ネガティビティ・バイアス(ネガティビティ効果)とは、評価的にポジティブな情報よりもネガティブな情報の方が情報価が高く、人が行う判断に大きな影響を及ぼす傾向があることを指す。生存本能による恐怖心が自我の根底にあるため、危険回避の方向性で解釈するのは当然であり、印象形成における情報統合過程では、ネガティブな情報はより大きな比重を示すということが、ネガティビティ・バイアスの要因として考えられる。
ネガティビティ・バイアスが生ずる原因としては、日常的に出現頻度の少ない情報にはより大きな注意が向けられるという点や、ネガティブな情報の方があいまい性が低く、危険回避に関する目的に総形で、ネガティブ情報のほうが診断的な価値を持つという点がある。
ネガティブな情報の情報価
生命保存や現状維持を第一に考えた上で情報の価値を考えた場合、現状にプラスされるポジティブな情報は緊急性などがなく、「それを気にしなくても良い」という解釈が起こることも多いが、ネガティブで危険に関する情報の方の場合は、生命保存や現状維持が脅かされるという構造を持つため、「すぐに対処しなければならない」という焦燥が起こるため、「自分とどれだけ関わりがあるか?」という点でより重要な情報として認識される。
あくまで情報の価値は「自分にどれだけ関係しているか?」というところから判断され、根本としては「自分の安全、生命保存にどれだけ関わっている事柄か?」というところが焦点となる。こうした構造を前提とすると、ネガティビティ・バイアスへの理解が深まるだろう。
自分に関わりが強い「不安」に関する情報
とどのつまり、安全や安心に関わる「不安」に関する情報で、特に自分に関わりが強い情報は「情報価が高く、人が行う判断に大きな影響を及ぼす傾向がある」というネガティビティ・バイアスを示すものとなる。
自分の生活や身の安全に関わることで、それを脅かす不安要素があるような情報は、より注意が向けられ、判断材料となり、より行動を喚起するものとなるというのがネガティビティ・バイアスである。
広告による釣りで「え、まだ知らないの?そのまま放置すると危険!」という謳い文句がある。こうしたものは、ネガティブ情報の方が関心を生みやすいということを逆手に取った演出である。発見次第クリックして、広告費を無駄に消費させ、すぐに画面を閉じよう。
ネガティビティバイアス(Negativity bias)
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