アフォリズム 791-800
- 791.最低限の「点」程度の説明
- 792.生活上の苦痛
- 793.時間を剥奪するもの
- 794.女の可愛さ
- 795.恐れるもの
- 796.惨めさについて
- 797.思い出を大切に
- 798.社長業
- 799.裏切らないものを求めて
- 800.どうせ嘘になる
791.最低限の「点」程度の説明
目に見えない存在等々の説明をするのならば、せめて面積を持たないものの円の中心には必ずある「点」程度の説明をしてみてはどうかね?
物理的に示し得なくても、指し示すことができなくとも、それであれば印象としては誰にでも再現性がある。
そうしたものではないものをなぜ断言できるのかね?
見た、見えたと言っても妄想と区別がつかないじゃないか。
そうである可能性はあったとしても、せめて断言は避けたまえ。
792.生活上の苦痛
生活上の苦痛には様々な種類のものがあるが、最も苦痛であるものとして、厚かましい相手に対して何もできず言い返せず、ヘラヘラ笑うことしかできないというようなものが挙げられるだろう。
ヘラヘラ笑っている場合ではない。
「厚かましい相手にヘラヘラ笑っている場合じゃないよ」ということを常に意識していれば、厚かましい相手が黙るか、態度を変えるか、去っていくだろう。
793.時間を剥奪するもの
「こんなものに時間を剥奪されていていいのだろうか?」と、時折振り返ると良いだろう。
794.女の可愛さ
勤め人時代、幾多の高齢女性に対して「人生の先輩として教えてください。人生の最後に何でも叶うとすれば、何がしたいですか」と聞いた時、大半の人たちは「もう一度恋がしたい」と答え、残り人たちは「新米お母さんとして子育てがしたい」と答えた。
もちろん例外もあるだろう。
ただいつまでも少女であり女子であるというところが、本質的な女の可愛さであると感じ、「女性」というもののイデアが垣間見れたような気がした。
795.恐れるもの
「恐れるものはないか?」という問いに対する回答は、市民生活においてはあるが、本質的にはない、というものになる。
「この私」にとってはあるが、「この心」にはないと換言することができるだろう。
796.惨めさについて
惨めさを感じた時、惨めさを与えた相手に「あなたは誰ですか?」と首を傾げる程度に扱うべく、惨めさを高みに突き進む原動力とすべきである。
ただ、それは抽象化すべきであり、なるべく具体的な相手を意識してはならない。
797.思い出を大切に
思い出の中で重要なのは、出来事の構造とその時の感覚である。
いかに吐き捨てるような思い出でも何かしらの糧にはなるだろう。
798.社長業
社長の仕事といえば基本的には判断や決断をすること、そして様々な事柄を延々と改良していくことになる。
しかしながら案外忘れられがちではあるが重要な仕事がある。
それは常に強くなっていくことである。
戦国武将でイメージした場合、世間や家臣にナメられているような戦国武将は、あっという間にお役御免になる。それと同じようなものである。
799.裏切らないものを求めて
人生において常に裏切らないものを求めていた。
しかし、やはり環境は常に変化する。自分も相手も「自分にとって重要なもの」が変化していく。
そして、重要なものに追い詰められた時、人は相手を裏切るつもりがなくても実質上裏切るような形になる。
安っぽいもので言えば、相手が受験を控えていて、その受験が相手とその両親との関係性に大きな意味を持っているような構造になっていた時、「遊ぼう」と声をかければ、「それどころじゃない。こっちは人生がかかってるんだ」と怒りをあらわにしてくることもあるだろう。
まあそんな時もあるだろう。
でもまあ、いきなり怒りを向けてきたということは、もうさよならということになるんだろうな。
800.どうせ嘘になる
感情的な感想や約束は、どうせ嘘になる。その時の感情は本物でも、何かの約束は、何かしらの形で嘘になる。
嘘をつくつもりなどなくても、いずれ嘘だったことになる。
だからこそ期待というものを時空の彼方に消し去るのが良い。
期待が「嘘」と「嘘による苦痛を形成」する。
一切は因と縁によって形成されたものであり、それは必ず変化する。
何に期待し、寄りかかろうとすることを避けよ。
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