アフォリズム 291-300
- 291.能動と受動
- 292.無駄そうな時間
- 293.手や腕とまともな思考
- 294.新しい方法を見聞きした時
- 295.思い込みの克服
- 296.狂人たちの業績
- 297.断定的口調に冷める者
- 298.直線と殺風景
- 299.徒歩と思索
- 300.思い切りの例
291.能動と受動
どうも能動と受動の二元論でモノが語られているような気がするが、そのどちらでもあり、どちらでもないような、とても自然な動きというものもあるではないか。
292.無駄そうな時間
無駄に見える時間は、頭をまとめるために有意義に使われている。そして無駄さを感じて、有意義なことをしようという意志を生む。
その意志が生まれた時、暇をつぶしていた対象は、「やめておこう」という抑制の練習に適したものになる。
293.手や腕とまともな思考
手や腕の固まりが首の固まりを生み、それが自律神経を乱す。そしてまともな思考を奪っていく。
294.新しい方法を見聞きした時
あまりやる気がなかった仕事に関しても、新しいやり方、新しい方法を見聞きしたり、思いついたときには、「早く試したい」という気持ちが生まれ、嘘のようにやる気が起こる。ただ、あまり長くは続かない。
295.思い込みの克服
「たいていのことは思い込みである」ということを聞いた時に、その思い込みを克服し、それを突破しようとすると、逆にその思い込みを強化させることがある。
296.狂人たちの業績
社会において共感性が欠如した思い込みの激しい狂人ほど、業績を残しやすいというような傾向がある。その要因として、思い込みにより「抑制する思考がない」という点が挙げられるが、それに加えて「裏付けがなくとも、断定的口調で語られるとそれに従いやすい」という人がかなり多いという点が、そうした事象を支えている。
297.断定的口調に冷める者
断定的口調によって社会生活をうまくやってきた狂人たちのその断定的思考について、「断定できるようなことではないだろう」と冷めた目を持つ人こそ正しい。
298.直線と殺風景
自然界にはほとんど直線が存在しないゆえに、直線というものは非自然的なものとなる。「殺風景」を生み出すもののひとつは、不自然な直線である。
299.徒歩と思索
体力の温存という面では不合理そうに見えるが、やはり考える時は、歩きながら考えるというのが一番の理想という格好になっている。
300.思い切りの例
思い切りというものは、銭湯で水風呂に浸かる時の感覚が最も近い。
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