましい安心感が生ずる。

10.祖母の胎内

細胞レベルで考えれば、自分が生じたのは母が胎児の頃ということになる。つまり母方の祖母の胎内にいたということにもなる。

それが原因かはわからないが、自分自身としては母方の祖母からの影響は大きい。

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