アフォリズム 381-390
- 381.頭の腫れと理性的判断
- 382.時間的な深さ
- 383.ムキな自己顕示
- 384.祖父母と愚痴
- 385.殴られない前提への対応
- 386.仕事と免責
- 387.手をかけることと自立心
- 388.楽と集中
- 389.安易なテーマの組み合わせ
- 390.因縁の一般認識
381.頭の腫れと理性的判断
「とにかく今、頭が腫れている。頭の腫れがひくまでは、まあいいか」という確認をし、ひとまず肩の荷を下ろすというのは、理性的な判断である。
382.時間的な深さ
観光地というものは、時間、歴史的深さが掛け算となるため、いきなり大きな建造物を建てたところで、物語がなければすぐに人にとっての魅力とはならない。
383.ムキな自己顕示
現代は、「聞かされた相手としては、どうしたら良いのかわからないようなことを説きつつ、なぜやたらに自分がすごいということを示そうとするのだろう?」と首を傾げたくなるような者が、広告まで使って前に出てきやすい環境にある。かつては公職選挙がよく利用されたが、近年は、インターネット空間でそれがなされやすい。
384.祖父母と愚痴
世代的なものと「孫の前でだから」という点もあるのかもしれないが、祖父母の口から特に愚痴が出てきたことがないと記憶している。
385.殴られない前提への対応
「何を言っても殴られない」という前提で、厚かましく物を申す者に対しては、「何を言っても意見は通用しない」という態度で対応することができる。
386.仕事と免責
「仕事なんで」と言えば、たいていのことは免責されると思っているような者がたまにいる。配慮や代替策、改善の余地があるようなことも、その言葉を用いれば相手は押し黙るとでも思っているような幼稚な者が。
387.手をかけることと自立心
あまりに手をかけすぎることは、単に自立心や感謝の気持ちを奪うことのみになりかねない。
388.楽と集中
楽をしたいと思う場合、集中してやり込んだ方が、結果的に楽になる、というような逆説がある。
389.安易なテーマの組み合わせ
文化作品の制作において、安易なテーマを組み合わせて類似のものを量産するくらいなら、ある分野をとことん追求して研究し、膨大な知識を蓄え、発想を待った方が、一流に到達しやすくなる。
妖怪を調べ尽くし、知り尽くした者のように。
390.因縁の一般認識
本質的な因縁というものは、一般認識としての因縁よりも一段階奥にあるような構造になっている。「因」であると捉えられているものは、厳密には「縁」であるといったように。
最終更新日: