ふとした恐怖心から先手を打つという感じになるのか、予防策を講じる人が出てきたり、何かがうまくいかないことを「言い返しにくいような理由」を用いて当たってくる人がいたりします。
まあそうしたものの奥にあるものは恐怖心なので、下手に抵抗せずに安心してもらうのが先決ということになりますが、何かしらを譲る必要はありません。
可能であればできる限り安心してもらい信頼を得て、意志や立場を理解してもらうのが理想的です。
高卒一般職 VS 大卒総合職
これは新入社員として研修を終え、支店勤務となった時のことです。
大きな企業にありがちですが、現場には高校卒業で入社された年配の一般職の方々がいたりします。その他転職組の方々もいましたし、専門卒の一般職の方々もいました。
そうした方々の中に、味方がいないような状態で大卒総合職として入り込むと、一気に叩き潰しかのような待遇を受けることがあります。僕たちの知らないところで長年の軋轢があるのでしょう。
新しく入った僕たちはのほほんとしたものですが、相手は相手で「調子には乗らせないぞ」という意図を持っており、初対面が威嚇から始まってしまうということがあります。
こうした場合、やはり数が多いほうが優勢になりがちで、少ない方はよほどの力がないと飲み込まれてしまいます。
とりわけ僕の場合は労働組合の加入を拒否したことにより、一気に敵とみなされてしまいました。
労働組合未加入の理由については、かつてのバイト先の上司が不当な賃下げをされた時の労働組合の対応を見ていたことから「金をむしり取られるだけだ。弁護士費用を貯めておいたほうが合理的だ」と思ったからでした。が、その方々としては、「会社側であり、労働者の敵である」という印象を持ってしまったようでした。
優等生じみた回答
そういうわけなので、とりわけ高卒一般職の方々から、
「いつから俺らを顎で使ってくれんのかな」
というようなことを散々言われたりしました。
というようなことをかなり上の人に相談すると、
「そんなことばっかりしてるから現場止まりなんや。俺も高卒やぞ」
と言っていました。
そんな折、「君から見て高卒一般職はどう映っているのか?」という事を言ってくる人がいました。
ひとつのチャンスかと思い、次のようなことを言いました。
「例えば、僕と同世代の高卒一般職の方がいたとしましょう。すると、通常では現場経験に4年のアドバンテージがあります。マニュアルやインターネットでは確認できない実務について、僕たちは教えてもらわなければならない立場です。現場においてある仕事をこなすという面においては、頼りにさせてもらわなければなりません。
しかし、その後役割に応じて対象となる業務が違ってきたとします。その時は、かつてお世話になった分自分たちのできる力をもってお力添えをさせていただければと思います。いつどういった形で、それらが枝分かれしていくのかはぼくにはわかりませんが、どのような形になっても、それぞれの役割に応じて相互に力を合わせていければと思います」
「さすが優等生やな」
という言葉の後、
「一日でも早く俺らの上司になってくれよ」
という言葉をもらいました。
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な恚給ひそ。
安寧たる所を共に作らん。
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