冬ということで、皆さんの地域ではどうなのかわかりませんが、まあたいていの地域では灯油の携行販売車が、大きな音楽と宣伝文句を流しながら街を爆音の嵐で包んでいるかと思います。
この爆音の灯油販売車は撃退することができます。少なくとも京都府内ならばできます。
なぜなら条例違反だからです。
ではまずあのうるさい灯油販売車の爆音の宣伝音が違反である根拠となる案内を。
商業宣伝を目的とした拡声機の使用の規制
商業宣伝を目的とした拡声機の使用の規制について
京都府環境を守り育てる条例(以下、「条例」という。)では、商業宣伝を目的とした拡声機の使用について、特に静穏の保持を必要とする区域での使用禁止や、それ以外の区域での使用方法等について定めています。
1.拡声機の使用禁止(条例第56条第1項)
何人も、病院、学校等の周辺その他の特に静穏の保持を必要とする区域として下記に掲げる区域の施設の敷地の周囲50メートルの区域においては、商業宣伝を目的として拡声機を使用することは条例で禁じられています。
(ただし、祭礼その他地域慣習となっている行事に伴い使用する場合を除く。)
簡単に言えば、あの灯油販売の車が撒き散らす爆音の音楽と音声案内は条例違反ということになります。灯油の移動販売、携行販売、巡回販売という行為は大丈夫でも、あのクソうるさい音楽と音声は「商業宣伝を目的とした拡声機の使用の規制」の対象となり、京都府下であれば「京都府環境を守り育てる条例」における条例違反だということです。
灯油販売の車の音は、学校の近くだけでなく以下の規定により、だいたいの住宅街ではこの条例の規制が当てはまります。
移動販売で灯油を売りに来るというところまではいいですが、商業宣伝を意図して住宅街に爆音を響き渡らせるというところが問題です。れっきとした条例違反なので、通報しましょう。
拡声機の使用時間等
爆音の灯油販売車は、うるさい音楽と音声による宣伝で付近住民の平穏な生活を害しています。
灯油販売車は、緊急車両等でもなんでもありません。住宅街において、寝ている人を起こすほどのうるさい音量で、営利目的で移動販売をしているというだけになります。
「商業宣伝を目的とした拡声機の使用の規制」に確実に引っかかる音量です。
条例による音量の制限は次のとおりです。
3.拡声機の使用時間等の遵守規定(条例第56条第3項)
上記以外で、拡声機を使用する場合は以下の規定を遵守しなければなりません。
午後8時から翌日の午前8時までの間においては、拡声機を使用しないこと(飲食物の販売を目的とする移動式の店舗により移動して一時的に拡声機を使用する場合であって、周辺の人の健康又は生活環境に係る被害を生じるおそれがないときを除く。)。
幅員4メートル未満の道路においては、拡声機を使用しないこと。
地上10メートル以上の位置で拡声機を使用しないこと。
同一場所において拡声機を使用する場合は、毎時15分以上の休止時間をおくこと。
50メートル以内の距離で同一の営業者が2以上の拡声機により内容を異にする放送を同時に行わないこと。
拡声機から発する音量は、下表に掲げる音量以下とすること。
第1種区域午前8時から午後6時まで 55デシベル
午後6時から午後8時まで 50デシベル
ここでいう第1種区域とは、第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、田園住居地域なので、普通の住宅街ならば第1種区域に該当します。
まあ簡単に言うと、普通の住宅街ならば「商業宣伝を目的として」55デシベル以上で音声を流すなということです。
で、この55デシベルという数字ですが、人が外で立ち話している程度の音量です。
あんな灯油の販売車の音ならば必ずアウトです。
朝っぱらから爆音の「雪やこんこ」風の音楽や「垣根の垣根の曲がり角(たき火)」系の音楽を垂れ流し、おっさんの声で宣伝されるのは迷惑です。起きていても迷惑ですが、仮に夜勤などをしている人であれば、せっかく眠れたと思ったら、灯油の携行販売車の音で起こされる、という事が起こってしまいます。
子育て中の人でも同様ですし、高層ビルテナントならいざ知らず、家で仕事をしている人や小さな会社では仕事のじゃまをされ、時に電話対応が阻害されるということも起こります。
もし万が一灯油販売者から灯油を定期購入しているというような人であれば、「家の前に停車しているときくらいは、そのうるさい音楽を消してもらえますか?近所の人からクレームが入っているんです」と言ってください。
といっても、灯油を購入もしていない、つまり世話にもなっていないのに家の前でうるさい音楽とおっさんの声を垂れ流されている人たちは完全に被害者です。
うるさい灯油の販売車を撃退しよう
人の迷惑を一切考えない爆音垂れ流しの灯油の販売車を撃退しましょう。
で、撃退するとなると、直接その会社にクレームとかそういうことを考えそうですが、そんなことをしてもあまり意味はありません。
あの音量で爆音を撒き散らす灯油販売車の運営会社は、平気で人に迷惑をかけるような会社ですから、そんなクレームくらい想定内です。なんやかんやで逃げていくでしょう。
通報準備
そこで灯油の携行販売車の撃退法ですが、まず、その車がいつもやって来る時間帯を控えておいてください。そしてできることなら、その車のナンバーと業者名を控えておいてください。
- 灯油の携行販売車が来る曜日、時間帯などを控える
- 灯油の販売車のナンバーと、できれば業者名を控える
通報
準備ができましたら、行政に通報です。京都ならひとまず京都府に連絡すれば、管轄の部署の連絡先を教えてくれます。
少したらい回しにされるかもしれませんが、そこは我慢してください。
担当部署に、上記条例を根拠に通報すると伝えてください。
うるさいくて困っているという点を伝えてもいいですが、堂々と「違反業者」を通報するという姿勢で行ってください。
「悩み相談」みたいな形ではなく、京都であれば
「京都府環境を守り育てる条例56条に基づく違反行為の通報です。対応してください」と伝えましょう。
何でもそうですが、行政機関等は「相談」と言うかたちにすると、相談で終わってしまいます。
「相談には応じました」ということで、それっきりになる恐れがありますので、条例違反を根拠に通報しましたという旨で話を進めてください。
ということで、
「条例違反の業者がいるので処分してください」と伝えてください。
おそらく、「走行しながらなら、55デシベルかどうかが何とも言えない」とか言ってきますから、「灯油購入者が近くにいるため、その灯油販売の対応中は停車しながら、音声を流し続けている」と伝えればいいでしょう。
大抵の場合は、業者がわかれば、電話や訪問で行政指導を行ってくれます。
わからない場合は、車のナンバーを伝えてください。
「ナンバーだけでは、警察でないと分からない」とか言ってきますから、警察に連絡してもいいでしょう。
「車のナンバーを伝えたのですが、警察でないとわからないと言って行政が対応してくれません」といえば、警察の方も「行政の方から、条例に基づく違反業者の照会だという旨で連絡をしてくるように言ってみてください」という返答をくれます。
そうした警察の返答を行政に伝えましょう。
そうすると行政と警察で灯油販売業者を調べてくれます。場合によっては、張り込みをしてくれます。
で、張り込みとか現地調査とかで、現行犯か、証拠を押さえて行政指導です。
この行政指導が入ると、少なくとも、家の近くでは音を消すようになります(実際に我が家付近ではそうなりました)。
もしまた爆音で灯油の販売の音楽を流すようなら、また行政に通報です。
通報先の行政も、何度も対応するのが嫌なはずなので、おそらく二回目は厳しく指導すると思います。
そんな感じで、人の迷惑を一切考えない爆音垂れ流しの灯油の販売車を撃退しましょう。
通報先、参考ページ
京都府環境を守り育てる条例 商業宣伝を目的とした拡声機の使用の規制について(京都府)
ちなみに対処にあたっていただいたのは、結局行政としての「京都府」ではなく「京都市」の方でした(京都市においては「環境共生センター」さんです。なお、市内でも管轄によって通報先が異なるようです)。
警察や行政に通報する時の注意点(補足)
稀に警察担当者や行政担当者の中にはそうした条例のことを知らず「ただの迷惑行為の相談だから適当に終わらせよう」という認識で対応してくる人もいます。
灯油販売車が垂れ流すうるさい爆音について連絡したところで、「条例違反に関する通報である」という認識がなく、市民相談的な認識で曖昧に終わらせられてしまう場合があります。
また、認識の面でもそうですが、全ての職員さんが万能というわけではなく、担当者の人の問題解決能力に依存している面も否めません。「通報を受けたところでどういった形で対応すればいいのかわからない」という場合もあるくらいに思っておいて、解決方法を共に生み出すくらいのほうが無難です。
「そこまでしなければならないのか?」とも思ってしまいますが、警察にしろ行政にしろ「次々に登場する条例や法改正をすべての人が網羅しつつ、解決策をマスターしていると考えるほうが望みは薄い」という感じで思っておきましょう。
灯油の携行販売車が家の周りでうるさく活動しだした時は、感情面だけで「助けてください」というふうに連絡するだけでなく、「条例違反に基づく通報である」ということを相手にもしっかりと伝えておくほうが事はよりよく進むでしょう。
「灯油の販売業者がうるさい」という事実を伝えるのはもちろんですが、「悩み相談」として処理され泣き寝入りで終わらせられないためにも「その行為は条例に違反しているため、取り締まることを要請する」という旨を伝えねばなりません。
具体的には「灯油販売車の宣伝音楽と宣伝文句の音量を計るという行為」が必要になったりすると思いますが、仮に行政担当者が測りに来るとしても、いつも灯油販売車がやってくるような「だいたいの曜日と時間」とやってくる場所としての「住所」の連絡が必要になります。
行政はめんどくさがりなので「計器を貸すからおたくで計測してください」などと言ってくるかもしれませんが、
「民間人が一回計測しただけで証拠になるのか?
複数回の計測が必要だとなれば、しばらくは何度も何度も我慢しろということか?
あなた達がやりなさい」
と伝えればいいでしょう。
条例違反の通報の結果
なお、最初は若干の「たらい回し感」はありましたが、京都府の担当者の方は、現場の張り込みもしてくれましたし、一応きちんと対応してくれました。
その後も毎週のごとく灯油販売車は家の近所にやってきますが、一応我が家に近づいた瞬間にスピーカー音量をかなり絞る、もしくは音を止めるようになりました。
少し離れた近所の家の人達は現役で被害に遭っている状況かもしれませんが、少なくとも我が家付近では灯油の携行販売の業者側も宣伝音を極小にするようになりました。
理想としてはこうした業者を利用しないのが一番ですが、暖房を灯油に依存しており、かつ、移動手段や購入時間、はたまた足腰といった体の関係で灯油を買いに行けず、こうした灯油の携行販売を利用せざるを得ない人もいると思います。
が、そうした場合でも、「最低限家の前で対応している時は音を消すか小さくしてね。近所の人に迷惑だから」といったことくらいは伝えておくべきだと思います。
「大事な仕事の話をしている最中、会話内容が宣伝文句でかき消される」ということも起こったりもします。
さらにそれ以上に世の中には、闘病中の人、夜勤明けで寝ている人、夜泣き等々で睡眠不足の子育て奮闘中の人たち、そしてお休み中の赤ん坊だっているのです。
一業者が営利だけのためにそうした人たちの生活を邪魔してはいけないということが条例の意図であると解釈することができるでしょう。
心地よい静寂が訪れる社会になりますよう。
数年を経て再び爆音を響き渡らせる灯油販売車がやってきた
上記通報を行ってから数年間は静かでしたが、灯油販売者の担当が変わったのか2019年の末頃にもうるさい音楽とおっさんの声による爆音を響き渡らせ始めました。
なので早速通報です。
まずは、灯油販売車を追跡し、車体と車のナンバー、車体に書かれていた社名を写真で控えた上で、業者と接触しました。
「条例違反なこと知らんの?」
「知りません」
ということだったので、
「通報しとくわ♡」
という感じで穏便に去りました。
爆音の灯油販売車が来た「曜日」と「時間」と「車のナンバー」、そして今回は接触時に発見した「業者の社名」を行政に伝えました。
「では、来週の同じ曜日、同じ時間に張り込みをさせていただきます」
ということで、そんな感じで対応してもらう流れになりました。
と思った矢先、行政から電話がかかってきました。
「以前通報を頂いて一度行政指導を行った業者と同一のようでしたので、今回ご連絡いただいた内容を元に直接業者の方に連絡を入れてみます。手間を省くようで恐れ入ります」
という感じのようでした。
ということは、
「知りません」ではありません。
嘘なら嘘で悪意がありますし、本当に担当者レベルでは知らないということは、管理者の方に責任があります。
まあそんな近隣住民の迷惑を考えないような灯油の携行販売業者など、その程度だということです。
別の灯油販売車がやってきた
上記の通報を行った後、当の灯油販売業者は姿を消しました(というより音を消すようになったので、気づかないようになったという方が正しいでしょう)。
しかしながら、同じ曜日にまた別の灯油販売車がやってきました。
またまた爆音で宣伝音楽を垂れ流していたので、接触を試みました。
前回の行政とのやり取りの中で、実際に灯油の携行販売・巡回移動販売業者に大して行政指導を行った旨のご報告を受けた時「また続くようであれば、すぐにご連絡ください」というお言葉を頂いていたので早速です。
「このうるさい宣伝さ、条例違反なんやけど知らんの?」というと、またしても、
「知りません」
ということだったので、
「通報しとくわ♡」
という運びになりました。
対策がスムースに行くように、灯油販売車のドライバーに社名と会社所在地を聞き出したりもしておきました。
すぐに行政に通報しましたが、今回は灯油販売車のナンバーが京都府外であり、会社所在地も京都市外だったので、管轄の問題でいつものようには対処ができないということのようでした。
しかしながら担当者の方は「管轄外などを見越してやっている可能性もありますし、それが抜け穴となってやりたい放題にされるということは行政としても見逃すことができません。必ず対処しますのでお時間をください」と本気です。
結局、支店は京都市外で、本社は車のナンバーの通り京都府外だったようですが、電話連絡による指導が入ったようです。
「本社は管轄外でしたが、条例違反に該当する旨を電話連絡をしておきました。『担当者を指導します』という旨の回答が返ってきましたが、同じ曜日に巡回しているようですので、また音量が大きくうるさいようでしたらすぐにご連絡いただければと思います」
という感じでご報告を受けました。
今回も即日対応していただきありがたい限りです。
こうしたうるさい灯油販売車に関するトラブルは対業者という感じですが、対個人のトラブルとして隣家・近隣住民の足音や振動といった騒音の問題があります。そうした個人間のトラブルへの対処について。
最終更新日:
頑張られていますね
うちの近くに来るsにも同じ手を使えますかね
幸い?s以外の灯油巡回販売は来ませんし、廃品回収もきません
sがいなくなれば天国です
この冬はコロナで在宅することが増え、図書館などの公共施設も完全には開いてないので逃げ場がありません
私は「関係ない人間への迷惑の上に成り立つ」というビジネスモデルが最初から破綻していると思っています
爆音など鳴らさずに灯油を販売するなら何の不満もないのです
灯油の需要は一定数あると思いますが、ネットや電話で注文する人が増え、儲からなくなればsはすぐに撤退するはずです。その日が待ち遠しいです。
ちなみに私はsから灯油を買うか、凍死するかなら迷わず後者を選びます
(固有名詞はイニシャル変換させていただきました)
おっしゃる通り、灯油の巡回販売自体は特に問題がありませんが、その場所にいる様々な人々の都合をお構いなしに爆音を鳴らすという点が問題になっています。
それが公共性の面で問題であることは、条例や行政による指導によって示されていると思います。
よって灯油販売のあり方、受注の仕方を検討すべきであると思ったりしています。
投稿内では、京都府内における条例を元に対応した様子を記していますが、商業宣伝にかかる同様の規制は、規制される音量など多少の要件は異なれ各都道府県にもあると思いますので、条例を根拠とした通報等々、よりよい方法を検討していただければと思います。
(なお、少し調べたところ、例えば東京都内であれば「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」、大阪府内であれば「大阪府生活環境の保全等に関する条例」というもので同様の規制がなされているようです)
ご返事ありがとうございます イニシャルの件、お手数をおかけいたしました 当地は、今も巡回販売をしているのはSだけです 厳密には、豆腐の巡回販売もありますが、音も小さく、頻度もそれほどでもないです
(Sの特徴は、音が大きく、移動がゆっくりで滞在時間が長いということですよね 曜日は決まっているものの時間は結構前後するので、音を聞いてから気が付いても買えるようにしています だから、大きな音でゆっくりです 聞かされる側には迷惑でしかないのですが)
今は市の環境課を通してそのSに「近隣を通過するときは、音量を下げるように」お願いしています 私が直接Sに申し入れたときは適当にあしらわれた感じでしたが、市を通してだと多少は音量を下げてくれているようです
今日は2022年10月30日です 11月1日からか15日からよくわかりませんが、またこの季節がやってきました
私の個人的な性格によるところもありますが、大きな音がすること自体より、「(今はしてないのにこれから)大きな音がするぞ」というパニック障害でいう予期不安の方が大きいです
「重たい灯油を運べない主に高齢者のお手伝いをしている」と主張していますが、ただで配るわけではないので、儲からなければやめるでしょう 需要がなくなるとか、原油高で商売が成り立たないなどの理由でやめてくれればうれしいのですが、そうもいかないんでしょうね
前と同じようなコメントで恐縮ですが、闘ってくださる方がいるのを心強く思います
再度コメントどうもありがとうございます。
行政(市)を通すと多少なりと音量が下がったようで良かったです。
やはり個人レベルで直接灯油販売の業者に連絡しても、ほぼスルーされるという感じなのでしょう。
「(今はしてないのにこれから)大きな音がするぞ」という予期不安については、今現在起こっていることのみに意識を向けて、それ以外の過去の想起や未来への想像などを、「現実には起こっていない想像の範疇である」と確認して、その場に置いていってみて下さい。
もちろん現実に起こった場合は、同様の対処をしていただければと思います。
毎度同じ業者の場合は、行政の方の対応も早いので、どんどん対処も楽になっていくと思います。