中学1年生くらいの頃の話になりますが、部活動で壁打ちのようなものをしていて、飛んでいったボールを見つめていた時のことです。
単に放物線を描くボールを見ていただけなのですが、急にひとつ上の学年の人がこちらに近寄ってきて
「おい、お前睨んでたやろ」
と言ってきました。
(あんた誰?)
くらいの感じでしたし、その時初めてその人が同じ学校にいるということを知ったくらいのレベルだったので、当然に喧嘩を売るべく睨んでいたわけでも何でもありません。
その人が近寄ってきたからその人に気づいたくらいで、視界に入っていても見ることすらしていなかったというレベルです。
ということなので、
「睨んでないですよ。ボールを見てただけですけど」
と言ってみました。
しかしながらその人はまだ僕が睨んでいたという主張を曲げません。
なので
「喧嘩売ってんのか?」
的なことを言ってきました。
ということなので、
「もし喧嘩を売るつもりで睨んでたんならもう既にやってますよ」
と答えておきました。
と、その瞬間、「バンッ!」と顔面を殴ってきました。
「もうええわ。はよやれや!」
と言ってきたので、
「やるわけないじゃないですか。喧嘩を売ってないんですから」
と答えておきました。
ついでに、「学年がひとつ上で、しかもさっきまで休んでて、こっちは今も運動してたわけやから、体力的にも自分に有利すぎでしょ。しかもあんた誰?」
と言っておきました。
「なんやとコラ!!」
と胸ぐらをつかんできましたが、僕は脱力系です。
「ほら、これであんたの勘違いが証明されたわけですよ」
と答えておきました。
まあ校庭で起こったことなので、すぐにいろいろな人が駆けつけてきました。
結局その人は、こっぴどく指導された他、次の試合出場停止的な処分になったそうです。
個人的には本当に「あんた誰?」という感じでした。
―
というような話を先日地元に帰ってきた友人と話していて思い出しました。
「ひとつ上の学年の人、特に体育会系が嫌い」という要素の一つですが、その学年の他の人々と異なり、その人は群れずに一人でやってきたというところは多少の評価ポイントです。
しかしながら、勘違いである可能性が少しでもあるのなら、もう少し戦略を練って来るべきだったと思います。
「引っ込みがつかない」という感じの様子を見て、その時はふと超絶甘党のおじいちゃんが、一緒に将棋を指している時に教えてくれた「過剰に固めずに王の逃げ道も作っておけ」ということを思い出したりしました。
中学生の時はやたらとひとつ上の学年の人たちに嫌われ尽くしていました。その分、面白い思い出ばかりです。
怨憎会苦は、怨み憎む人に会うことによる苦しみが基本となりますが、僕も「お互いに嫌い合う人」がいっぱいいました。僕は少し上の体育会系に激しく嫌われましたし、、嫌われているだけでなく僕も相手のことが嫌いです。相手としては「歳上なのだから自分は敬われ優遇されて当然だ」という観念を持っており、僕は「無条件に敬うのはおかしいし、先に生まれたくらいしか誇ることのない弱者なのだな」という観念を持っているので、当たり前のごとく衝突します。
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