スティンザー効果(スティンザーの3原則)とは、アメリカの心理学者スティンザー氏の研究による「小集団における心理的効果・原則」で、主に会議中の心理の法則である。次の3つの原則で示されるため、スティンザーの3原則と呼ばれる。
①会議の時に正面に座る人は、反対意見を持つ人、過去に激しく口論になった人が多い。
②会議の時に、ある発言があった後、次に発言する人は意見に反対である場合が多い。
③会議の議長の主導権が強い場合は、隣同士の人達の間で私語が多く、主導権が弱い場合は、正面に座る人同士の私語が多い。
スティンザー効果(スティンザーの3原則)は、基本的には会議における法則になるが、コンパや友人との集まりにおいてもどの席に座るかによって関係性が見えてくる場合がある。
スティンザー効果・3原則の裏をかく
ただこれらは、あくまでスティンザー効果(スティンザーの3原則)を全く知らない人たちの間の自然な状態でのみ通用する法則になる。
こうした法則を知っている人達の間にあっては、何かの思惑を元に、意図的にそうした位置に座ったり、逆に座らなかったり、すぐに発言したり、ワンクッション置いてから発言したりということも起こりうるからである。
嫌っていることを悟られないようにしようとか、逆に相手に心理的プレッシャーを与えて混乱させようというような意図がある場合は、法則性が崩れるという感じになる。
「正面に座る人は、反対意見を持つ」という相手の推測からあえて正面を避ける
例えば「会議の時に正面に座る人は、反対意見を持つ人、過去に激しく口論になった人が多い」という面から、対立していることを見抜かれないようにと、あえて正面を避けるということが起こる。正面に座ると理性的に話ができるが、対立しているという印象も与えかねないのであえて避けるといった具合だ。
これは基本的に人間は理性ではなく感情で動いているため、こうした敵対の構図は相手に不快感を与えかねないことを「知っている」という場合である。
腹の中では相手を嫌っていたとしても、相手に権限があり何とか自分の思惑に沿うようにという意図がある場合、スティンザー効果・スティンザーの3原則の裏をかく形であえてそれを避けるということが起こりうるということである。
「ある発言の次に発言すると嫌われる」という思いからあえて誰かが先に発言をするのを待つ
「会議の時に、ある発言があった後、次に発言する人は意見に反対である場合が多い」という原則を相手が感覚的にでも知っている場合であれば、「今すぐに発言すると反対者だと思われて嫌われてしまう」ということを推測するため、あえて誰かが先に発言するのを待つという事が起こる。
そう考えると、会議や集まりの構成員が「スティンザー効果(スティンザーの3原則)を知っているかどうか」といった面が原則を崩す要因になり、さらに複雑な「腹の探り合い」が始まることになるだろう。
知識として知らなくても経験則的に把握している場合も同様である。
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